亡き母の名前は倫子(みちこ)といいました。

あたしが高校生の頃、家に空き巣が入ったことがあったんです。
警察がきました。
母に名前や、家族構成とか、無くなったものはないか、聞いていました。
そして、警察無線ですかね、中年の日焼けした警察官が署に連絡されるんですね。
「被害に遭われたのはぁ、ヨコヤマミチコさん、タテヨコの横、山川の山、ミチコはニンベンの、えっと、あ、不倫のリン。そうそう」
あたしと母は顔を見合わせて吹き出しました。
「言うに事欠いて、フリンのリンだってよ」
「ねぇ」
「でも、ほかに思い浮かべへんなぁ、お母さんの字」
「倫理のりんとかあるやろ」
「あ、そやねー」

そんなことを思い出しながら、お花、生けてみました。
未生流のセンセに習ってます。
まだまだ駆け出しです。

今日は、マンツーマンで教えてもらいました。
「お花は、天、地、人というふうに、位置関係を考えて生けていきます」と浄内(じょうない)先生が教えます。
「なんか、麻雀みたいですね」とあたし。
「なおこさんは、麻雀、好きですか?今は、お花のお稽古ですからね。天和(てんほう)、地和(ちいほう)は忘れてくださいよ」
「は~い」
ひとしきり、お花に集中します。
「センセ、お花って、めしべとおしべがあって、まあ、言うたら、生殖器ですやん」
「そうですね・・・」と(何言うねんこの人)っていう顔であたしを見ます。
「逆立ちして、お尻向けて見せてるんですね。お花って」
「なおこさんは、おもしろい見方をする人ですね。あほなこと言うてんと、もっと、こう」
「こうですか」
「違う!こう」
(センセ、怒ったはる・・・)


お花のお稽古の帰りに、施設に寄って、だんなを連れて帰ってきました。
「笑ってコラえて」を見て「風立ちぬ」の話で盛り上がりました。
(あたしね、この番組に出たことあるんよ。VHSで撮ってあるし)
日本で初めてできた、全部金属製の九試単戦(単座戦闘機)の話で
「九試単戦って沈頭鋲(ちんとうびょう)を使ったから空気抵抗が少なくなって、速くなってんで」
「なんやそれ」
「リベットやんか。リベットって頭が飛び出てるやろ?堀越さんは、頭の平たいリベットを使わはってん。それが沈頭鋲」
「ふ~ん」
「ほんで、逆ガル翼って言うて、脚を短くすることができるねん。前から見たらほら、W型やん。あれも堀越さんのアイデア・・」
「飛行機のことはよう知ってるな」
一方的に話すあたしを、あきれて見ている彼。
ほんとは、あたしより、だんなのほうがもっと知識があるねん。
あたしのは彼の受け売りや。


やっと寝かせて、お酒飲みます・・・

だんなは、あたしより九つも年上なんだけど、そのせいか、お父さんみたいにいろいろ教えてくれた。
その差は、あたしが歳を重ねるにつれて小さくなるような気がするけれども。

そんな彼は、植物に造詣が深い。
いつだったか、
「ママコノシリヌグイを知ってるか」
「なにそれ」

「そういう植物があるねんで」
「けったいな名前やな。なんやて?もいっぺん」
「ママコノシリヌグイや」
「どういう意味なんや」

「ママコはわかるやろ?」
「血のつながってない子やろ」
「その尻をぬぐうんや」
「わけがわかりません」
と、あたし。

「ママコはな、お尻を継母にぬぐわれるときにな、いじめられて、トゲトゲの草でぬぐわれるねん」
「えげつない話やな」

「ママコノシリヌグイはな、細かいトゲがびっしり生えてる雑草なんや」
「ほなら、何かいな、継母が継子のお尻をぬぐうのに使った草やちゅうわけ?」

「そうやったらおもろいなって付けたんやろね。学者が」

「あほちゃうか。その学者。ほんまの話ぃ?かついでんのとちゃう?」
って、追及したら
「ほんまやて、図鑑にも載ってるて」

ほんまらしいです。
調べてみてください。

本日もとりとめのないコーナーでした。

本日の放送を終了いたします。
BGM「君が代」・・・