女子会って言い方もなんだけど。この歳で。
気の合う仲間と飲み会をやるわけよ。
今日もやりました。
最初は、ソフトドリンクっていうかコーヒーとか紅茶でお茶するんよね。
ケーキなんかで可愛く盛り上がるのよ。

下は四十五、上は五十八までの年齢幅で、話すことと言ったらダンナのこととか、子供のこととか、シモの話とかですわ。

で、二次会は酒が入る。
飯を食う。
騒ぐというお決まりのパターン。

「じゃあさ、娘さんに、アソコのこと何て言うてんの」と、あたし。
ディープな部分に話題が落下していっている。
「おまんまん・・・」
「かっわいーっ」
「おまんまん、きれいにしようねって」
りっちゃんていう、一番若い、小学生の女の子のお母さんが言う。
「おまんまん」とは、よい造語だ。
なにやら、拝みたくなるではないの。
「おちんちん」の対語としても、申し分ない。
なにより、下品さが、かけらもない。
明るいイメージで、陰部を払拭して余りある。

最年長の、和枝さんは、
「だんながオメコ、オメコって言うけど、あたしはあそこのこと、あそことしか言わんな」
「ちょっと、かずえさん、オメコは何度も言うたらあきませんて」
隣にすわっている、美容師のジュリがたしなめた。
「あはは」
「公共の場では、ピーやんな」
店のお兄さんがそこへ来て
「ナマチュウ入りますぅ」
ビールが四つテーブルに置かれた。
「聞いてはったで。あの兄ちゃん」
「ほんま、笑うたはったわ。はずかしい」
あたしたちは、とたんにひそひそ声になった。

しかし、酒の入った女は、すぐに前のことなど忘れてしまって、またもや品(ひん)を落としていく。
「ちびちんって言うやろ?ちっさいチンコ」
ジュリは、だいたい品がない。
あたしは、
「ちんこ自体、小さいっていう意味があるらしいよ。ちんぽこは小さい鉾、つまりや、祇園さんの長刀鉾(なぎなたぼこ)みたいなんのちっさいのを「ちんぼこ」、それがなまって「ちんぽこ」、つづまって「ちんぽ」または「ちんこ」になったんや」
と、知識を披歴してやった。
「おおう」と、みな、歓声をあげる。
「なおぼん、どこでそんなん調べたん」
りっちゃんは、娘さんしかいないから、男の子のこと知らんらしい。
「あの有名な古典の先生が言うとった」と、出まかせを言うたった。
「え?林先生?「今でしょう」の」
「うん、まあ」

しばらくあって、ジュリが、
「ほなら、ちびちんってちっさいのが重なって、もっとちっさいって言う意味になるね」
「そういう意味で言うてたんと違うの?」
と、あたしは訊いた。
「マイクロペニスって言うやつやな」と、さすが看護師の和枝さん。
和枝さんのご主人は婦人科のお医者さんだ。
あたしも診てもらっている。

「何それ。病気?」りっちゃんが、怪訝そうに尋ねた。
和枝さんは、わが意を得たりと話し出した。
「おちんちんが、大人になっても成長しないで、小さいままなんや。ホルモンの病気やろかなぁ。原因はわからんけど、けっこういはるらしいよ」
「あたし、知ってる。そやから、ちびちんの話をしたんや」
と、ジュリ。
「ちっさいって、どんくらい?」あたしは興味津々で訊いてみた。
ジュリは手を出して、親指と人差し指を広げた。
「こんなもんやったかな。起(た)ってやで」
五、六センチの幅を示した。
「ポークビッツやな。まるで」と、あたし。
「あはは、そら、ちっさいな。できるんかいな」和枝さんも、おもしろがって言う。
「だいたい、ジュリさん、ダンナ以外の男の人と遊んでんの?」みんなよりはマジメなりっちゃんが咎める。
「いやいや、なりゆきで、ちょっとね」ジュリは、男友達が何人かいるらしい。
「で、したんか?ポークビッツ氏と」あたしは、話題を戻した。
「したよ。入ったのかな?まだかな?と思ったら、根元まで入ってんねんね。わっからんかったぁ」
一同、大笑い。
「なかなか逝かはれへんから、お口でしてあげたら、かわいいねん。ほんま、ウィンナー舐めてるみたいで」
「出しはった?」りっちゃんが訊く。
「けっこう、ようけ出しよったで。男としては機能しとったな。驚きや」
「へえ」

あたしだけ、ウィスキーの水割りを飲んで、みんなはチューハイをやっていた。
「男のチンコのちっさい奴は、自信なさげで、卑屈や」
だんだん、ジュリが過激になってきた。
「まあ、まあ。小さい人は、テクで勝負してきはるから、丁寧やで」とあたし。
「そや。でかい男ほど、自慢しいで、暴力的やなぁ」と、和枝さん。
「みんな、だんなさん意外に経験あるんですねぇ」と、りっちゃん。
「ないの?りっちゃん」
「ないですぅ」
「結婚前も?」
「ないです」
「旦那さんが初めて?」
「そうです」
「ほえ~」と、あたし。
「どやさ」と、ジュリ。
「ええんとちゃう?あたしもだんな一筋え」と和枝さん。
「さっき、おっきな男は暴力的やて言うてましたやん」
ジュリが、混ぜ返した。
「センセ(旦那さん)のことですか?巨根・・・」と、あたしは訊いてみた。
「ひみつ」
和枝さんが、めずらしくほほを赤らめた。
「ほぉ~」
「センセにかんぱぁい」
あたしちは、めいめいのグラスを突き出した。

こうして、女子会の夜は更けていくのです。