一方、大人たちの酒の宴もたけなわになっていた。
楽しみの少ない多々良では、こんなことでもない限り、酒など飲めない。
住職の奈良蔵でさえ、赤い顔をして歌い始めている。

「姉ちゃんは、浩ちゃんに色目を使うとる」
秀子が、座った目でなじる。
「秀子は男をを見てうずかんか?え?」
「なによ、いやらしい」
「その歳で、行かず後家やもんな」
秀子は結婚歴がない三十路女だった。
多々良にいる限り仕方のない事だった。
秀子とて、女ざかりである。
若い男を見て、体がほてるのは自然なことだった。
ジジババばかりのこの山村に舞い降りた、若鷹を姉に取られたくはなかった。
「夜這いしかけたろか」
こそっと里美が秀子に耳打ちする。
「そんな・・・」
まんざらでもない秀子である。
「もう、寝てるんちゃう?淳子ちゃんと、あれかな」
「淳子なんか、おぼこや。なんもでけへん。あたしらが、こうちゃんに教えたったらええんや」

奈良蔵がいびきをかいて床柱を背にして寝ている。
庄之助は、お膳に突っ伏している。
だめな男たちだった。
歳も歳だから、仕様のないことなのだけれど。

「ちょっと、風に当たってくるわ」と里美が秀子の手を取って立ち上がった。
幸子と恭子、彼女らの母、マツが花札を引いている。
「ああ、もう帰ってもええで、あんたら」
と、マツ婆さん。
「ほな、そうさしてもらいますわ。ごっそさんでした」
「はいよ」

里美と秀子の姉妹は玄関から出て、庭に回り浩司が寝ているであろう部屋にそっと近づいた。
「ええのん?姉ちゃん」
「まっくらや、もう寝とるわ。ぞくぞくするな」
淳子はすでに、自分の家に戻ってしまっていて、浩司は一人で寝ているようだった。
縁側のガラスの引き戸に手をかけ、引くと、すっと開いた。
「姉ちゃん、やばいって」
「かまへん」
縁側の廊下に這い上がり、半分開けっ放しの障子から、浩司の寝顔が見える。
「かいらしい顔やな。尚子さんにそっくりや」
「ほんま。ええ男になったなぁ。鼻たれ小僧やったのに、まぁ」と秀子も寝顔に見入っている。

「こうちゃん」
里美が起こす。
「う、ううん・・だれや?じゅんちゃんか」
「淳子やなくて、残念でした。あたしや。里美。ほんで妹の秀子や」
「うわ、どないしたんです。こんな時間に」
「夜這いに来たってんがな。あんたの童貞をいただきにな。なぁ秀子」
「いややわぁ、もう。姉ちゃん」
年甲斐もなく秀子がはにかんでいる。
「はい?」要領を得ない浩司は、暗がりできょとんとしていただろう。

「なあ、こうちゃん。あんた、女を抱いたことあるんか?」
寝間着の間から手を入れられ、乳首をまさぐられて、浩司は状況をやっとのみ込み始めた。
「あ、ありませんよ」
そう言うのがやっとだった。秀子もそばに座ってじっと姉のすることを見ているようだった。
掛け布団は押しやられ、添い寝をするように浩司の横に熱い体を押し付けている里美。
「あたしらが、教えたる」
そう言うと、浩司の唇は奪われた。
秀子は、姉にはかなわないと思った。
大人しく見ているほかなかった。

酒臭い息が少年の口に吹き込まれ、舌が無理やり絡め取られる。
はむ・・べちょ・・・
「はぁ、はぁ」
「どうや、初めてのキスは」
「お、おいしいです」
「ほんまにぃ?ここはどうやぁ?」
下着の腰ゴムから手が差し入れられ、ペニスが掴まれた。
反射するように分身に血が送り込まれ、みるみる硬さを増していった。
「あら、あら、ちゃんと男の子してるやんか。秀子も触ってみ。あんた、触ったことないやろ」
パンツは脱がされ、秀子も手を伸ばしてきた。
「ええーっ。うわ。硬ったぁ。こんなおっきなるの」
秀子の声が、うわずっている。
里美の手の動きが早くなった。
「ああ、ぼく、もう」
「いってまうか?童貞やもんな。しゃあないなぁ」
しこしことリズミカルしごかれ、もはや、浩司の限界が迫っていた。
自分で慰めることを覚えたばかりの浩司にとって、これはたまらなかった。
力を込めて握られ、皮を下に引っ張られると、あえなく、爆発してしまった。
「うあ、うあ」
「いやぁん。出たぁ」
里美が、おどけたように声を上げた。
秀子が、「何、何が出たん?」と訊く。
「精子や。子種や」と姉。
「ほんま栗の花の匂いやなぁ」
「今の季節、たまらんやろ。旦那のを思い出すわ」
手についた粘液の匂いを嗅いでいる里美だった。

一方で、女にもてあそばれた浩司は恥ずかしさでいっぱいだった。

電灯がつけられた。
里美が、ティッシュペーパーを探して、やさしく後始末をしてくれた。
「こうちゃん、いっぱい出したなぁ」
そう言いながら、柔らかくなったペニスを舐めてくる。
「汚いよ」
思わず口から出たが、里美は構わず頬張る。
秀子も、汚いものを見るようにしていた。
「姉ちゃん、すごい・・・」
「あんたは、知らんだけや。夫婦もんはみんなやってることや」
浩司の男は、また硬さを増して、大きく立ち上がってしまった。
秀子が、まじまじとそれに見入っている。
「あんたも見とき」と秀子に言いながら、姉の里美はショーツを脱ぎ去って、浩司をまたいだ。
「こうしてな。こうちゃんの童貞をいただくんや。あたしが最初やで。一生忘れたらあかんよ」
勃起を自分のふさふさと毛をたくわえた肉の谷間にあてがい、ゆるりと尻を落としてはめ込んだ。
浩司は目を見張って、自分のものが女の中に消えていくのを眺めていた。
温かな、女の胎内はしっかりと浩司を包み込んでいた。
秀子もその結合部分を穴を開くほど見入っている様子だった。
「あぁ、久しぶりやなぁ。硬ったいおちんこぉ」
そんなことを口走りながら、顎を上げて、里美があえぐ。
腰が上下し、少年を翻弄した。
性交することが、こんなに気持ちのいいものだとは・・・

一度出している浩司は、女の表情をながめる余裕もあった。
ペニスの先が、こりっ、こりっと弾力のあるものに当たる。
これがたまらなく快感を誘う。

放っておかれた秀子が、自分の性器をショーツの股布の脇から指でいじって、二人の睦み合いを食い入るようにながめていた。
「秀子、こっちおいで、あたしがしたげよ」見かねた里美が妹を手招きする。
いそいそと姉の誘いに膝立ちで布団に上がってきた。
三十女が二人、十六の少年の上で絡み合った。
汗にまみれたブラウスをもどかしそうに里美は取り去り、地味な肌色のブラジャーも外してしまった。
秀子も同じように裸になる。
そしてさらに激しく腰を振る里美。
「はあん、あん。いい、この子のおちんこ、いいわぁ」
「お、おっぱい触ってええですか」と浩司が問いかける。
「ええよぉ。ほらぁ」
豊かな、やや垂れた双乳の胸が張られ、浩司はそれに手を伸ばして受けるようにまさぐった。
そのやわらかな肉は、浩司の想像を超えていた。
「じょ、じょうずえ。こうちゃん・・・はあっ」
そして右手は妹の割れ目を這っている。
乳首を浩司がつまんで、ねじると、里美は声を上げてのけぞり、結合部分がぎゅうと締まった。
「あはっ。やめてぇ。やっぱり、もっとぉ」
矛盾したことを口走り、よだれをこぼした。
秀子は自分の指を膣の中に激しく出し入れしていた。
その顔は苦痛にゆがんでいるように見えた。
処女のはずの秀子が、このような激しい自慰をするとは。

実は、姉に言えない秀子の秘密があった。
昨年、久しぶりに帰郷した姉の夫、祐介に秀子は処女を奪われたのだった。
それ以後、秀子は以前より頻繁に自慰に耽るようになり、クリトリスよりも膣への挿入を嗜好するようになった。
祐介は、秀子に里美にはしないような体位を強要し、男の体を印象づけたのだった。
そんなことを、怖い姉には知られてはいけなかった。

「あんた、指入れて、やりよんの?へぇ。おぼこやと思ってたら・・・」
あまりの激しい妹の自慰行為を見てしまい、里美は不審に思ったみたいだった。
もっとも、それが我が夫のせいであるとは小指の先ほども思っていなかったけれど。

女の体臭で狭い部屋は充満した。
「な、こうちゃん。後ろからやってぇな」
「どうすんの」
「ほら、立って」
促されて、浩司はのろのろと立ち上がった。
里美は四つん這いになって、大きな尻を持ち上げた。
「ほら、ここに入れて、突いてほしいねん。あたし、そのほうが好きやねん」
浩司はにじりよって、臀部の間に割入り、赤く膨れ上がったペニスをそのただれたような肉の花に開いた洞穴に沿わせた。
「そう、そこやで」
ぐいと、先を入れれば、後は難なく全部が滑り込んだ。
「あふぅ。すっごいわぁ。奥まできたわぁ」
浩司は、大きく抜き差しして、里美の変化を見た。
「あん、あん、いいよ。もっと突いて。もっと」
「こうですか?どうです?」
「ああ、当たってる。いやぁん。おかしなる。おかしなるぅ」
激しく、頭を振り乱し、枕に顔をうずめてむせんだ。
「お姉ちゃん?だいじょうぶ?」
あまりの変わり様に、秀子が姉を気遣う。
秀子がかがんで、姉の頬を叩いている。
秀子の胸もしっかりと張り出して、谷間を見せていた。
里美がぐったりしたので、浩司は
「秀子さん、次、やったげましょか」
「え?いいの?」
「里美さん、のびちゃったし」
姉を突いていたペニスが抜かれ、妹に向けられた。
秀子は固唾を呑んで、それを見ながら、仰向けに寝た。
浩司が秀子の足の間に入り、左右に広げさせ、穴を確かめた。
もう、しとどに濡れそぼって、泡を生じていた。
自慰の激しさを物語っていた。
秀子への結合も、すんなりと行われた。
「はうっ。ああ、いい。こうちゃん。いいよ」
浩司は目の前の乳首に吸い付き、覚えたての腰の突きを加えた。
「いやぁ。だめぇ。飛んじゃう」
もう登りつめる、秀子。
そうとう、お預けを食らって、我慢の限界に来ていたようだった。
少年の稚拙な攻めにも、経験の少ない三十女には十分だった。
腰が自然に少年に向かってせり出し、奥深くを抉ってもらおうと要求する。
逃げる少年の腰を秀子の両足が絡みつき、逃すまいと力がはいる。
農作業で鍛えられた秀子の筋力は、ひよわな少年を簡単に抑えこんでしまった。
「はひぃ」
浩司が第二の限界に差し掛かった。
「もっと、もっとぉ」
秀子の体が、起き上がり、素早く、上下が入れ替えられた。
浩司は倒され、騎乗位で秀子が腰を振る。
姉がやっていたように。
「あ、あかん。秀子さん、でる、でるぅ」
「ちょうだい。あたしに。ちょうだいっ」
びゅるるるっと秀子の胎内で、少年のペニスが振動し、子種を大量に放った瞬間だった。
長い放出が続き、秀子は浩司の上に折り重なった。
抜けた陰門から、おびただしい、白濁液を漏らしながら・・・

姉はその一部始終を見て、
「あんた、うちの旦那とやったやろ・・・」
ぽつりと、言った。
その目に、憎しみがこもっていた。
「え?何の話」
「とぼけてもあかんよ。まあええわ。どうせ、あの人から近づいたんやろけど」
「しらんて。ほんまに」
立ち上がって、着衣を整える秀子は、終始、うつむいて口ごもってしまった。
「あぁあ。満足したわ。ありがと。こうちゃん」
そう言い捨てて、縁側から二人の女が出て行った。

月明かりがこうこうと、谷あいの地面を照らしていた。
浩司は、裸で、布団に大の字になって、めくるめくさっきの出来事を反芻していた。
「えらいことをしてしもたなぁ」
と、漏らした。

(続く)