私が中学生になる前、そうね、六年生のときに麻生よう子さんの『逃避行』という、とても耳に残る歌がヒットした。
ペドロ&カプリシャスの『五番街のマリーへ』とともに、この頃の私に強烈に印象付けている。

作詞が千家和也、作曲が都倉俊一と調べたら出てきましたが、メロディと詞のマッチングが記憶に強く残っている。

あの人から言われたのよ
午前五時に駅で待てと
知らない街へ二人で行って
一からやり直すために
あの人から言われたのよ
友達にも打ち明けるな…

題名の「逃避行」と合わせて、小学生の私にも男女の、いたたまれない境遇がわかった。
男と女は、結局は、逃げなければならないのだと。
世間から?
親から?
とにかく、いままでの生活は送れないのだ。

でも約束の時間になっても、あの人は来ない…

ペドロ&カプリシャスの歌に『ジョニィへの伝言』という同じ状況のものがあったことも、私の中で大人の男女の関係をイメージが作られたのかもしれない。
はたまた朱里エイコの『北国行きで』や、はしだのりひことクライマックスの『花嫁』が下敷きに会ったのかもしれない。

のちに狩人の『あずさ2号』で、男女には必ず悲しい別れが訪れるのだと思うようになった。
それは、なぜか多感な時期にあこがれとなって心に残った。
中学になってフォークソングに夢中になると、伊勢正三の『二十二歳の別れ』、松山千春の『旅立ち』や『恋』に触れると、ひとしお、男と女は別れるために出会うのだと思うようになった。

従弟との別れの予感もあったのかもしれない。
決して許されない恋…
無理やり引き裂かれる二人…「野菊の墓」の政夫と民子のように。