アクリルアミド(アクリルアマイド)という化学物質があります。
アクリル系高分子の材料にもなり、単一重合体(高分子)は土質改良剤(保水剤)や紙力増強剤(糊ですね)として広く使われています。
あたしも化学会社に勤務していた時は、アクリルアミドの結晶とか、水溶液をそれこそ大量に扱っていました。

結晶ならセメント袋に入ってまして、使う時、手袋をしますが皮膚にもつきます。
水溶液は扱いやすいように40%にしてドラム缶に入ってました。
これだとポンプアップして釜内に仕込めますんで、楽です。
ただ、飛沫はけっこう浴びてました。

会社の健康診断で看護師だったか保健師だったかに、忘れましたが、必ず尋ねられました。
「あなたは、仕事でアクリルアミドをお使いですか?」と。
「はい」と応えると、問診票にチェックが入り、以後、健康診断ではあたしに配られる問診票にはアクリルアミド作業員と印刷されていました。
血液検査に「アクリルアミド」の分析が自動的に入るらしいのです。
つまり労働安全衛生法上も把握すべき毒物だったのです。
若かったあたしは、当時、あまり気にしていませんでした。
その後も、アクリルアミドを浴びるほどとは言いませんが、世間の人よりは浴びていたでしょう。

あたしは、一度、妊娠の兆候があったことがありました。
結婚前のことであり、それでも旦那には話せませんが、不倫の結果です。
幸いと言うか、三か月を待たずに流れてしまいました。
その後も危ないセックスをしてきましたが、なぜか妊娠しませんでした。
今思うと、アクリルアミドのせいではないかと思います。

アクリルアミドには神経毒、肝臓障害が急性的な症状として知られているようです。
慢性毒としてはやはり発癌や不妊、遺伝子破壊が示唆されていて、国も異例の注意喚起を行っています。
バブルの崩壊した後くらいにこの毒性は世間に流布しました。
そして、それは土質改良で土壌に含まれたポリアクリルアミド由来のアクリルアミドが河川や地下水に流入したために発覚したのです(1997年、スウェーデン)。
ポリアクリルアミドなら毒性はないはずなんですが、残留モノマーとして幾分、アクリルアミドの単体が存在します。
当時、トンネル工事で漏水防止のために、土壌にポリアクリルアミド水溶液を注入して硬くし、掘りやすくする工法が良く行われていました。
河川の水に溶け込んだ高濃度のアクリルアミドはまず魚類を大量に死亡させてしまいました。
すべての死んだ魚の体内からアクリルアミドが検出されたのです。
すぐに、どこから由来したのかが調べられ、くだんのトンネルであることが判明したのです。

しかし、もっと調査を進めていくと、この流域から遠い人々の体内からもアクリルアミドが検出されることがわかりました。
それどころか、まったく関係のない地域でも一定の濃度のアクリルアミドが検出される人々が後を絶たなかったのです。
科学者や医師らは「これは、なにか食品から由来しているアクリルアミドに違いない」と予想するのです。
食品をつぶさに調べると、ジャガイモの揚げたもの、焦げたパン、クッキーなどからアクリルアミドが検出されるではないですか。
でんぷん質を高温で加熱調理すると、メイラード反応という褐変反応が起きます。
これはパンの香ばしい香りと、あのきつね色のおいしそうな発色の原因反応なんです。
行き過ぎると焦げてしまうのですが、ほどよい色で止めるように昔から行われていました。
メイラード反応はパンだけでなく、クッキーやフライ、焼きおにぎりにおもち、プリンのカラメル色素など食品にはなくてはならない反応です。
その中に落とし穴がったんです。
メイラード反応の副反応でアクリルアミドができてしまうのでした。
※農水省のHPより引用。

ただ、調理で生成するアクリルアミドはたかが知れていると思うのですが、「焙煎」をする食品、たとえばコーヒーや、ほうじ茶、ココアではかなりの含有量になるようです。
※アクリルアミドは水溶性ですので必ず、口に入ります。
それでもそのことが健康被害になっているとは考えにくいのです。
コーヒーを飲みすぎて発癌したというような事例がないからです。

「二度揚げ」する芋ケンピ、高温で揚げるフライドポテトが「やり玉」に上がっていますが、あたしは安心して食べていいと思っています。

いたずらに食品中のアクリルアミドを怖がっていては何も食べられませんからね。

あたしのように、工場でアクリルアミドをそのまま扱ったりすると皮膚吸収でやられちゃうんですよ。
100%ものでしたから。
だめですよね。