配線屋の西さんと、今日のお昼、一緒だった。
「なおぼんは配電盤とか制御盤の「バン」がなんで「板」やないか知ってるけ?」と、訊かれた。

そういえば「盤石」の「盤」を使うなぁ。
配電盤は近頃、扉のついた金属の箱に入っているからだろうか?
プリント基板は「板」やけど…

「知らんわぁ。なんで?」
「あれはな、その昔、屋内配線とか、電力線の配線は大理石の盤石に、碍子(がいし)をかまして、直接、電線を這わしてたんや」
「えーっ、ほんまに?」
「そやで。被覆線があれへん時代やからね」
「そっかぁ、被覆線ができたのはずいぶん後なんやね」
「最初の被覆は編んだもの、つまり綿の繊維やった、そのうちゴム引きやエナメル線ができたけど、どれも絶縁性は十分やなかった」
「ほんで、石の盤の上にナイフスイッチとか取り付けてたん?」
「そやから、配電盤なんや」
「西さん、プリント基板は、なんで「板」なん」
「それは、プリント基板が生まれたときから、もうベークライトとかガラエポの薄い板やったからやがな」
「生まれながらの「板」やったんやね。あたしらの子供のころはラグ板やったわ」
「なつかしいこと言うなぁ。いまはブレッドボードの時代やで」

というような会話をしたのだった。