未来は変えることができるのだろうか?

ウィンドウズXPのみをオシャカにするウィルスソフトを北朝鮮が発注してきたのだ。
朴泳光(パクヨンゴン)は、指定暴力団「琴平会」のドン、横山尚子から大きな期待を寄せられていた。
「あんたならできる」
前組長の蒲生譲二が出所してくるまでは、秘書兼愛人の尚子が琴平会を取り仕切っていた。

マイ○ロソフ○社は、糖尿による脳梗塞でゲイツ氏亡き後、落ち目の株価を何とかしようとTOBに踏み切ったが、案の定、中国と北鮮資本に株式を順次TOBで奪われ、XP後継OSの売れ行きダウンを阻止すべく、暴力的な方法に出たのである。
つまり、XP専用攻撃ウィルスを同社内部から発生させるニダ。

なにしろ、各国の軍事、行政レベルのコンピューターに広く浸透しているXPであるから、生半可な脅しでは駆逐できない。
ここは積極的に株主たる北朝鮮の得意とするハッキングとウィルスソフトでXPを根絶しようというのだった。
中国もおおいに乗り気なようで、ここらで世界を牛耳るには、OSの制圧こそ有効だと判断し、習近平側近も動いているようだった。


「お前も、王将の社長みたいになりとなかったら、協力するこっちゃ」
最後に、尚子は朴に、そう脅すことも忘れなかった。

金正恩は暗殺されることに怯(おび)えきっていた。
叔父、張成澤を粛清したのも、地下壕に隠棲しているのも、すべて怯えているからだ。
もっとも張成澤は自分で味見した女を第一書記の側室に送り込んだというのも気に入らなかったのかもしれないが。
とにかく、何をするかわからない。

兄、金正男が、次期将軍になるのではといううわさもあって、彼への刺客が差し向けられているとも聞く。
マカオでよく似た男が誤って殺されたとか。
今は、拉致よりも粛清のための暗殺が北の目的と化した。
六カ国協議などのお遊びに付き合っていられないのだ。
北の恐怖政治を世界に及ぼそうというのだから、恐れ入る。

この日本にも、正恩の刺客は入っていた。
尚子にも、自分も同じ目に合わされるという恐怖があった。
蒲生と関係を持ったこと、土台人を裏切ったこと、すべてが金正恩側近に知られてしまっている。
蒲生は、正恩の父や祖父とのつながりが濃かったせいもあって、それなりに信頼を得ていた。
もちろん張成澤との太いパイプを有していたのも彼だ。
驚く無かれ、蒲生は万景峰号に個室まで持っていた!
引田天功に聞くが良い。彼女ならよくご存知だろうから。

北系パチンコ店から吸い上げた金をピョンヤンに違法送金する日本側の窓口が蒲生その人だった。
もちろんこれが日本の捜査当局に発覚して、御用となったわけだが。

第三国金融機関を利用してマネーロンダリングした金をスイス銀行のキム家の口座にプールするのだった。
表向きは、米国に凍結されたという話だが、そういう事実はない。
ちゃんと運用されているのだ。
スイスという国はそういう国なのだ。


それはそれとして、だからこそ、蒲生は正恩に疎まれるということも考えられる。
ここは、おとなしく北朝鮮政府に従うしかないのだ。

塀の中にいる蒲生にとって、出所は命の危険を感じることに相違ない。
それは、尚子も同じであった。

泳光は徹夜で、ウィルスソフトの開発に没頭していた。
XPだけをやっつけるというところが難しかった。
それよりも、XPを使っている軍事、行政機関から機密情報のみを拝借できるようにオプションをつけることが大事だった。
ウィルスのばら撒きは、例によって中国の重慶から発信するのだ。
日本の「特定秘密の保護に関する法律」は機能しない法律だから、恐れるには足らないけれど。

京都大学で数学を専攻し、ハーバードで博士号を取得しマイ○ロソフ○社に入社後はそれなりの成果も挙げてきた泳光だったが、両親を北に置いての立場の弱さから、総連に目をつけられ、北鮮集金マシンの琴平会を通じてヘッドハンティングされ、土台人として働かされることとなった。
このような青年は日本に多くいる。

横山尚子、通称「なおぼん」はこの先、売国奴と成り下がるのか・・・

乞うご期待!