ダニにやられたみたい。
あちこちに赤い斑点が・・・


調べたら、ツメダニという血を吸わないダニらしい。
しかし、掃除機で吸って、外で干して、叩いてもまだやられる。
よくみたら、ほんとに刺されたところは治りかけていて、あらたに水しぶきを浴びたように細かい斑点ができている。

アレルギー反応だ。こりゃ。

まだ、体内にアレルゲン(たぶんダニの口吻の一部とか)が残留しているのだ。

皮膚の柔らかいところを集中的に刺されている。
お乳の谷筋から裏街道(う~ん見えん・・・)まで!
痒いのなんのって。
へたすると、おまんまんのほうまで来るぞ・・・

最近、朝方、肌寒いから仕舞ってあった掛け布団を出してきたのよ。
そしたら、このありさま。

この発赤と痒みは「アレルギー反応」であって、体の防御反応が過剰に発現してこうなる。

痒み物質は自分で作ってるのよ。
ヒスタミンって聞いたことあるでしょ。
あれよ。
ヒスタミンはたんぱく質を分解したアミノ酸のうちヒスチジンから酵素の働きで作られる。
普段は、ヒスタミンは肥満細胞のなかにたくわえられてんのね。
肥満細胞っていうのは、ヒスタミンで膨らんでまんまるさんだからそう言われてるんで脂肪の細胞ということではないのよ。
専門的にはマスト細胞というほうがいいかも。
ある種の信号(刺激)を受けると、マスト細胞の表皮がやぶけてヒスタミンが大量に放出される。
そしたら、あんた、痒いのなんのって。
ヒスタミンは痒みのほかに、鼻水を出させ、くしゃみを出させ、気管支を腫れさせて咳を出させ、皮膚を腫れさせ、赤くするのよ。
迷惑なこっちゃけど、これがないと痛みを感じないから、危険を察知する能力を失ってしまうので、ぜったいヒスタミンは必要なのね。
だから体中にマスト細胞は、おる。
命令が来たら、すぐに皮を破ってヒスタミンを出す。

この命令は「抗原抗体反応」として知られています。
IgEというγ-グロブリンというたんぱく質が抗体をつくって、信号を送るの。
Y字型をしていて、そのYの部分を表に立てて、マスト細胞の細胞膜に分布してます。
細胞膜って、ラングミュア膜といって単分子膜なのね。
脂肪酸が規則正しく一分子の高さで絨毯の毛のように並んで膜を作っているの。
ちょうどシャボン玉の膜みたいにね。
その間にIgEは入り込んで「生えて」るみたいに存在している。
Y字型には鍵にあたる分子構造があって、アレルゲンたんぱく質(アレルギー物質)にそれぞれ反応するようにできていて、いわゆる不揮発メモリーなのよ。
だから、アレルゲン分子構造を覚えちゃう。
そのメモリー量がある濃度に達するとヒスタミンを出せという命令になり、アレルギー反応が発現するわけね。
一旦、発現するスイッチが入ってしまうと、不可逆スイッチなので、もう元に戻らない。
なぜなら、アレルギー反応はもともと体を防御する反応だからね。
つまり、出された命令は取り消せないから、アレルゲンを除くほかないの。
これがアレルギーを治しにくい理由になっている。

どの程度でアレルギー反応がでるかどうかは人によるし、その詳しいことはまだわかっていない。
大量にスギ花粉にさらされても、アレルギーを発現しない人もいるわけでね。

辛うじて人類はヒスタミンに抗う方法を見つけるにいたりましたよ。
抗ヒスタミン剤です。
ヒスタミンには種類があって、H1とかH2とかがある。
H2ブロッカーってよく言うでしょあれよ。
胃酸の分泌もヒスタミンが関与しているらしくそれで、胃薬にH2ブロッカーを使うらしいわ。

血液検査をすると、その人のアレルゲンの型がわかるそうね。
これはね、聞いたら、特定のアレルゲンで増えたIgEの型を検出するらしいのよ。
あたしもやってもらったら、スギ・ヒノキに感作しやすいと出ました。
ひどい花粉症でね、毎年、大変なのよ。
鼻がもげるかと思うわ。
ネコは大丈夫だったわ。

アミノ酸のヒスチジンは動物の体内に常在するけれど、酵素反応がないかぎりヒスチジンにはならないからアレルギー様の諸症状を呈することはないはずでしょ。
ところが、ある種の細菌が食肉の中で繁殖し、たんぱく質中のヒスチジンをヒスタミンに大量に変換する酵素を出してしまい食中毒を発現することがあるらしいわ。
口が腫れるらしいよ。
これは抗原抗体反応を伴わない点でアレルギーとは異なり、特に「ヒスタミン食中毒」と呼ばれます。
何年か前にあった、はごろもフーズ「シーチキン」事故はそういった特殊な例でした。
この事故はヒスチジンを大量に含む魚肉と汚染海水という特別な要素が温度管理不手際によりヒスタミンを発生させたと考えられています。

サバのアレルギーでない者がサバを食べて、発現したりしなかったりという経験の持ち主は、この食中毒に罹患した可能性が高いな。

さて、あたしのダニアレルギーも、そういう体のメカニズムから理解すると、なんとかなりそうな気がするんだけど。
とりあえず、皮膚科に行こうっと。