世界遺産に長崎の三菱重工造船所の一部が認定されるようですね。
イコモスの「勧告」があったそうですから。

その中でも機械屋が注目するのは「ジャイアントカンチレバークレーン」でしょうかね。
写真、見ました?
ジャイアントカンチレバークレーン
(写真はウィキペディアより)
でっかいクレーンでしょ。
「カンチレバー」ってのは「片持ち」のこと。
カナヅチみたいだから、別名「ハンマーヘッドクレーン」とも言います。
これ、いまだ現役なんですってよ。
※「両持ち」のクレーンはホイストとか工場内にある天井クレーン、門式クレーン(クレーンゲームみたいなの)とかを言います。

電動クレーンで、日本最古のものだそうです。
ワイヤーを巻き上げるのと、クレーンを振るのにもモーターを使ってるのよ。
今じゃ当たり前だけど、明治時代には最新鋭の機械だったんだからね。
もっとも外国製ですけどね。
富国強兵・殖産興業の時代ですから、真似して、あるものは買ってきて、追いつけ追い越せの時代ですわ。
そういう政府主導の活気があったから、今の日本があるので、重要な遺産なわけですよ。
まあ、こいつを世界遺産登録に向けてユネスコに働きかけていたのは安倍政権でしたけどね。
元気がない日本に活を入れるべく、「誇りたい」んでしょうけど。

それはともかく、「カンチレバー」だから、重い物を吊り上げるには、それ相当のガタイがなくてはクレーンが倒壊するのね。
だから、造船用のは大きいの。
特に三菱の長崎造船所はパーソンズ社(イギリスの船用エンジン会社)の蒸気タービンを国内で初めてライセンス生産した工場だから、「ジャイアント」なクレーンでないと、船にタービンを搭載できないのよ。

戦艦大和の二番艦「武蔵」が建造されたのもこの長崎造船所でした。
大鑑巨砲主義の遺物だった大和と武蔵、そして空母に設計変更された信濃・・・
戦艦(バトルシップ)という一時代を築きましたが、同時に終焉でもありました。
フラッグシップ(旗艦)は必ずしも戦艦である必要はない。
これからは航空戦が主流となるなら、旗艦は空母であってもいいし、足の速い巡洋艦が担ってもいい。

カンチレバークレーンは時代を造ってきた証人でもあるんですね。

あたし「工場萌え」しそうです。