1アマ、無線工学「送信機」からの問題をやりましょう。
もう7月ですんでね、12月の試験に間に合わせるには、ずいぶんしんどいところなんですよ。
エッチな話ばっかり書き散らしておったらあかんのです。

問 AM電信電話送信機において、電信(A1)及び電話(A3)の送信尖頭電力が同一のとき、電話(A3)送信に用いる場合の無変調時の出力電力(搬送波電力)Aと、電信(A1)送信に用いる場合の連続信号送信時の出力電力Cとの比(A/C)として、正しいものを下の番号から選べ。

1 1/6
2 1/5
3 1/4
4 1/3
5 1/2



だいたい「尖頭(せんとう)電力」とはなんだろう?
水圧でいうと「圧力水頭」に当たるものだろうか?
「トンガリアタマ」は一番「先」のこと、つまり「最大瞬間風速」みたいなもんですかね。


電信送信機と振幅変調(AM)送信機の比較の問題で、たまに問われるようです。
言ってる意味がよくわからんので難問の一種です。

「キーダウン」のとき電信送信機からは100%の出力(電力)がアンテナから送信されるのですが、声(変調)の場合、振幅変調(AM)では「搬送波」に「変調」を乗せて出力するのでしたね。

AMの場合、「底」の無変調のときには搬送波のみの出力になるはずです。
※マイクオフのことではないですよ。マイクをオンにして何もしゃべってない状態を言うんです。
これを無変調電力と言います。

電信ではそのようなものはなく、キーを離せばまったく何も出力されません。


で、この問題の比較は電信送信の百パー出力と、AMの無変調出力と比較して、電信の出力の何倍(何分の一)になりますかと訊いています。

題意より、「電信の送信時の電力とAMの送信尖頭電力が同じとき」と条件が付けられています。
変調が乗ったときの包絡線のピーク(大声をマイクの前で出したとき)が「尖頭」なんですよ。

これは搬送波の最大値(一定です)より大きいはずですが、題意より、電信のキーダウン時出力(これも一定)と同じとせよと言うてくれてます。

電信のキーダウンの出力をC(W)とし、その出力電圧をc(V)とします。
AMの搬送波の出力をA(W)とし、その出力電圧をa(V)とします。
AMの尖頭出力をB(W)とし、その出力電圧をb(V)とします。


送信機には理想的なアンテナをつないだとして100%の出力が発放できるものとします。
出力のインピーダンスをZ(Ω)としましょうか。

送信電力(出力)は出力電圧と出力インピーダンスで決まります。
オームの法則から、(P=IE、E=IRは知ってるわな?大丈夫やろな?)
① C=c^2/Z
② A=a^2/Z

AMの変調度(搬送波と尖頭電力の関係)はa=b/2(③)と定義されます。
ここで「尖頭電力」をパラメータとして使うわけね。
題意よりb=c(④)です。

②に③を代入すると、
⑤ A=b^2/4Z
④も代入すれば
⑥ A=c^2/4Z

問われているのはAM搬送波出力と電信出力との比ですので、⑥/①ですから、
A/C=(c^2/4Z)/(c^2/Z)=1/4
になりませんか?

したがって、正解肢は3ですね。