俺は、はめる女を物色していた。
朝からものすごくやりたくてしょうがなかった。

若い子にしようか、熟女にしようか…

今市(いまいち)界隈を彷徨しながら、行きつけのサテン(喫茶店)に足が向いていた。
カランコロン
ドアを開けて覗くと、マスターのアラシがサイフォンをかき混ぜている。
ヤマアラシのような髪型なのでそのあだ名がついたが、だんだん略されて「アラシ」となってしまった。
客はいない。
まだ、昼には時間があり、ふつうの勤め人はこんなところでぶらぶらしていない。
「よっ」
俺は小さく声をかけた。
アラシは、目で合図し、無言だった。
「ホット」
「なんや?こんな時間に」
「ナンパでもしよっかなと」
「あほちゃう?ええ歳こいて」
「ほっといてぇな」
いつも、こんな感じだった。

うまいコーヒーをすすっていると、茶髪の女が入ってきた。
赤線の女だろうと、俺は一瞥して、アラシを見た。
アラシがあごで「行け」と合図する。
こいつが言うのだから「イケる」のだろう。
「姐さん、ご注文は?」
「ミルクティ」
眠そうなその女は、歳のころは二十二、三ってとこか。
アイライナーでかなり目を描いてやがる。
唇は厚く、品がない。
髪は長く、茶髪というより金髪に近かった。

俺はおもむろにカウンター席から立ち、女のテーブルに向かった。
「姐さん、仕事帰り?」
一瞬、目が警戒を帯びたが、すぐに、
「お兄さん、なぁに?ナンパ?」
と来た。
そこに、アラシがミルクティとお冷を持ってくる。
アラシが、
「この兄さん、暇なんだよ。相手してやってよ」
と、常連なのか、親しく彼女に声をかけたのだった。
「ふうん…ええよ。あたしおなか減ってんの、なんか食べに連れてってぇな」
話が早かった。
俺たちは、店を出て商店街の方に向かった。
「名前、なんて言うんや?」
「はるな。お兄さんは?」
「ジッポ」
「なぁにそれ?ライターみたい」
「俺、ジッポが好きでね、みんなからそう呼ばれてる」
「ま、いいや。ジッポ兄さんってことで。王将いこか?」
「いいのかい?そんなとこで」
「好きやねん。チャーハンが」
「俺も好きやけど。ほな行こか」

駅前の王将でチャーハンと餃子、ビールを注文し、はるなと乾杯した。
「あたしな、キャバクラで働いてんねん」
「そうやろと思った」
「なんやのぉ、それぇ」
屈託なく笑うと年相応にかわいらしかった。
声も酒で潰れておらず、ぼそぼそしゃべるがはっきり聞き取れた。
「どこの店なん?俺、この辺詳しいから」
「ベラミ…」
「ああ、あそこかぁ、森小路(もりしょうじ)の店やんな」
「知ってはる?また来てよ」
そういって、ピンクの名刺をくれた。
「なぁ、はるなちゃん。今日は暇なんやな?」
「もう、帰って寝るだけ」
そう言ってバッグからタバコを出す。
「ジッポ兄さん、点けてよ」
「よっしゃ」
俺はテーブルの上に出してある愛用のジッポを取りカチンと蓋を開け、同時にボッと火をつけてやった。
慣れた感じで、はるなはタバコの先に火をともす。
「ふぅ」
一息ついて、はるなが、
「あそぼか?」
「何して?」
とぼけてやると、
「ジッポ兄さんの部屋に行ったってもいいよ」
煙を吹きかけるように言う。
明らかに誘っている。

俺たちは曇り空の路地裏を野良猫のようにたどりながら、見慣れたぼろアパートにたどりついた。
「へえ、こんなとこに住んでんや」
不思議そうに、はるなが見上げる。
建物の屋根に切り取られた空に向かって銭湯の煙突が伸びていた。
「こっちや」
はるなの手を取って、シマ板の階段をカンカンと登っていく。
アパートの二階の一番奥の部屋が俺の住処(すみか)だった。
このアパートには、空き部屋が目立ち、すぐ隣も空き家の札がぶら下がっている。
はるなを招じ入れると、電灯をつけた。
俺はそんなに部屋を散らかさないので、恥じることはないが、やはり女を部屋に入れるとどう思われるか気になった。
「汚いやろ」
「ううん。あたしよりきれいにしてはる」
「はるなは片づけが下手なんか?」
「物が多いのよ。お洋服とかカバンとかぁ」
「女はみんなそうや。ま、座ってや」
「お布団、敷いてあるし…準備万端やねぇ」
「あほな、万年床なだけや」
「ふふふ」
俺は冷蔵庫から缶コーヒーを二本出して、一本をはるなにやった。
「ありがと」
「こんなんしかないねん」
「ええって。のど乾いててん」
ぱしっと、プルタブを引いて、はるなは一口飲んだ。
「タバコ、吸うんやったら、ここ灰皿」
ローテーブルの上にマールボロのロゴの入った愛用の灰皿を置いてやる。
「ありがと」
こくんとお辞儀をするのが、この娘の癖みたいだった。
俺もコーヒーをぐっと飲んで、窓を開けた。
裏は、銭湯だ。残念だが男湯なのだった。
「開けてすんの?」
はるなは、もうその気のようだった。
「閉めよか?」
「あたし、声、でかいよ」
「ほんまにぃ」
俺は、窓を閉めて、はるなのそばに座る。
どちらからということなく口づけを交わした。
ニンニクとタバコのにおいの混じった口臭が気になったが、お互い様だった。
俺は、もう臨戦態勢で股間が苦しかった。
はるなの胸は突き上げるように大きく、黒いブラウスの胸元が大きく開いてしっかりと谷間を作っている。
「はあっ」
「はるな…」
「ジッポ兄さん」
「ええんか?いくらや?」
「なんでそんなこと聞くん?お金なんかいらん。あたしがそんな風に見えたん?」
「見えた」
「もう」
ぷっと頬を膨らます、はるな。
俺は、はるなのブラウスのボタンを外しにかかる。
「ジッポさんのここ、おっきなってるやん」
「当り前やろ。こんなええ女の前で立たへんやつは男やないで」
「じょうず言うてから。ふふふ」
そう言うと、はるなは自分から脱ぎだした。
俺も早くやりたいので脱いだ。
久しぶりの女の前で、息子は元気いっぱいに上を向いている。
「わお!」
はるなが目を丸くして俺の股間を見つめている。
はるなは、ゆっくりとワインレッドのブラを取り、白い大きな乳房をこぼれさせた。
乳首は小さく乳輪が大きい。上玉だ。

豹柄のショーツがまたそそられた。
「はるなって、そんなパンツが好きなんか?」
「好きかっていうたら、好きなほう。じゃーん」
そう言って、一気にショーツを下ろす。
毛は濃くなかった。
それゆえ、陰唇のはみ出た谷筋(たにすじ)がくっきりと見える。
「舐めてええか?」
「ええっ、舐めんのぉ。洗ってないからくちゃいよ」
「それがええねんがな」
「ジッポさん、へんたぁい」
「やかまし。ほんなら舐めたれへんで」
「いややん舐めて。あ、ウェットティッシュあるやん。ちょっと拭いていい?」
「ああ、拭けよ」
はるなが背中を丸めて、陰部の手入れをし出した。
ネイルアートというのだろうか、臙脂のつけ爪に宝石のようなものが光っている。
「ちょんちょんと…これでよし。はい、どうぞ」
そう言って、はるなが布団の上で大股開きをした。
「よっしゃ」
俺は、かがみこんで、肉の花びらに口を近づける。
拭いたとはいえ、匂いは残っている。
小便臭い、蒸れたような、おなじみの匂いだった。
しかしそんなことは最初だけで、舐めるのに夢中になると、それはスパイスのように効いてくる。
はむっ、べちゃ、べちょ…
「やん、そこ、いい、きゃあ」
にぎやかな娘である。
隣が空き部屋でなければ丸聞こえだ。
クリットを唇の先でつまんでやる。
「ひっ…」
はるなの腿の内側に筋が立ち、ひきつれる。
鼻の頭をクリットに押し付けながら、膣を舌でこね回す。
はるなの手が俺の頭を押さえて、もっととせがむ。
舌の根元がだるくなってきた。
甘酸っぱいジュースがあふれ出て来て、なんと濡れやすい女だと思った。
起きると、はるなは汗だくで肩で息をしている。
「ああん、いっちゃったやんかぁ」
「そうか。逝ったか」
「えへ。じゃあ、今度はジッポさんの舐めてあげる」
「ほな、たのむわ」
今度は俺が布団に寝ころび、竿を立てた。
「うわぁ、おっきぃ。どう舐めてほしい?」
「どうって、はるなの好きに舐めてええねんで」
「先っちょから…」
ぱくっと、亀頭が彼女の口に含まれた。
あ~ん
舌を大きく広げて、ソフトクリームよろしく舐め上げてくれる。
「うひょ、ええなそれ」
「ええでしょお。あむ」
金髪をかきあげて、よく見えるようにしてくれる。
「かったいなぁ、お口が痛くなってくるわ」
はぷ…じゅぼ、じゅぼ…
ペニスではるなの頬がふくらむ。
よだれが、竿を伝って玉の方に流れるのがわかる。
「ああん、早よ入れたなったやん。ちょうだい」
「入れたるがな。なんぼでも」
俺は、はるなを寝かせ、開脚させた。
ぱっくりと赤黒い陰花が口を開く。
息子の頭を沿わせ、谷筋をゆっくり亀頭でこすってやった。
「や~ん、気持ちええわぁ」
「入れるでぇ」
にゅるりと、よく潤った秘穴は俺を難なく滑り込ませた。
半分入れて、様子をうかがう。
「入ってる…入ってきたぁ」
そんなことを口走って、腹を震わせる。
大きな乳もふるふると揺れていた。
俺は、一気に差し込んだ。
「ぎゃわ」
びっくりしたような目をして、はるながのけぞる。
その口を激しく吸った。
あぷ…んぐ
「はるなっ」
「ジッポさぁん。すごい、いっぱい」
「よう締まるやんけ」
「ジッポさんのがええからぁ。いやいやこんなん、初めてっ」
「そうか、ええか」
「むっちゃ相性ええんとちゃう?あたしら」
「そやな。ええみたいや」
「あたし、ジッポさんに夢中になったらどうするん?」
「夢中になってぇな」
そう言いながら豊かな乳房にかぶりつく。
また、膣が締めあげてくる。
「こら、たまらんなぁ、おれ逝ってまうで」
「まだやん、まだいったらあかん!」
「そんな締めんなや」
「んなこと言うたかてぇ。勝手に締まるねんもん」
泣き顔ではるなが言う。
俺は長さを使ってゆっくりとストロークを加えた。
結合部が白く泡立っている。
「いやや、いやや、それ、きゃぁ」
はるなの手がシーツをつかんで、しわくちゃにしてしまう。
ずぼずぼと太い肉棒を出し入れしてやる。
カリが処女膜の名残をまとわりつかせ、めくりあげる。
「上になるけ?」
「なる」
ぱっちりと目を開けて、はるなが積極的に乗っかってきた。
一旦抜けたペニスを自分で陰門に導き、するりと収めた。
「はうん」
「動けよ」
「どう?ああ、かったいなぁ。兄さんの」
「お前がええから、かっちかちや」
「もう、おなか一杯やわ、奥まで来てるし」
「ずっぽり入ってるのが見えるで。やらしなぁ」
「あたし、後ろ向いてええ?」
「ええよ」
そういうとつながったまま足を上げてくるりと体を回した。
まさに茶臼だった。
ペニスがねじ切られるように快感が走る。
こうなるとバックと同じような体位だが、俺は楽だった。
はるなが尻を上下に動かす。
だんだん早くなる。
「あっ、あっ、あっ…」
尻肉の間に分身がはるなを貫いているのがよく見えた。
粘液があふれ、俺の陰毛まで濡らしている。
俺はそのまま起き上がり、はるなの腰を抱いてバックの態勢に入った。
はるなが腕立ての形になり、大きな尻を向けている。
膝立ちで突くのはしんどかったが、はるなに深く差し込みたい一心で続ける。
「やん、奥がぁ」
「深いやろ」
「死んでしまうっ」
「死ぬかいな、こんなことで」
じゅぶ、じゅぶ・・・汁気の多い娘に俺は狂ったように突きまくる。
はるなは、くずれ、枕に顔を埋め尻だけを高々とあげて、突かれている。
「中で逝ってええか?」
俺は限界に近かったので、はるなに訊いた。
「いいよっ。中にしてっ」
「ええのか?安全なんか?」
「ええねん。できてしもてもかまへん。ジッポさんのがほしいっ!」
俺も理性がふっとんでいたので、迫りくる射精感に体が言うことを聞かなかった。
はるなを後ろから抱えるようにして、半身を起こさせ、膣を上向きにさせようとして、俺は果てた。
うぐぅ…
「ああ、来てる、来てる」
どく、どく…と、溜まりに溜まった精液が、はるなの中に吸い取られていく。
俺ははるなを離し、ゆっくりとペニスを抜いた。
ごぼり…
後から後から、とめどなく白い粘液がはるなの裂け目から流れ落ちる。
はるなは四つん這いになって、後ろを振り向いた。
「出てる?」
「ああ、いっぱいな」
「赤ちゃんできちゃうかなぁ」
「知らんぞ。俺」
「だいじょうぶやと思う。生理が先週、終わったとこやし」
「危ないんとちゃうんか?」
「まだ体温が高くないし。あたし不順なんよ」
ティッシュで股を抑えながら膝で歩く、はるなだった。
「お便所借りていい?」
「どうぞ」

「あ、お風呂あるやん?」
「あるよ。使ってないだけ。裏の銭湯に行くからね」
「使えへんの?」
「使えるけど。長いこと使ってへんねん」
「シャワー借りていい?」
「いいよ。つけたるわ」

「つっべたぁ」
「あかんか、もうちょっと待て」
シャワーのお湯が温まらない。
「あ。だんだん来た」
「いけるやろ?」
「うん」

俺は風呂場から出て、パンツを履いた。
そしてタバコを咥え、ジッポをカチンと開けて火をつけた。
「はるな、さあ」
「え?何?」
「風呂、行こう」
「え~っ。銭湯?」
バスタオルで体を拭きながら出てくる。
「そこやし、体、洗ったほうがええんちゃう?俺も入りたいしな」
「いいけどぉ、道具持ってないよ」
「貸したるがな。タオルと石鹸箱があればええやろ」
「わかった。いこ」

俺たちは、アパートを出て、裏の銭湯に肩を並べて向かった。

(おしまい)