「祝日」と「祭日」はどう違うのか?
塾講師補助のアルバイトをしていると、生徒さんからこんな質問をもらうことがある。
あたしだって、わからんかった。

これはね、結構、難しい問題なんですよ。
現行の法律では「休日と祝日」しか規定がなく、「祭日」は言葉だけが残っているというほかない。

実は「祭日」というのは皇室の行事の日を言うらしい。
戦前はそういうものも「休日」になっていたんだね。

今は、「建国記念の日」が祝日ですけれども、戦前は「紀元節」として皇室のお祭りだったので「祭日」でした。
次に「春分の日」が、戦前は「春季皇霊祭」として祭日だった。
同じく「秋分の日」が、戦前は「秋季皇霊祭」、「文化の日」が、戦前は「明治節」、「勤労感謝の日」が、戦前は「新嘗祭(しんじょうさい:にいなめさい)」として「祭日」でした。
あと、「天皇誕生日」が「祭日」なんです。
ところが、戦後、法律上はみんな「祝日」扱いになりました。
「祝祭日」なんていう言い方も古いわけです。
※「国民の祝日に関する法律」を参照してください。有斐閣の『ポケット六法』ぐらいは日本人なら持っておきましょうね。

志賀直哉の小品に「十一月三日午後のこと」という作品がある。
「明治節」の祭日の一日の話だ。
陸軍はこの時に武蔵野一帯で盛大な軍事演習を行なった。
季節外れの暑い日で、新兵などは、へとへとになって道端に倒れこむ始末。
そんな様子などを淡々と描いている。
夕飯に、撃ち落としたカモをもらって帰る筆者だが、そのぐったりしたカモの様子を見て、昼間に見た瀕死の兵の顔を思い出して、食べることがいやになり、使用人にくれてやるのだった。

あたしは、祭日のことを調べていたら、なぜかこの作品のことを思い出した。

あと十日もすると「春分の日」なんだね。
外国では、この日は祝日なのだろうか?
アメリカでは休みではないようだ。
中国でも韓国でもお休みではない。
さっき「春分の日」は「春季皇霊祭」という皇室の祭事だと書いたね。
つまり、これは日本独特のお祭り事なのだった。
あたしなんか、春分や秋分などの陰陽や星辰の動きを観察して暦をつくることからくる特別な日というのは、世界各国で祀るのかと思っていたから、日本独自のものとはこれまで思いもしなかった。

春分や秋分、夏至・冬至なんて言葉を聞くと「ストーンヘンジ」なんかが頭に浮かぶんだ。
「すばらしき世界旅行」なんかの見過ぎかしら?