『インターナショナル』という歌をご存じの方は、「アカ」でしょう?
あたしも若いころはかぶれて、「民青同盟」の集会で合唱してました。
ヨシフ・スターリンのソビエト連邦時代の国家でした。
原曲・詞はフランス人の手によるものでフランス革命のころ、『ラ・マルセイエーズ』とともに作られました。
https://www.youtube.com/watch?v=KFlGfHCCZdQ
「うたごえ運動」とか「歌声喫茶」あるいは「メーデー」で盛んに歌われたものです。
革命の歌ですから、気分も高揚します。
共産主義の歌ということで左翼の人が好んで歌うわけですけれども、思想にかかわらず、良い歌詞ですから、一度、YouTubeなどで探して聞いてみてください。

起て飢えたる者よ 今ぞ日は近し
醒めよわが同胞(はらから) 暁は来ぬ
暴虐の鎖 断つ日 旗は血に燃えて
海を隔てつ我ら 腕(かいな)結びゆく

いざ闘わんいざ 奮い立ていざ
ああインターナショナル 我らがもの
いざ闘わんいざ 奮い立ていざ
ああインターナショナル 我らがもの

聞け我らが雄たけび 天地轟きて
屍(かばね)越ゆるわが旗 行く手を守る
圧政の壁破りて 固きわが腕(かいな)
今ぞ高く掲げん わが勝利の旗

いざ闘わんいざ 奮い立ていざ
ああインターナショナル 我らがもの
いざ闘わんいざ 奮い立ていざ
ああインターナショナル 我らがもの


(佐々木孝丸 訳詞)

この「インターナショナル」という言葉を創ったのは、イギリスの思想家、ジェレミ・ベンサムと言われています。
「国際的な」という意味だと思いますが、ほかにありましたっけ?

ベンサムは高校の倫理や歴史でも出てくる偉人ですが、さほど試験に出るわけでもなく、大抵の学生にとって忘却の彼方にある人物でしょうね。

「功利主義」を唱えた思想家で、もとは法律家だったそうです。
法曹の家柄の生まれだったんですね。
功利主義とは、いったいどのような思想なんでしょうか。

あたしは共産主義を学ぶにあたって、功利主義を教えられました。
科学的社会主義の基本理念がここにあるからです。
ベンサムは「快楽をもたらす行為が善である」と説きました。
功利主義の功利主義たるゆえんです。
利を追求するということは資本主義に通じそうですが、それだけではない。
マルクスの著した「資本論」は、功利主義なくしては成らなかった。
利を追求するその欲求は、利の人に及ぼす功、社会に及ぼす功に至ります。

ベンサムは功利主義の根底には「善」を要すると説きました。
正しい行いなくして功利主義は成り立たない。
もし、得手勝手な功利主義では争いは絶えず、貧富の差は増し、いわれのない差別が横行し、社会はゆがみます。
ベンサムは功利主義の定量的な指標を「最大多数個人の最大幸福」としました。
それがそのまま社会の幸福の最大値となると演繹されるのです。
また、多数派の幸福のために少数派の不幸を許さないとも説きました。
ベンサムは、民主主義が陥りやすい、多数決の論理によって少数意見が抹殺されることへの危惧に気づいていたのです。
ベンサムは、被害者なき犯罪は犯罪ではないと法学者らしい帰結を述べ、たとえば、当時忌み嫌われていた同性愛についても、寛容な態度を示したと言われます。

のちの共産主義は、革命を欲するがために、血を流さねばならなかった。
これではテロリストと変わらない。
労働者階級からの搾取を禁じ、資本家から富の分配を取り戻すのだと大義名分を掲げ、世界を流血沙汰にした。
つまり、搾取の対象の逆転に過ぎず、個人はないがしろにされてしまうのである。
この共産主義がもたらした罪状は重いと言わねばならず、現に、今残っている共産主義国は、資本主義経済との折り合いをつけきれずに苦しんでいるではないか。
それどころか、彼らのゆがんだ外交政策で、近隣との軋轢を作り出し、とてもまともな議論になりそうにもない。

共産主義が破綻したのは、異分子の粛清と偏狭がもたらす懐疑が一党独裁を許し、自らの闘争の正当化をするために軍事偏重の政府を構築したからです。

あたしは、共産主義を学ぶにつれ、その妄想と欺瞞に気づき「これではだめだ」と思うようになり、民青同盟や日本共産党と袂を分かつことにしました。

いま、あたしは「社会資本主義」を唱えて、標榜もいたしております。
政治結社「社会資本連合」を打ち立てつつあります。
また「転生教」という宗教法人の教祖として、人類の心の幸せを追求するお手伝いをしております。

ご興味のある方はメッセージをいただければご案内いたします。