「おれは怪物くんだ、怪物ランドの王子だぞ」で始まる、『怪物くん』は藤子不二雄の作品です。

あたしが幼稚園から小学一年生くらいまでテレビアニメでやってました。

怪物くんの手足がゴムのように伸びるアイデアは、この作品が最初なんじゃないかしら?
『ワンピース』なんかパクリでしょ?

歌の文句からもわかるように極めて「高ピー」なやつなんです。
自分で「怪物くん」だと言うのですからね。

王子様なんだから、それはしかたないけれど。

「怪物ランド」というテーマパークみたいな国の跡取り息子ですんで、修行のために人間界にやってくるという設定。

お共(とも)に、ドラキュラだの、フランケンシュタインだの、狼男だのを従えて。

人間のヒロシだったかな、少年と仲良くなっていろいろ問題を起こすわけ。

ヒロシはね、母子家庭(じゃなくって姉と弟の二人暮らし)で貧しいんだよ。
そこんちの冷蔵庫が、怪物ランドの厨房とつながっているという、藤子不二雄お得意の「ご都合主義」なの。

怪物くんよりも「お供」のキャラクターが秀逸なんだな。

ドラキュラは博識で、怪物くんの教育係みたいなところがある。
「ざあます」言葉でね、スネ夫のお母さんのモデルかもしれない。
この人、血を吸うことを禁じられているらしく、トマトジュースで「お茶を濁し」てるんだよ。
かわいいでしょ。

フランケンと呼び捨てにされている大男は、その姿通り、怪力の持ち主で怪物くんのガード役。
「フランケンシュタイン博士」が死体を集めて作った人造人間だから「フランケン」と呼ばれ、日本人にその呼び名を植え付けたのが『怪物くん』だったのかもしれない。
本当の名前はなんだろう?
「ふんがー」としか言わないの。

狼男は、ふだんは小柄なおっさん。
満月の夜に…丸いものを見ればいいだけらしいけど、狼男に変身するんだ。
たしかね、コックさんなんだよ。
だから「厨房」が出てくんの。

あたしの今いる世界は、こんな感じ。
なかなか楽しいよ。
思い出だけで、過ごしてる。