トムは、根っから話し好きらしい。
情事の後も、自分からいろんなことを話しだした。

「おれさ、初体験が早かったんだよ」
そう切り出した。
「早いって?どれくらい?」
「中一」
「へぇ…相手は?」
「それがさ、アル中のおばさんでさ…」

彼の話によると、近所の洗濯屋のおかみさんで、昼間っから台所でお酒を飲んでるような人だったらしい。
トムが親のお使いで、洗濯物を受け出しにいったとき、目の据わったおかみさんに「おいで、おいで」をされたんだとか。
「おれもね、怖いなって思ったのよ」
そりゃそうだろう。
「何されるかもわかんないから、立ちすくんでたら、手を引っ張られて、二階につれていかれたんだ」

ここからは彼の回想になる。
「あんた、歳いくつ?」
「十三」
「じゃあ、女の人とナニすることも知ってるんでしょ?」
「え?」
「おまんこ…」
酒臭い息で、そばでそう言われて、おれは面食らったよ。
知らないことはなかったけれど、やり方もしらないおれだった。
「おばちゃんが教えたげる」
そういって、手を引いて、布団の敷かれた薄暗い部屋に連れて行かれたんだ。
おかみさんは、四十を越えたくらいの痩せぎすの女で、胸も小さかった。
声が低いから、おれなんか、怖い印象を持っていた。
ご主人が外回りで、出ずっぱりだからいつもおかみさんが洗濯屋の取次をしていた。
娘がいたと思うけど、男と駆け落ちしたという噂だった。
蛍光灯を、おかみさんが点け、アッパッパーのようなゆったりとした服をぽそりと落とした。
白いブラジャーがまぶしかった。
おれはどうすることもできず、学生ズボンに開襟シャツの姿で部屋の隅に突っ立っていた。
「脱ぎなさいよ」
「え、ああ」
おれも好奇心で、いっぱいだったし、女とできるとなると誰よりも先に大人になれるようで、浮き足立っていた。
初体験がこんなおばさんでも、かまわなかった。
あわてて、ズボンを下ろし、シャツを脱いで、もうはや毛も生え出しているペニスをさらけだした。
「あらあら、かわいい」
まだ、皮をかぶっているそれは、すこし上を向きだして立ち上がる寸前だった。
「いらっしゃい」
パンツとブラをつけたままのおかみさんが布団の上に誘う。
このペニスを、女のあそこに入れるはずなんだけれど、それがどうなっているのか皆目わからなかった。
おかみさんはそれを察してか、すぐにパンツを脱いで、惜しげも無く黒々と毛で覆われた「おまんこ」を拡げてみせてくれたのだ。
「ちょっと、臭うかもしれないけど…」
たしかに、おしっこの匂いがプンと漂ってきた。
なにやら、気色の悪い灰色の肉片がはみ出ている。
おばさんの細い指がその肉を拡げ、ぽっかり開いた穴を見せた。
「ここに、あんたのチンコを入れるのよ」
そう言って、歯を見せて笑った。
おかみさんの二重の目がキラリと光り、いたずらっぽく見えた。
「寝てごらん」
おれは、仰向けに布団の上に裸の体を横たえた。
硬い布団だった。
反対に立ち上がったおかみさんは、おれをまたぎ、腰を下ろして、自分の穴におれの勃起したペニスをあてがうようにした。
「入れるわよ」
おれは声にならない声で返事した。
ぬちゅ…
「はあっ」
大きく、おかみさんは息を吐いて、やや上を向きながら腰を下ろして、ぴったりとおれを収めてしまった。
「どう?おばさんの中」
「あったかいよ」
その、言いようのない気持ちよさは、今でも記憶にある。
何度もあれからセックスを経験したけれど、初体験にまさるセックスはなかった。
おかみさんの、胎内はじわじわとおれを絞り、自分でお乳をもみながら、腰を動かしだす。
「ああん、いい。あんたの、硬くって…」

おれは、もう頭がパニックで、沸騰してしまっていた。
感じたことのない感覚が腰から下を襲い、止めどない射精を経験したのだった。
「あ、ああ、ひぃ…」
情けない声を出して、おれは果ててしまったらしいのだ。
おかみさんは、おおいかぶさってきて。
「いっちゃった?」
「わ、わかんない。けど、なんだか…」
「どくどくしてる。おちんこ」
しばらく重なっていたけれど、おかみさんが立ち上がってゆっくりおれを抜いた。
「ほぉら、いっぱい」
どろどろと、白い液体がおかみさんのあそこから垂れ流れてきた。
そして、おれのペニスは大人のように剥けていた。
おれが大人になったことを、自覚した経験だった。

その後、何度かおかみさんの世話になったけれど、経営不振で店を畳んだ洗濯屋はどこかへ夜逃げしてしまった。

いささか長いトムの話は終わった。
「もう一度、していいかい?」
自分の思い出話しに催したのか、隆々と立たせたペニスを見せて言った。
「ええ」
わたしも、なんだか、もっとしたくなってきた。