おととしだっけ、サザンオールスターズの久しぶりのアルバムということで話題になった『葡萄』。
桑田佳祐が食道がんを克服しての作品でした。
そのアルバムの中で『栄光の男』という曲があります。
これがいい。
歌詞から、「栄光の男」は長嶋茂雄だろうということが、あたしを含めたある世代の人ならわかります。

栄光の男
(作詞作曲:桑田佳祐)

ハンカチを振り振り
あの人が引退(さ)るのを
立ち喰いそば屋のテレビが映してた
シラケた人生で生まれて初めて
割り箸を持つ手が震えてた

「永遠に不滅」と彼は叫んだけど
信じたモノはみなメッキが剥がれてく

I will never cry.
この世に何を求めて生きている?
叶わない夢など追いかけるほど野暮じゃない

・・・中略・・・

帰りたいあの娘(こ)の
若草が萌えている
艶(いろ)づいた水辺よ

生まれ変わってみても
栄光の男にゃなれない
鬼が行き交う世間
渡り切るのが精一杯


・・・以下略

あの娘の若草(陰毛)が萌えている、艶づいた水辺って「おまんこ」のことじゃん。
桑田節がここにも出てる。

この後も、「老いてゆく肉体(からだ)は愛も知らずに満足かい?」とか、「立場があるから口に出せないけど、居酒屋の小部屋で酔ったフリしてさ、足が触れたのはワザとだよ」なんて中高年の男の悲哀を十二分に表現しているわ。
もう演歌よこれは。
とどめのセリフが「この世は弱い者には冷たいね」だった。

ぐっとくるわね。
さすが桑田佳祐だわね。

いまさらだけど。