ニュートン環の話が出てきたのでその基本原理となる「くさび型空気層」による干渉縞の話をしましょうか。
同質のガラス板を二枚用意します。
厚みも同じにしましょう。
これを重ねるんですが、ぴったり合わせるんじゃなく、片方だけ少し持ち上げて隙間(すきま)を作ります。
ただ、あまり厚い隙間では干渉縞が見えませんので、そうですね髪の毛一本程度の隙間です。
実際にガラス板の間に髪の毛を挟み込んでみてください。

この断面をみますと、空気が入った隙間はさながら「くさび」のようですね。
だから「くさび型空気層」っていうのですよ。
上から見ますと干渉縞が見えるはずです。
ガラス層を通過する入射光はガラス層から出るときにいくらか反射して帰っていきます(自由反射)。
残った光がガラス層から出て薄い空気層を通過します。
そしてまた、下のガラスの表面で反射(固定端反射)し、残りが吸収されます。

自由反射とは端面(反射面)で波動の節の部分、腹の部分の区別なく反射するもので反射波の位相はずれないというか入射した光と変わりません。
固定端反射は端面(反射面)が節になるのです。
よって、入射光の位相と反射光のそれはπラジアン(180度)ずれることになります。

自由端反射の実例が防波堤に打ち寄せる波ですかね。
防波堤を超えてしまう波が生じるのは位相が変わらないから、エネルギーが振幅の増大となってしまうのよ。

固定端反射は縄跳びの縄です。
片方の端を人が持って、もう片方を柱に結わえます。
人が波を縄に起こします。
柱に当たった縄の波は位相を真逆に変えて跳ね返ってきました。
位相がπラジアン変わることでエネルギーが保存されているのです。

自由端反射の光と固定端反射の光が干渉しあって干渉縞ができるのですが、それがヤングの干渉とかいうものです。
ほらシャボン玉の表面の虹色に見える現象なんかがそうです。
そして「くさび型空気層」の干渉縞はくさびの夾角に向かって等間隔に平行線を描きます。
凸レンズの場合はガラス層が球の一部なので環の縞の間隔は等間隔じゃないです。
この間隔が曲率半径によって異なるから球指(たまざし)でレンズを測って調べるのよ。

ニュートン環の同心円の干渉縞はヤングの干渉の特別な場合だと言えます。

さて、アマチュア無線でもこの現象は重要です。
いわゆる電磁波の定在波の存在です。
※定在波は定常波とも言います。
定在波の節は動きません。
見かけ上止まって見えます。
反対に節が時間的に移動するものが進行波です。

波動一般に定在波が概念されます。
光も電波も、音波も同じです。

電磁波のアンテナには定在波アンテナと進行波アンテナがあります。
二分の一波長ダイポールアンテナが定在波アンテナの代表例です。
定在波アンテナは「共振」を利用したアンテナです。
定在波アンテナの一端が開放になっていて、アンテナエレメントに定在波が乗ります。
反対に進行波アンテナはエレメントの一端が終端されていて、アンテナには進行波が乗ります。
進行波アンテナは一般に巨大化しますので、一般的ではないようです。
アンテナエレメントの長さは波長に関係なく、長ければ長いほど利得は増します(もちろん最適な長さはありますよ)。
共振させないで使うのが進行波アンテナですので、使用する帯域が広いという利点はあります。


問題は同軸ケーブルとアンテナのマッチングにおける反射波の影響です。
送信機から出力される高周波は終段から同軸ケーブルを経てアンテナ給電点に供給され、空中に放射されます。
電波は高周波エネルギーですから、電力を持つわけです。
これがちゃんとアンテナから空中に発放されずに反射波として送信機に帰ってきたらどうなります?
送信機の終段回路は焼けてしまいます。

アンテナと送信機のインピーダンス整合(マッチング)がとれておれば(VSWRが低い)、反射波はほとんど送信機に帰ってきていない証拠になります。
※VSWRとは電圧比較による定在波の比です。単にSWRといえば定在波の比のことです。いずれにしろ1に限りなく近いのがのぞましいけれど、車載用アンテナなどは1.5以下となってます。

マッチングがとれておれば同軸ケーブルの長さなど気にしなくていい。
むしろ同軸ケーブルの損失のみを考えればいいから、低抵抗の、できるだけ直径が大きく、最低限の長さで用いるのがよろしい。
ただしVSWRが低くない(1以上)の場合について、これ以上マッチングを取ることが不可能な時には同軸ケーブルの長さは、二分の一波長の整数倍にすべしというアマチュア無線家の経験則があります。
この本当の意味は、同軸ケーブルの長さを二分の一波長の整数倍にすると送信機側でもアンテナ給電部で計るべきVSWRを等価的に計れるからなんだと思います。
アンテナ給電部まで測定のために上がるのは大変でしょうから。

実は進行波と反射波の合成で定在波ができるのであって、それならVSWR=1であれば反射波はないはずなんです。
同軸ケーブルの長さが長いほど信号も減衰するので、VSWRも下がってきます。
これはマッチングが取れたわけではないので要注意です。
肝心なのは同軸ケーブルの長さではなく、アンテナマッチングが取れているかどうかです。
同軸ケーブル終端のVSWRを測定しそれが1に近いのなら、その後、高いアンテナタワーまで同軸ケーブルを伸ばしても抵抗減衰は無視できないけれど、反射波の影響はないのです。

ニュートン環からえらい話が飛びました。
毎度、難しい話ですみませんねぇ。
またエロいの書きますんで。