米CNNは2日、北朝鮮が11月29日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」が大圏に再突入する際、複数に分解していた可能性が高いと報じた。米政府高官の話として伝えた。事実ならICBMの実戦配備には欠かせない大気圏再突入技術が確立していないことになる。(朝日新聞)

この記事は、いささかおかしい。
ロフテッド軌道の発射実験では、大気圏再突入が急角度になるのは当然であり、摩擦熱で弾頭が分解してしまうことは北朝鮮側として織り込み済みのはずだ。
よって、この打ち上げ実験が失敗だと結論付けるのは早計だと考える。
この実験の趣旨は、どれだけの高度を稼げるかでエンジンの推力を調べ、もし大陸間弾道弾としての角度で打ち上げれば相当の飛距離を出せるだろうというデータを取れれば十分だと考える。
もちろん大気圏再突入の実験もしたいところだが、そうすると本当に北米大陸に到達してしまうので、彼らは行えないのだ。
このように間接的にミサイルの性能を推し量るしかなく、彼らは、今できる最大限の実験を着々と積み上げていると見るほかない。

だいたいアメリカ政府(トランプ大統領)は北朝鮮を挑発するも、あまり相手が堪(こた)えているとは思えないではないか。
かえって北朝鮮を発奮させる材料になっているようにも感じる。
朝鮮労働新聞の記事の見出しや、朝鮮中央テレビの金正恩、政府高官の談話を聞いていても、かれらの挑発のほうがうまいと感じるのは私だけだろうか。
トランプ氏のツィッターなど比べ物にならないくらい、金正恩は人心を鼓舞し、強い言葉の力を感じる。
彼らの態度は、プロパガンダに長けた北朝鮮の歴史を物語るかのようだ。
ついには我々の方が、北朝鮮の言い分が強く正しいように思わせられている。

またアメリカや日本の新聞の論調を見ていると、どうも希望的観測が過ぎて、北朝鮮は「口ほどにもない」などと高を括(くく)っているように見える。
彼の国で本当に核弾頭を積んだICBMができつつあるのにである。
それは潜水艦からも発射可能で、彼らの言うように「北米大陸を消し去る」能力があるかもしれない。
それは言い過ぎにしても、いったん核が使われたらその汚染は甚だしく、アメリカと言えども立ち直れない被害を被るだろう。
なのに、アメリカのこの楽観主義はどうだ?
金正恩が何をするかわからない男だというのは、西側諸国の共通の見解だと思うのだが…
彼はすでに祖父「金日成」を超えたと言われる。
内国では「太陽」と称され、祖父と同じ称号を得たようだ。
崇拝の対象になった金正恩は、産経新聞がいうように「追い詰められて」いるのだろうか?
日本政府の御用新聞である読売や産経は北朝鮮の挑発など歯牙にもかけない。
むしろ米国追従の安倍政権に与していれば、この先も日本は安泰だというような論調だ。
平和ボケもここに極まれりだ。
左翼が「平和ボケ」だと言われて久しいが、彼らもその病に侵されているではないのか?


私には焦っているのはアメリカの方だと見える。

本気度は北朝鮮にあるようだ。

これでは行くところまで行ってしまうのではないだろうか?


金正恩の考えは二つあると思う。
このまま核実験やミサイル実験をエスカレートさせ、アメリカとチキンレースをやるか。
もう一つは、対話に応じるかだ。
戦火を交えることは、彼も押しとどまると思う。
次がないからだ。
それこそ金正恩の死を意味するからだ。
北朝鮮の崩壊は、アメリカが核攻撃されるのと同じくらいに国際世論が望まないし、許さない。

チキンレースは「漸近線」を描いて、到着点が見いだせないまま延々と続くだろう。
ロシアや中国、イラン、中南米・アフリカ諸国がまだまだ親「北朝鮮」のカードを持っているから。
「カーバンクル」もしくは「DHID」またはその代表の馬暁紅という女を調べてみるがいい。
北朝鮮への物資やカネの流れは止まっていないのだ。
しびれを切らした方が負けか、あるいは新たな局面を創り出すかもしれない。

私は密かに北朝鮮がアメリカに一矢報いることを期待している。
なぜなら、私はトランプ大統領と安倍晋三が嫌いだからだ。
まだ金正恩のほうが話せる男に思える。
日本は朝鮮半島と仲良くした方がいい。
そのためには、韓国はもとより、北朝鮮、中国とも折り合いをつけるのが国家として長生きの秘訣だと思う。
そしてアメリカから独立し、ロシアに近づく方が地勢的に有利だと考える。
冷静に考えればそのほうが建設的だ。
遠くの親戚より近くの他人である(アメリカは安倍にとっては身内以上らしい)。
隣人は、簡単にはすげ替えられない。

私を売国奴と呼ぶのはたやすい。
しかし安倍晋三こそアメリカに日本を売ったではないか。
あの一族は売国奴だと、私は思う。違うか?