最近、ネットサーフィンで気になる誤植があった。
「子宮膣部」を検索するとラテン語の「ポルチオ」がヒットする。
「子宮膣部」は正しくは「portio vaginalis uteri」である。
「子宮膣」は"vaginalis uteri"であり"portio"は「部」の意味である。
「ポルチオ性感」などと日本語で勝手に書いてる人がいるが、意味がわかっていないらしい。
ひどいのには「ルチオ」という「ほけんのホに濁点」で書いている人もいる。
まったく意味不明になってしまっている。

このように専門用語を知ったかぶりで書くととんでもない和製語ができてしまう。
私も心しなければならない。
「八百万の神々(やおよろずのかみがみ」を私は永らく「やおろずのかみがみ」と言っていたし、「安普請(やすぶしん)」を「やすふぜい」と言っていた私だから。

さて、「子宮膣部」という場所は解剖学では子宮と膣が接続している場所を指すようだが、子宮口が開いているその傍(そば)がさらに奥に広がるように膣の「どんつき」が伸展する部分(後膣円蓋)を含む。
ここの伸展により、かなり長いペニスでも収めることができることになる。

正常位で射精された場合「子宮膣部」が広がって精液プール(溜まり)を形成するのだそうだ。
この拡がりを「テント形成」とも呼ばれる。
「巾着締め」と表現される男根に対する膣の運動だが、これは「テント形成」によって奥に膣が引っ張られ、精液を漏らさないように膣口付近の筋肉が締まる現象を言うようだ。
「テント形成」のときに逆に子宮は下に降りてくるとされている。
さながらピペットのゴム球のごとく子宮がその口から精液を吸い上げるのだそうだ。

「テント形成」はマスターズとジョンソンの著した性科学研究の書物からよく引用される用語である(『人間の性反応』1966)。
彼らは女性がオーガズムを迎える際に、膣や子宮がどのように変化するのかを客観的に観察したことで大きな業績がある。
「モルモット」にされた女性のことも考えると、私などは複雑な気持ちだけれど。

ところで女性の「ポルチオ性感」や「潮吹き」、「Gスポット」など科学的に怪しい性現象がある。
男性の「先走り液」、「賢者タイム」、「ドライオーガズム」は科学的にも実証されているようだが。

和製語「ポルチオ性感」とは「子宮で感じる、途方もない絶頂感」だと説明されている。
とはいえ、女性の誰しもが到達できるものではないものだそうだ。
「悟りの境地」だろうか?
一方で、女性にはかなりの比率で、普通のオーガズムさえ感じたことがない人がいる。
「不感症」なんていう言葉が、ますます女性をセックスから遠ざける。
日本人女性は「抑制」されて育った人が多く、性的に絶頂を感じ忘我の状態になるなど恥ずかしくってパートナーの前でもさらけ出せないとか…(ウソこけ)
まあ、ある種の文化が日本人女性をセックスに抑制的にした面はあるだろう。

この聞きなれない「ポルチオ性感」と「ウテルスセックス」はよく混同されもし、結局、何が何だかわからない性感ということになってしまっている。
「ウテルス」とは、まさに「子宮」のラテン語からきている。
「ウテルスセックス」はペニスを子宮内にねじ込んでする、なんとも恐ろしいセックスであるという。
およそ不可能だと考えられるが、特別な条件がそろえば可能だと経験者はおっしゃる。
私の主治医たる婦人科の医者などは「まったくもって虚構」だと言って取り合わない。
子宮口が開くのは、お産の時とメンス(月経)のときだけで、メンスのときもほんの僅かに開くだけだそうだ。
それ以外の間は子宮の口は固く閉じられ、ペニスの先でつついても開くわけがない。
内視鏡の細い管を子宮口にねじ込むだけでもかなり困難だそうだから。
というわけで「ウテルスセックス」はフィクションの世界での話らしく、もう一方の「ポルチオ性感」のほうが真実味がありそうだ。

ポルチオ性感は深く膣内にペニスを差し込んで、ピストン運動をせずに、すりこ木運動のように硬いペニスで膣をかき回すように腰を振るのだそうだ。
こうすると、硬いペニスのおかげで膣壁を通して内臓をこねくり回されるような、深いところで低音が響くような、なんとも深淵な全身に広がるような快感が女性に生まれるそうだ。
体位は、だから後背位(バック、ドギー)が最適で、ペニスの長短に関係なく、AV男優のように機関銃のような腰の動きも必要ない。
ポルチオ性感を女性に与えられればどんな醜い男でも女性を虜にできること請け合いである。
さあ、あなたも硬い元気なペニスで、ポルチオ攻めをマスターしましょう。

いずれにしても、男女の信頼とオーガズムに対する飽くなき挑戦があって初めて経験できる境地なのだろう。