周平君の歓迎会をその日の晩にやった。
「焼き肉がいいっていうから、おっちゃんがいい肉を買ってきたぞ」
主人が、そういってスチロールケースを車から降ろしてくる。
「あなた、どんだけ買ってきたのよ。肉屋じゃないんだから」
「食うだろ?周ちゃん。おれも食うし」
「アローズの監督が肉屋だろ?みつくろって安くしてくれたんだ」
彼が参画している少年野球チーム「蕨アローズ」の「芦田精肉店」のご主人が監督さんなのだった。
「すげーや。こんなにたくさんの肉」周平君が目を丸くしている。
「冷凍しときゃ、また食えるさ。尚子、ビールはあるんだろ?」
「あるわよ。先週、西友で箱買いしてきたじゃん」
「そうだっけ」
「あきれた…覚えてないの?」
私は、いつものことだが、主人の忘れっぽさには舌を巻く。
そのくせ、しょうもないことは覚えているのだった。

店を七時に閉めて、三人で食卓を囲んだ。
肉の焼ける煙で、キッチンは大変なことになっていた。
「周ちゃんはクラブやってんの?」
もうビールで真っ赤になっている主人が甥っ子に訊く。
たれで、口の周りを汚しながら男の子はもりもり食べている。
「一年生はどっかのクラブに入らなければならなくって、おれ、バドミントン部に入ったんだ」
「へぇ、あれ、むずかしいんだよな」
「けっこうね。やってみると、なかなか。足を痛めちゃって、辞めようかって思ってる」
「なんだい、もうケツを割っちゃうの」
体育会系の主人はあきれたように周平君を見た。
「おっちゃんは、野球部だったんでしょ?」
「そうさ。三年までやったよ。レギュラーには一度だけなれたけど、あとはベンチをあたためて、結局記録係になった」
「どこ守ってたの?」
「サードとレフト、代打で出たときはレフトに入る約束だったんだ」
「甲子園は?」
「知らないだろうけど、行ったことないよ。うちの学校は」
「…」
周平君は、作り笑いで肉を頬張った。

「でも、今は子供たちに教えてんのよね」
私が、少年野球の方に話題を向けてやった。
「うん、まぁね。このチームも弱いチームでね。女の子が三人がんばってる」
「へぇ。かっこいいだろうな、ユニホーム姿」
「ああ、なかなか様になってるぜ。三年、四年、五年といるわけなんだけど、三年生と五年生が姉妹で、四年生は彼女らの友達を引っ張ってきたわけよ。同年代の男の子よりうまいよ」
「試合、観てみたいな」
「そうかい?今度の日曜に、川口であるんだよ。おいでよ」
「うん、行くよ」
なかなか、主人と周平君はいい感じに馬が合うようだった。
私は、汚れ物片付けながら、新しいお皿を出したりして彼らの会話を聞いていた。

しかし男の子というものはよく食べる。
スチロール箱の肉の半分は主人と二人で平らげてしまった。
二人で1キロ以上も食べちゃってる。

その夜、周平君は主人の部屋に寝てもらい。
私と主人は私の部屋で寝ることにした。
風呂から上がって、髪を解いていると、主人が突然抱きついてきた。
「ちょ、ちょっとぉ」
私は敷いた蒲団の上に倒され唇を奪われた。
はむ…
「なおこ…」
「どうしたの?良和さん」
七つ年上の主人に、わたしはいつもそう呼んでいた。
「なんだか、やりたいんだよ」
「お肉、食べたからでしょ。もう…」
下着をつけていないパジャマ姿の私は簡単に脱がされ、素っ裸で蒲団の上に転がされた。
やや中年太り気味だが、まだしまった部分を残す主人の裸体が私の両足を割り、挿入を企てようとしている。
私はまだ濡れていないと思うので、
「ちょ、ちょっと待ってよ。まだ準備が…」
「ああ、ごめん」
そういうと、クンニをやりだしたからたまらない。
「ああん、やん、やめてっ!」
かなり大きな声で拒否してしまった。
二階の周平君に聞こえてしまう。
私は口に手を当てて、必死にこらえた。
「もういいかな」
確かめるように指が、遠慮なく差し込まれた。
「くひっ」
私は内ももを震わせながら、期待に胸を膨らます。
「いくぜ」
硬い熱い肉が侵入してくる。私は押し拡げられ、より深く望むように開脚した。
「なおこ…ああ、いい。熱いよ。なおこ」
「よしかずさん」
お乳が噛まれ、乳首が舌先で転がされる。
主人は、セックスには淡白なはずなのに、今日は別人のようにいやらしく攻めてきた。
酔いも助けているのだろう。
酔うと「立たない」と言われているのに、主人のは硬かった。
はぁっ!
私は息を吐き、彼の挿入と抜去に合わせた。
ピストンは次第に早くなり、おそらくこのまま彼は果てるつもりらしいことがわかった。
真っ赤に鬼のような形相で、私に打ち込んでくるのを薄目を開けてみていたら、たまらないくらい腰に快感が走る。
「なおこ、いくぜっ!」
「きてっ」
「あううわううう…」
犬の遠吠えのような声を上げて、主人は私の中に放った。
妊娠してもいいと思った。
もう授かってもいいだろう。
「よしかずさん…」
「なおこ。いっちゃったよ」
「できちゃうかもね」
そういって、彼のあごの汗を手のひらで拭って舐めた。
しょっぱかった。
「周平君のような男の子がいいな」
「そうね。キャッチボールしてあげて」
「うん」
そろっと、主人が体を起こすと、私から何かが抜け落ちた。
そのあと、堰を切って液体がこぼれ出てしまった。
「おお、もったいない。腰を上げな」
私はブリッジをするように腰を持ち上げた。

始末をしてパジャマを整えていると、外の廊下に人の気配がしたような気がした。
ふすまが微妙に開いている。
私たちが、ちゃんと閉めなかったのかもしれない。
それとも周平君に一部始終を見られたのかもしれない。
急に眠気が襲ってきて、私はそれ以上考えることができなかった。
主人も、早々といびきをかいてしまっていた。