WAWABUBU-FMにはスポーツ番組がある。
「本田さん、ハリルホジッチ監督の電撃解任のニュースはどう思われます?」
スポーツMCの本田軽介に私は一応、訊いてみた。
「ぼくね、みんなが「この時期はないやろ」みたいなこと言ってますけど、「この時期」を逃したらもう、可能性ないですよ。どん底の本番を迎えるのは見えてますもん」
褐色の顔と、白い歯を「これでもか」と剥きながら本田が答える。
「マリ戦がひどかったなぁ、私も「あれはないよな」と思ったわ。パス回しでつなげてなかったもん」
「そういうね日本人選手が得意とする、つなぐ攻撃をさせへんかったんと、フランス式の「決闘戦略」で一対一の勝負を強いたことで、おかしなった。体格差ありすぎですやん。無理無理」
「本田や香川がベンチを温めてるのも見るに忍びないし…いくら若いもんにチャンスを与えるとか言うて…それなら遠いとこからわざわざ呼ばんでもええやんなぁ」
「ほんま、そうですよ。馬鹿にしてるわ」
本田軽介もフンガイしている。
「あんたも本田選手にあやかってそんな名前つけてんやろ?」
「ちゃいますて。本田は本名ですって。本田和志って言うんです。ぼく。ただ軽自動車が好きやし、まあ、圭祐を意識してないっちゃあ、うそになるけどぉ」
「ま、どうでもいいわ。昨日の阪神のことに移りましょ」
「どうでもええって…なおぼんさんが振ってきはったんやんか。ほなら、昨日の甲子園の話題にいきまひょ」
「デビュー戦を勝利で飾った高橋遥人(はると)君がすばらしい投球でした」
「もう、言うことあらへんね。球持ちがええっちゅうか、モーションかけてから、手ぇから球が離れるのが長いのよ。あのストレートは打てへんでしょう」
「専門的なことは、私、わからへんけど、球にキレがあったね」
「でしょ?見ててもわかるでしょ」
「ゲストの下柳さんも、びっくりしてた」
「広島のピッチャーがあかんかったね」
「中村でしょ。ちょっとあれはないわな。フォアボール押し出しで献上ですもんね」

広島に快勝した、我が「阪神タイガース」
大阪が湧いた夜だった。