1758年にスイスのバーゼルで薬種問屋を始めたのがガイギー社であるという記録がある。
1864年にアレクサンダー・クラベルという男が、染料専門のバーゼル化学産業会社(別名CIBA:チバ)を興す。
※CIBAとはGesellschaft für Chemische Industrie Baselの頭文字をとったもの。

1971年にガイギーとチバが合併してチバガイギーという巨大医薬品メーカーが生まれる。
日本でも「オイラックスSクリーム」(藤沢薬品・日本チバガイギー)なんかが有名だった。
私も、小学五年生の頃、虫にさされたときのためにオイラックスを林間学校に持って行った覚えがあり、あの香りを嗅ぐと、林間学校を思い出す。
※英語名「Eurax」、薬効成分クロタミトンはチバガイギーの開発

1996年の暮れにサンド社と合併してノバルティス・ファーマとなって現在に至っている。
なお日本チバガイギー株式会社は医薬製造部門として現在もノバルティスの傘下で存在している。

最近は、ジェネリック医薬を厚労省が勧めるので、ノバルティスの医薬も後発医薬製造会社のサンファーマ株式会社などに権利を譲っている。
テグレトール(カルバマゼピン製剤)、ローコール(フルバスタチンナトリウム)、チラーヂンS(甲状腺ホルモン製剤)などがそうだ。
シートの台紙がノバルティス独特のもので、折り切りやすいのが特徴。
後発品もそれを踏襲していて、まったく後発品であると感じさせない。

ノバルティスはアメリカで違法な医薬品取引を行って処罰された。
優先的に自社の医薬(抗てんかん薬など五品目)を医師に使用してもらうように裏金(バックマージン)を支払ったというものである。
高血圧治療薬とされるバルサルタンの治験の臨床報告書のねつ造疑惑もあった。

大きな医薬品会社というものは、あの手この手で生き残ろうとする。
ノバルティスは、第一三共との協業契約やグラクソ・スミスクラインとの統合など、違法ではないが、そうやってなりふり構わない姿勢が顕著な会社である。

私は化学に進んだが、医薬のプロパーの男性とお付き合いしたことがあり、とても金回りが良かったのを覚えている。
ただ、その時期は短く、はかないものだった。
今、彼は、かわいい奥さんと大阪でお好み焼き屋をやっている。