カンラン石は深成岩であると、前のブログで書いた。
深成岩とは地殻の深い場所、マントルとの境付近で生まれた岩石であると言われる。

こう言った場所では、岩石成分がゆっくり冷えていくので、結晶が大きく育ちやすい。
またマントルと硬い地殻によって高温と高圧がかかっており、水分はほとんどない。
ダイヤモンドもこういう環境で炭素が結晶化したものだ。
ただしダイヤは変成岩に属すると思う。
圧力や熱による変性を受けて結晶化したものだと言われている。
変成岩は地殻の深度とは関係なく、浅いマグマ溜まりの周囲でも生まれる。

深成岩は、つまるところ火成岩である。
マントルの熱でマグマが生成するが、これは岩石成分の溶融したものだ。
マグマを親とする岩石は火成岩である。
「マグマ大使」のようなものだ。
知らない人の方が多いか…失敬。

かんらん(橄欖)石(岩)の兄弟みたいなもので斑糲岩(はんれい岩)という難しい名前の岩がある。
橄欖岩も斑糲岩も塩基性のものだ。
対して、有名な花崗岩(みかげ石)も火成岩であるけれど、これは酸性なのだった。
岩石の塩基性とか酸性とかは、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素を含むか、石英つまりケイ酸(二酸化ケイ素)が主たる成分かで分けられる。

石英(せきえい)は別名「水晶」という。
「クォーツ」と言ったら通りがいいかな?

水晶は圧電効果(ピエゾ効果)を有する。
結晶に圧力を与えると起電力を生じるのだった。
反対に、音叉型にして電圧を加えると振動し、規則的な波を与えるので「発振子」となる。
ピエゾの顕著な結晶に電気石(トルマリン)がある。

私は今、ある発明を仲間としていて、その特許出願明細書を書いているところだ。
最初、実用新案でいこうかという話だったけれど、やっぱり労力があまり変わらないのだったら権利の強い特許出願にすべきだという考えに至ったわけである。
火成岩を範囲に含めるかどうか、私は迷っている。
この発明には正長石が必須なのだ。
斜長石、カリ長石も含めている。
深成岩=火成岩であるし、その言葉自体に特許上の意味はないように思えた。

実用新案は出願とともに、書面に不備がなければ、そのまま登録査定される。
その手軽さが、ある意味落とし穴になっている。
もし、自分の考案(実用新案では発明と言わずに考案という)と似たようなものを別人が作って売っていたとしよう。
彼はその物について特許もなにも得ていない。
すでに実案登録を済ませている考案者の私は、彼に「侵害だからやめなさい」と言えるかどうかだ。
実用新案(実案)の権利主張は、「技術評価」を特許庁から受けて認められていない限りできないのだ。
「技術評価」とは特許出願の「審査請求」に該当する。
いずれにせよ特許庁が私の考案に対して肯定的判断を下せば、実用新案として名実ともに権利として成立するのだった。
だがもし否定的判断が下されば、私の実用新案権ははく奪され、後願の権利者から遡って損害賠償請求がなされることがある。
一方で特許は審査請求ののち、登録査定がなされて初めて特許権を主張できる。
審査請求で審査官から否定的判断を下されて、残念ながら特許されなかったとしても、それはそれだけのことであり、なにも損害賠償も請求されることはない。
その発明は公開され、同じ発明で自分も他者も特許を得ることができないだけだ。
言い換えれば、まねされてもいいから、自分も、この特許にならなかった発明を実施することはなんら問題ないのである。
公知の事実になった「私の発明」は、皆さんご自由にお使いくださいというわけだ。
審査請求もせずに放置した発明は、公開され、だれが実施してもかまわないのである。
もはや「特許権は得られませんよ」というだけである。

どういうことかというと、特許出願をしただけでは、何の権利も発明者は得ていないからだ。
実用新案では出願行為に形式的に不備がなければ受理され、特許庁長官が権利として認めようというスタンスなので、問題があるのである。
とはいえ、実案の迅速性は特許の比較にならないから、とりあえず出しておこうという向きには良い制度であろうか。
もちろん考案者が実案登録後係属中なら、三年以内に特許に変更するということも可能であるから、そういうことも鑑みて有効に制度を利用したらいい。

岩石の話から、えらい飛んでしまった。
特許印紙を買いに郵便局に行ってきます。