なおぼん艦隊の気象班に新しい仲間が増えました。

乾湿計

向かって右の佐藤計器製乾球湿球温度計(乾湿計)であります。
左のはタニタの温度・湿度計です。
乾湿計は相対湿度を測定するのに適したもので、乾球の温度と湿球の温度を比較して、ある計算式から湿度(%RH)を算出しますが、普通は写真のように温度計の背板に印刷されている早見表を使いますので小学生でも相対湿度を知ることができます。
クラスの日直さんの仕事の一つでしたね。
温度計が二本設置されていて、両方の指示誤差が±1℃以内となっています。
そして右側に湿球として温度計の球部にガーゼを巻いて、水壺から毛管現象で水を供給し、いつも球部が濡れている状態を作ります。
すると、外気の湿気(湿度)と温度によって濡れたガーゼから蒸発する水の量が変わります。
水は蒸発するときに熱を奪いますので、湿球の温度計の指示温度のほうが乾球のそれより下がるんです。
その差が外気温と外気湿度による関数になっていることから相対的な湿度を知ることができるというものです。
一般に気象学で湿度と言えば相対湿度を言います。
相対湿度のモデルでは、比較が対乾燥空気ではなく、水分と飽和蒸気空気の比較(相対)であるということになります。
なぜなら、湿ったガーゼの乾きにくさを温度(差)で表しているからです。
物が乾くときに蒸発潜熱を奪うから温度が下がる…それはある関数になっている。
この現象をうまく利用したものが乾湿計(乾球湿球温度計)なんです。

しかし、湿度を表すにはもう一つの方法もあります。
空気中の湿度変化によって、直接物性が変わるものを使って指針やデジタル表示で湿度を示す方法です。
湿度による電気的な物性値の変化を利用する方法によるものや、高分子膜とか毛髪を使ったものなどが考案されており、気温に左右されないため絶対湿度といいます。
絶対湿度の定義は、乾燥空気1㎥に対する、それに含まれる蒸気水分(g)です(単位:g/㎥)。
※精密な露点計で標準湿度空気を作り出して校正するなど、プロはいろいろ工夫しています。下のpdfなどを参照してください。
http://www.tzwrd.co.jp/technology/toragi/toragi0801.pdf

空気中の湿度を表すには、乾燥空気と飽和水蒸気空気を概念します。
「空(から)」と「満杯」ということです。
つまり、一定の容器(乾燥空気)がどれだけ水蒸気を結露させずに保持できるかの指標が絶対湿度なんですね。
飽和に達した状態で空気中の水蒸気は水になる(結露)し、その温度を露点と言います。
湿度や露点は温度と気圧に影響されるだろうことは容易に推測されると思います。
一般に、測定場所の気圧は一気圧(約1013㍱)としていますが、高地や極端な低気圧下あるいは極端な高気圧下では正しい気圧を測定して補正する必要があるかもしれません。

「お天気カエルくん」と「アネロイド気圧計」と「乾湿計」、「温湿度計」で本艦の気象の把握も充実してきました。