従弟のこうちゃんネタで申し訳ないが、最近よく思い出したり、夢に出てくるのだ。
もう四十年も前のことなのに、鮮明に思い出されて驚いている。
男の子の射精を初めて見たのも、こうちゃんのものだった。
彼の求めるように手でしてあげると、目の前で高く噴き上げた。
こうちゃんが若いからなのか、体質なのか、とにかく勢いよく「飛ばす」のには毎度、驚かされた。
その後の私の男性経験でも、どちらかといえば、少し飛ぶか、だらだらと竿にまとわりついて流れ落ちるのが常だったからだ。

陰毛もまばらな、若いペニスが躍動して尿道を膨らませながら、音がするんじゃないかというぐらいに「びゅっ」と二、三度きれいな放物線を描いて、草むらや畳の上に落としたものだった。
それはチリ紙などで遮ろうとすればできたのだろうけれど、私は「飛ばさせてやりたい」の一心で、放置し、ながめた。
「すごいやん」「えへへ」「男の子っ!」そう言って拍手してやった。
こうちゃんは、射精後の恥ずかしさもあって、そそくさと「お道具」をお仕舞になる。
私はというと、初めてポケットなどからチリ紙の折ったものをとりだして後始末にかかるのだった。
彼の精液は、ほとんど透明で、やはり発育途上だったのだろう。
大人たちの精液は、もっと濃い白濁液で、ところどころゼリー状の塊を含んでいたからだ。

「なおぼんも触ってあげるよ」「やだよ…汚いし」「そんなことないから、パンツ、脱ぎぃな」
祖父母の家の奥の「お大師様」の間で私たちは秘密の空間を持っていた。
大人たちは、私たちがよもや「罰当たり」な行為をここでおこなっているとは思ってもいないだろう。
ひとえに私たちには非行がなく、お勉強ができたからにほかならない。
祖父母などは、「あんたらお似合いやな。仲がええし、そのまま夫婦になったらどうや」なんてことを言うくらいだった。
そのとき、いとこ同士は結婚できるらしいことを知った。

浩二の顔が私の両足の間にあった。
私は恥ずかしさで両手で顔を覆っていたが、指の間からその一部始終を凝視していた。
ぺちゃ、ぺちゃ…
犬が水を飲むような音をたてて、浩二の薄い舌が谷筋を行き来しているようだ。
「ああっ、こうちゃ…」「いい?」「わかんないけど、だめっ」
私の体はもう大人になっていた。
毛だって、浩二とは比較にならないくらい茂っている。
女の体臭もあるし、子を宿す機能だって備わっていた。

我慢ができなくなったのか、浩二はふたたびパンツから性器を取り出して、こすりつけてくる。
皮を完全に後退させて、サクランボのような透明感のある亀頭をてらてらと輝かせていた。
真面目な顔で、浩二がそれを私の中に差し込んでくる。
神秘的な瞬間だった。
男女がこうやって子孫を残す、儀式。
女に男が深く入り込むことで、そう、昔、母の胎内から出てきたものが再び帰還するような荘厳さ。
私たちは遊びの中に、そのような厳(おごそ)かな気分を味わっていた。
硬い肉の棒は、十分に奥まで届き、私は行きどまって伸びあがる。
浩二は私の肩を押さえつけて、おしとどめる。
硬い絆が二人の間に結ばれる。
中に出されると、妊娠してしまうだろう。
それでもかまうもんか…こうちゃんならいい。
どんなにぼろぼろにされても、こうちゃんなら許せる。

二人は汗みずくになって睦(むつみ)あった。
幼い唇を重ね、大人のまねごとをしている。
そのうちに、限界に近づいたのか、浩二が震えだす。
私は優しく抱いてやった。
「いいよ、いいよ。こうちゃん」
「なおぼん、なおぼん、おれ、いくっ」
「よしよし、よくやった…じっとしてて。そのまま…」
どくどくと私の中に浩二の命が送り込まれている。
私の体は、勝手にそれを吸い取ろうと動き出すのだった。

こうやって、私たちは何度も幼い体を重ねたが、幸いと言うか、妊娠はしなかった。
私が結婚しても子供に恵まれなかったのは、私に原因があったのかもしれない。
更年期を終えた私にはもはや関係のないことではあるが。