この季節「椿餅(つばきもち)」なる和菓子が京都では、茶席に出されることが多い。
椿餅
関西風桜餅(桜色に染めた道明寺粉を使ってこし餡を包んだ餅を桜の葉の塩漬けで巻いたもの)と、ほぼ同じ餅菓子で、色粉を使わず白いままで、餅の上下を椿の葉で挟んだものだ。
これは源氏物語の「若菜 上」に出てくるくらいの古い和菓子で、おそらく和菓子の元祖ではないかと言われている。
それまで菓子といえば、大唐から渡来した揚げ菓子や、胡桃などの堅果類、干し柿、甘葛(あまづら)くらいのものだった。
もっとも源氏物語の「椿餅」には餡が入っていなかったようだ。
※「甘葛」は、おそらくブドウ科のツタの樹液を煮詰めて糖分を高めた、メイプルシロップのような甘味料であろうと思われる。ウリ科のアマチャヅルのことだとする説もある。

桐壺(きりつぼ)の帝(みかど)と桐壺更衣(きりつぼのこうい)の間に生まれたのが光源氏(ひかるげんじ)なんだけど、桐壺更衣は幼い源氏を残して死んでしまうんだね。
帝が悲しみに暮れていたところに藤壺(ふじつぼ)という、桐壺更衣の生き写しのような少女が現れ、帝はその娘を見初めるの。
帝は、藤壺が十四になるのを待って入内させるわけ。
つまり藤壺は光源氏の義理の母になるわけだけど、藤壺と光源氏は五つほどしか年が違わないので、源氏はだんだん藤壺に恋心を抱き始めます。

元服したての光源氏が夢精をした…
彼の夢に出てきたのは藤壺、その女(ひと)だった…
その頃から、源氏は自分で慰めるようになる。
いつも彼の瞼の裏には、姉のようにやさしい笑みを浮かべて一糸まとわぬ裸体で、彼を御簾の中に誘う藤壺の姿があった…

とまあ、あたしが書けば、こうなるわね。

こういう関係って、ポルノ小説にはうってつけなんだけどなぁ。
紫式部が先にやっちゃってるんだ。
「若紫」の段で、とうとう源氏と藤壺は結ばれるんだよ。
父帝のオンナを息子が寝取るってやつやね。
源氏の中で、藤壺は、自分の母親の桐壺更衣と「クリソツ」と聞かされもし、理想の女性になってしまっている。
そして、それがそのままセックスの対象になってしまうのは、運命だね。
平安時代には避妊なんかしないから、源氏は藤壺に「中出し」をしてしまい、藤壺はめでたく(?)ご懐妊よ。
桐壺帝は、そんなこととはつゆ知らず、藤壺の腹の子を自分の子だと喜んでるんだね。
この子は、のちの冷泉帝に、おなりあそばされます。

これだから「源氏物語」はやめられない。
こんだけの「おかず」で「ごはん」が何杯食べられるかしら?
こんなソフトポルノを平安期に、それも女流作家が書いていたというのだから、驚きだ。
もう、宮中では人気の物語で、紫式部が書いた尻から「早う、早う」と皆が催促する始末。

相手のいない男(おのこ)は、一人で読みながら、しこっていたことだろう。
侍女たちも、一人寝のさびしさに「光源氏」を思いながら指を濡らしたことだろう。
そんなにもてはやされる紫式部を、「ふん、なによ」とすねて見ていたのが清少納言だったのではなかろうか?
頭でっかちの、気位だけが高い清少納言にとって、紫式部の文才は妬(ねた)ましいものだったに違いない。

私は、清少納言も、なかなか可愛らしいところがあるのに「もったいないなぁ」と思うのだ。
もう少し「媚びる」とか「アホになる」とか出来んかったのかなと。