ほんだしCM
「よっ」
なつかしい妹の顔がドアからのぞく。
「え?」
なんで咲子が来るんだよ。こんな時間に…
「おじゃましまーす」と咲子が体をドアのすき間から、こじ入れて来た。
おれは、部屋が片付いていないので、ドアを慌てて締めて咲子を追い出す。
「あ、ちょ、ちょ、ちょっ。ねぇ、にいちゃん、にいちゃん、開けて」
どんどんとドアを叩く咲子。
しかたがない…近所迷惑なので入れてやった。

スーツ姿の妹は、どこかぎこちない。
まだまだ幼さが消えていないところが、おれを安心させる。
よほど都会の雑踏で疲れたのか、おれのベッドにつっぷして愛らしい寝顔を見せていた。
おれは脱ぎ散らかした咲子のスーツの上着をハンガーに通しながら、その寝顔に声をかける。
「新社会人ねぇ…腹は?」「減ってる!」
がばっと起きて、咲子が叫んだ。
おれは夕飯の支度をしようとしていた矢先なのだった。
片手鍋に湯を沸かし、味の素の「ほんだし」をひと匙入れ、残り物のキャベツやニンジンをざく切りにしてぶちこんだ。
煮えたところで火を止め、冷蔵庫の味噌を入れる。慣れた手順である。
後ろから、ブラウス姿の咲子が顔を出す。
「ふぅん、彼女にも作ってんの?」
と言いながらキッチンに入ってきた。
「ちょ、邪魔」
タイマーで炊きあがったメシを御飯茶碗についでやり、狭いリビングのローテーブルにみそ汁と冷凍をチンした唐揚げを盛りつけて並べてやった。
ささやかな食卓のできあがりだ。
「いただきます!あ…かあさんの味」「そう?」「残った野菜全部入れた感も一緒」
おれは料理が得意ではない。
この味噌汁も、母がやっていたことを見よう見まねで作ってきたまでだ。
それでも母親の味になっているらしい。

「おまえ、風呂、先に入れ」
「ううん、にいちゃんのあとでいいよ」
「おまえは一応、客だから遠慮すんな」
「じゃ…おさきに」

この1DKの賃貸マンションは、風呂トイレ付で家賃が8万と手ごろだったので、駅から遠いけれど気に入っている。
しかし、男の一人暮らしは、じきに散らかってしまう。
彼女でもいれば、もう少し、こましな部屋になったろう。

おれはテレビを漫然と見ながら、そんなことを思っていた。
咲子は、中堅の広告代理店に就職が決まって、この都会に出てきたばかりである。
だから、まだ実家から通っているはずだった。
なのに、こうやってわざわざおれのところに訪ねてくるとは…
「こういうものは、隠して置かんとな…」
女性の裸のグラビアのある低俗な雑誌などが数冊重ねてあったので、おれは古新聞の袋に隠した。

妹とは七つ、年が離れている。
父親が早く亡くなってしまったので、あいつは父親の顔をほとんど覚えちゃいないだろう。
だから長いことおれが父親代わりというか、咲子に頼りにされてきたのだった。
咲子がおれに特別な感情を抱いていることは、うっすらと感じていた。
だからおれは距離を保つために家を出たのだった。

咲子が風呂から上がってきた気配がした。
おれのジャージと、トランクスを貸してやった。
着替えを用意せずにやってくるのだから、仕方がない。
「いいお風呂だったよ」
「せまいだろ」
「ううん。トニックシャンプーってすっとするね」
どうやら、男物のシャンプーを使ったらしい。

「さてと、おれも入るわ」
「うん」
「テレビでも見てな」
「はい」

洗面所からすぐにバスルームになっていて、洗濯機の上に咲子の使ったバスタオルがあった。
汚れものは片付けたらしい。

シャワーを浴びて、湯船に身を沈める。
この二畳ほどの空間には窓もなく、狭いといえば狭いけれど、おれには十分だった。
一人の時はシャワーだけで済ますことも多いが、今日はバスタブに湯を張った。

「にいちゃん?」
外から声がする。
「ああ?どうした?」
「入っていい?」
その摺りガラス越しには妹の裸体が見える。
「だめだ」
「入るよ」
「だめだったら」
おれは湯船から声を荒らげたが、聞くような咲子ではなかった。
「えへへ」
そこには、みずみずしい若い体があった。
「一宿一飯の恩義で、お背中を流させていただきます」
「ばか…」
「さ、にいちゃん。ここにすわって」
おれたちは、こういう関係だった…以前から。
久しぶりに妹に会って、少しは期待していたが、理性もあった。
そういうことをしていては、まともな社会人になれはしないと、心の奥底では思っていたからだ。
しかし、屈託のない咲子の笑顔を見ているとそんな理性も吹っ飛んでしまう。
家を出てからというもの、おれは自分で「する」ことはあっても、女を抱いたことはなかった。
今の職場は設計事務所で男ばかりである。
以前は女の子も雇っていたらしいが、ここのところ求人を出してもだれも来ない。
おれは妹に促されるまま、湯船から立ち上がり、半分勃起したものをちらつかせながら咲子に背を向けて椅子に腰かける。
咲子が、スポンジにボディシャンプーを含ませて、揉んで泡立てながら背中をさすってきた。
「ふふ、にいちゃんの背中、大きいね」
「こんなこと…だめだって言ったろ?」
「だって、にいちゃんが家を出てから、あたし…さびしくって」
「兄妹(きょうだい)なんだから…」
「いいじゃん、だれにも言わなけりゃ」
そう言いながら、強く背中をこすってくる。そして弱い脇腹に手が回る。
「うう」
「くすぐったい?にいちゃん」
「ああ」
「ここは、どうかな?」
下腹のほうにスポンジが下がってくる。
「お、おい」
竿に咲子の手が触れる。
「かったぁい」
「おまえが触るから…」
「触りたかった…」
そう言って咲子が後ろから抱きついてもたれてくる。
手のひらで輪を作って肉の棒を上下にゆっくりとさすり、泡でなめらかにしてくれる。
「ああ」思わず声が出てしまう。
咲子の双乳が背中に押し付けられ、円を描くように動く。
咲子もまた快感を得ようとしているのだった。
亀頭のくびれをわざとひっかけるように咲子の手に力が込められてくる。
「にいちゃん、きもちいい?」「ああ」
おれはたまらず、振り向いて唇を求めた。
咲子は待ってましたとばかりに食らいついてくる。
はぷ…
勃起が最大限になり、へそにつきそうになっていた。
このまま擦られると、かなりやばい。

体勢が悪いのでお互いに立って向き合った。
そうしてまた唇を重ね合う。
愛らしい咲子…離したくない…

咲子に生理が来たころ、おれは建築専門学校に入ったばかりだった。
建築士をめざして、資格の取れる都内の学校になんとか入ることができたのだった。
その時、母が学費を稼ぐためにパートに出ていたこともあって、家にはおれたち二人しかいなかった。
咲子が泣きそうな顔になって(いや、泣いていたかもしれない)、勉強していたおれに助けを求めて来た。
「にいちゃん…始まっちゃった」
ガニ股でスカートをたくし上げて、血に染まったショーツを半分下げた状態の異常な姿に、おれは、にわかには何が起こったのかわからなかった。
「さきちゃん、どうした?」
「だからぁ、生理が始まっちゃった」
妹の股間から一筋の血が伝っている。おれはすべてを悟った。
「わ、わ、わ…動くな、そのままじっとしとけ」
おれはあわてて、ティッシュペーパーを探しに立ち上がり、どたばたと無様(ぶざま)に動き回る。
「そうだ、ナプキンとかいうものがいるんだ」
独り言を言いながら、
「おい、さきちゃん、ナプキンは用意してないのか?」
「か、かあさんのがあるかも」
「どこ?」
「お便所のまえの戸棚のなか…」
「とりあえず、このティッシュで拭け」「あい」
畳の上にも血が落ちていた。
咲子が歩いてきた通りに点々と落ちている。
そこをたどると開けっ放しの便所の扉があった。

なんとか始末をし、おれは咲子を風呂場に行かせた。
咲子を素っ裸にして、シャワーを浴びせたのである。
「つべたい(冷たい)」
「おお、すまんすまん」
初夏だとはいえ、風呂場は北向きで寒かった。
「まだ流れてくるな」
うっすらと陰毛の生えた「女の子」の部分を念入りに洗う。
「いや。にいちゃん、そんなに見ないで」
「ちゃんと洗わないとな」
しかし、おれは勃起していた。
妹の幼い亀裂を見て欲情していたのである。
「すっげ…」
おれは次第に顔を近づけていった。
「にいちゃん、こわい」
おれの目が血走っていたのだろうか?
心臓はバクバクし、禁断の行為に我を忘れていたようだ。
咲子の手がおれの頭を押して遠ざけようとする。
上を向くと、咲子の膨らみかけたバストが目に入る。
思わず手が伸びる。
「ヤン…にいちゃんってば」
「さきちゃん…好きだ」
おれの口からそんな言葉が飛び出した。実の妹に言うべき言葉ではなかった。
おれはすでにトランクス一枚とTシャツ姿になっていたので、トランクスの前が異様にテントを張っているのが咲子にもわかったと思う。
おれが立ち上がると、テントを張っていたトランクスの前から、にょっきりと恥ずかしいくらいに勃起したペニスが亀頭もあらわに飛び出してしまった。
「にいちゃん…それっ!」
「ああ、顔を出しちまったな…えへへ」
決まりの悪いおれは照れ笑いしたけれど、心臓は割れるように打っていて、喉はカラカラで顔は引きつっていたに違いない。
「にいちゃん?何すんの?」
「じっと、このまま、このまま」
わけのわからない言葉を発しておれは咲子を抱き寄せ、その柔らかい腹部に勃起を押し付けていた。
「ああん」
気持ちがいいのか咲子も甘い声を出す。
童貞のおれは、突然に腰が砕けるような快感を感じ、ひどい頭痛を感じて射精してしまった。
「きゃっ」
咲子が飛びのく。
何発も、勃起の先端から白濁した液体が噴き出され、咲子の腹部や腿の当たりを汚した。
密室は、栗の花の香りに包まれた。
「にいちゃん?どうしたの?気分悪いの?」
遠くで妹の声を聞いたような気がした。
「あ、ああ、すまん…」しゃがみ込んで、そう言うのが精いっぱいだった。
「あ、また出て来た」咲子が股間からどろりとした血糊をしたたらせている。
壮絶な景色だった。
タイルの床には、おれの精液と咲子の経血が飛び散っている。
シャワーで流し、咲子とおれを洗い、新しいナプキンをつけさせて、やっと下着姿で落ち着いた。
咲子はまだブラジャーをする年頃ではなく、シュミーズを着ていた。
「ああ、びっくりした。にいちゃん、あんなの出すんだもん」
「すまない。男は、気持ちよくなるとああして、白いのが出るんだよ」
「ふぅん…あれって精子?」
「なんだ、知ってるのか?」
「学校で習うもん」
「そうか…でも見たことはないだろ?」
「うん」
おれはさっさとズボンを履き、シャツを着替えた。

それからだった、二人の関係が禁断の関係になってしまったのは。

「にいちゃん?何考えてんの?」
泡だらけになって二人で睦み合っていると、背の高いおれを見上げるようにして咲子が訊いてくる。
「おまえと、こうなった最初の日の事」
「初潮のときね」
「そうだ」
おれは、咲子の濡れた額にはりついた髪を指先でなぞりながら、答えた。
「にいちゃん、いきなり射精するんだもん」
「おれ、初めてだったんだ」
「ふふ。あたしが、にいちゃんの初めてでうれしい…」
「咲子…」
そうして、またおれは唇を咲子のぷっくりとした唇に被せた。
あむ…

本式のセックスをするようになったのは、咲子が中学生になってからだった。
それまでは、ペッティング止まりだったが、咲子の方から「してみたい」と要望してきたのだった。
おれは、やはり、兄としてさすがにそれはまずいと思って拒んできたが、欲望には勝てなかった。
おれは、学校の課題も難しくなってきていて、ストレスも溜まっていたのだろう。
そのはけ口を妹に求めてしまった、悪い兄なのだ。
最初は痛がった。
うまくできなかった。
舐めて、舐めて、舐め尽くして、やっと半分をぶち込むことができた。
咲子の幼いカントは、痛ましいくらいに拡げられ、裂けた。
鮮血がシーツを染める。
おれはしかし、きつい咲子の締め付けで我慢できなかった。
抜き差しならない状況で、あえなく果ててしまい、幼い胎内に汚い精液をぶちまけたのである。
妊娠の二文字が二人を恐怖に陥れたが、幸い、次の生理がやってきて、二人は安堵したのだった。

咲子も中学三年生にもなると普通にセックスできるように拡張され、「いく」ことも覚えたようだった。
ブラウスを突き上げるバストは、走ると揺れるくらいになり、クラスメイトの男子の視線も気になると言い出したのもその頃だった。

「ね、にいちゃん?お口でやってあげようか?」
「え、いいのかい?」
「だから一宿一飯の恩義だっていってるじゃん」
そう言うと、咲子はシャワーで分身を洗い清め、しゃがんで愛らしい口に頬張ったのである。
む…うむ…なむ…んぐ…
反り返ったペニスは何度も咲子の唇を通過し、唇をめくった。
「おっき…にいちゃんの」
「そうか?前と変わんねぇよ」
「苦しいよ」
「どうする?バックから入れようか?」
「今日、危ない日なんだけど」
「外に出すからさ」
「きっとよ」
妹はそういうと、浴室の壁にヤモリのように両手をついて、お尻をおれに向ける。
おれは華奢な腰骨をつかんで、高さを合わせると咲子の膣にゆっくりと差し込んだ。
「ひぃっ」
喉の奥から絞るような悲鳴が聞こえる。
「痛いか?」「うん、ちょっと」
おれは動きを止めて、しばらく咲子の耳たぶを噛んだり、舐めたりして潤いを待った。
「にいちゃん、お乳、かわいがって」
咲子の頼みを受け入れて、おれは後ろから前に手を回し、こりこりした乳首をもてあそぶ。
「やん、気持ちいいっ」
同時に、膣がきゅっとつぼまった。
「いいのか?締まるぜ、咲子のあそこ」
「うん、勝手にそうなるの」
キュッキュッと膣がおれを絞るように動く。
妹の甘い体臭を感じながら、おれはゆっくりと腰を動かす。
「あはん、やん、にいちゃ…だめぇ」
もうこっちのものだった。
咲子は自ら腰を打ちつけて、深いところでおれを感じようとしてきた。
硬いしこりが亀頭を押す。
子宮が下がってきているのか?
おれのペニスをほとんど呑み込んだ狭い部屋は、複雑な動きをした。
咲子が体をねじる。
おれがその上体を立てようとする。
「ああん、ああん」
赤子の泣き声のような声を連発し、快感に酔いしれているようだ。
粘液質の音が狭い空間に響く。
バックスタイルは咲子のもっとも好む体位だった。
小さな体を精一杯振るわせて、おれの攻めに答えてくれる。
「咲子、いいか?」
「外に、外に、お願い」「ああ、わかってる」
快感にしびれながらも咲子は妊娠の恐怖を忘れてはいなかった。
いじらしい妹の姿に、おれは溜まりに溜まった精液を…やばいっ…
いそいで腰を引いた時に、堰を切ったように棒状の白濁液が咲子の背中に飛び出した。
咲子は肩で息をしている。
はぁ、はぁ、はぁ…
おれも同じだった。
膝ががくがくしている。
ぽっかりと空洞をみせている咲子の膣が目の前にあった。
咲子のジュースが泡を噛んであふれている。
「咲子…ありがとう」
おれは妹を引き寄せて、もういちど口を吸った。

あくる日、咲子は昨日のスーツ姿で、おれのトランクスを履いたまま出勤していった。
出しなに、
「もう来ちゃだめだぜ。今度は彼女がいるかもしれないから」
と言ってやったら、
「あたしも彼氏ができて、そんな暇はなくなるかも」
と憎らしいことを言って出て行った。
おれはその後ろ姿をずっと見送っていた。

(おしまい)

今日にも非常事態宣言が発令される見込みで、引きこもる私はこんな妄想をテレビCMを見ながら考えて遊んでいます。
これでいいんですよね?
安倍総理。