ドーナツの穴を残して食べる方法という命題に挑戦した各国の頭脳たちの本があったが、それに影響されて、私は「穴の開いていないバウムクーヘンを作ることができるか?」という命題を思いついた。
※ちなみにドーナツの穴を残して食べるという問いに対する私の答えは「そのままドーナツを食えばいい」である。なぜなら私の食べた部分は穴の周囲のドーナツであり、決して穴は食べていないので、穴は残っているはずだから。
※ドーナツの穴は周囲のドーナツが存在して初めて存在しうるのであり、ドーナツが食べられてなくなれば、同時に穴も消滅するのだという考えもある。しかし「元ドーナツの穴」の空間は歴然として残っているだろう。

バウムクーヘンができるまで

こんな動画がたくさんアップされているので、バウムクーヘンにどうして穴があるのかがお分かりいただけるものと思う。
つまり、バウムクーヘンに穴は必然的にできるわけだ。
しかし、トイレットペーパーにも芯のないものが販売されているこんにち、バウムクーヘンにもそれが可能かどうかを掘り下げてみたい。

結論から申し上げると、私にはまだこの答えが見いだせていない。
「穴が開いていない」ということは、そもそもバウムクーヘンが円柱であるということから「バウム」とは「木」のことで、あの幾重にも重なった同心円の断面は「年輪」を表現しているから、円柱でなければならない。
するとミルフィーユのような積み重ねで面を作るような方法はこの際、除外すべきだ。
というのも、塾生の意見で「カステラのように平面で積み上げればいいやん」というものがあったので、その方法は除外することにしたからだ。
実際、四角いバウムクーヘンというものが売られているそうだし、ショートケーキで土台のスポンジ部分が平面積み上げ式のバウムクーヘンで形成されているものがあるようだ。

円柱のバウムクーヘンの穴がないものが果たしてできるだろうか?
穴が、極限にまで小さいもの…針の穴のようなものならできるかもしれない。
しかしこれは「穴が開いていない」ということにはならないのではないだろうか?
生地を巻き上げて作るという従来方式から脱却しないことには「穴の開いていないバウム」はできないと考えるべきだ。
「開いている穴を、あとからバウムクーヘンで塞ぐ」というものもあったが、その塞ぐべき円柱のバウムクーヘンにはやはり穴があったのではなかろうか?どうかな?
新潟県にあるのに「大阪屋」の「万代太鼓」というお菓子では、バウムの穴にクリームを充填していたが、芯から外までバウムクーヘンでなければ議論の余地がない。

扇形の型でバウムクーヘンをつくって、つないで円形にするというのも考えてみたが、扇形にバウムクーヘンを成形することがほぼ不可能であることが、わかった。
ならば、さっき封印した平型バウムクーヘンを巻きずしのごとく巻いたらどうか?
これはなかなか面白い発想だが、おそらく巻いた時点で割れてばらばらになるだろう。
バウムクーヘンを食べたことがあったら、そのあまりの脆さに気づくはずだ。

バウムクーヘンは、回転させて生地を焼きながら重ねていくという作り方以外にないのか?
バーナー側を回転させても、やはり生地側を回転させねば、液状の生地が重力で流れ落ちてしまうからだ。
そしてバウムクーヘンには「芯」が必要であるという、動かしがたい事実がこの命題を阻んでいる。

ああ、どうしても思いつかない。

家にこもって、こんなことばかり考えている。