奥様は変わられた。
先生が老境に入った感があるのに対し、ますます若返られた。
先生は最近、入院された。
腸にポリープがあったとかで、悪性のものではなかったので幸いだったけれど、これから約二週間の入院生活となってしまった。
その間に、奥様は俳句会の同人の一人から言い寄られているとおれに打ち明けたのだ。
「わたし、お断りしたのよ」
おれのペニスをくねくねといじりながら言う。
「いいじゃないですか。お付き合いすれば」
「浩司さんはいいの?」
「え?べつに」
「いじわる。恭子がいるからいいのね」
ぎゅっと握られたからたまったもんじゃない。
「いたっ」
「もう知らない」
奥様はバスローブをまとって、おれの部屋から出て行ってしまった。
しかし、おれは奥様が先生ではないほかの男性に抱かれるのを想像し、すこし妬けた。
今日、奥様はめずらしくめかし込んで、お出かけになった。
入れ違いに恭子がやってきて、
「お出かけですか?奥様」
と、問いかけた。
「ええ。浩司さんのお食事、頼んだわよ。わたし、今日は遅くなるから」
と、おれに聞こえるように言って出て行ってしまった。
ははん…あの人と会うんだな。
おれは新聞を読むふりをして考えていた。
「奥様、先生が入院されてから変わられたわね」
おれの顔を見て、恭子が言う。
「あ、そうかな」
「あんな人でも、ときめくことがあるのかしら?」
おれはどきっとした。
おれと奥様が深い仲になっていることなど、恭子は知らないはずだからだ。
「ねぇ、したい?」
ほら、来た…
首筋に手を回し、恭子が誘う。
「したいんでしょ?」
「あ、ああ」
「行こうよ。こうちゃんの部屋」
昨日、奥様と睦み合ったおれの寝床がそのままになっていた。
「いつ見ても、汚いわね」
「悪かったね」
おれは、恭子のぽっちゃりした丸い体を抱き寄せて、そのしわくちゃの褥に倒した。
「はあん」
「きょうこ」
勃起が早くも恭子の腰骨を刺す。
我慢ならないと、恭子の手のひらがそれをまさぐって、つかみとる。
「おっき…」
「ああ、もう後ろから入れてもいいかい」
「舐めてくんないの?」
「舐めようか?」
「してよ。じゃないと濡れないもの」
「わかった。尻を出せよ」
おれは、不機嫌に命じた。
蒸れた女陰が強い匂いを放ち、おれを朦朧とさせる。
尻肉を左右に思い切り拡げ、顔を突っ込んだ。
はむっ…
べちゃ、べちょ…
ことさら音を立てて、吸い上げ、舐め回してやった。
「きゃうん…ああっ、だめっ」
尻が高く持ち上がり、反対に頭がぺしゃっと布団にめり込んだ。
恭子の肩がふるふると震えて、快感に耐え忍んでいる。
「ひっく」
喉を鳴らして、おれの舌技にむせんだ。
「もういいだろう?いれるぜ」
うんうんと頭で答える恭子。
腰の動きだけで、慣れた穴にずっぽりと沈めてやった。
あぐ…
スラストは最初ゆっくり、徐々に「序破急」となった。
きゃっ、いぐ、いっくぅ・・・
恭子の腹に腕を回し、抱え込んで、深く突き刺した。
肛門が赤黒く見え、おれはその部分を指で刺激してやった。
「やん、だめよ、そこは…」
松葉くずしに転じて、当どころを変えてやる。
じゅび、じゅび
汁気の多い中年女は、ゆるく感じるが、こうやって攻めると締め付けがよくなるのだった。
側位で突き上げ、恭子を無残に打ち砕いた。
何か残虐な気持ちが沸き起こり、この小太りの女をめちゃくちゃにしてやりたいと思ったのだ。
奥様には決して抱かない気持ちだった。
狂ったように、恭子は声を上げてよがり、顔は真っ赤になり、悶絶してしまった。
そのぐったりした肉塊を突き刺しながら、おれは深いところで果てた。
恭子は失神してしまったようだ。
ボロ布を捨てるように、肉塊を押し除け、おれはシャワールームに消えた。
シャワーを浴びて部屋に戻ると、恭子が意地悪そうに笑って、
「なあに?これ」
彼女の指先には髪の毛があった。
「アタシのじゃないわね。短いもの。ウェーブしてるから、あんたのでもなさそうだし」
「なんだよ。何がいいたいんだ」
おれは、バツが悪くてつっけんどんに言った。
「あんなバアさんと、やってんだ…」
奥様のことを言っているのは確かだった。
「サカリのついたイヌね」
「なんやと!」
おれは気色ばんだ。
「おお、こわ」
そそくさと服をまとって、恭子は半裸のまま階下へ降りて行ってしまった。
無性に腹が立った。