小学生の塾生(場合によっては中学生も対象)の質問に答えるZoom授業を、あたしの時間が空いた時に開いている。
間島さと子(仮名)さん、12歳からの「ここがわからん」をご紹介しよう。

多角形の内角の和1
彼女から送られてきた画像はこれだった。中学入試の問題らしい。
「これは多角形の内角の和がわかっとらんと解けへんよ」とあたしからアドバイス。
「まずね、さと子ちゃん、三角形の内角の和はなんぼでしたか?」
「え~っと180度でっす」
「はい、ようできました。じゃあなんでそうなるか言える?」
「わからへん。そう習ったから」「そうかぁ。まあええけど、こういうことなんよ」

三角形の内角の和
私は、CADで図を作ってさと子に送ってやった。
「ここに△ABCがあります。そして合同って習ったよね。△ACDも△CDEも△ABCと合同なのよ」
「わかった」
「合同な三つの三角形をこの図のように並べると、BCEは直線になってADと平行になっとるやろ、平行線の錯角は等しいからね、点Cで合同な三角形の全部の角が集まるねん」
「ああ、こんな図、やりました」
「わかった?直線は角度で言うと、何度?」
「二直角で180度です」
「そやね。これはどんな三角形でも互いに合同であれば、このように並べると三つの頂点の角度が集まって直線に乗って、つまりは180度になるのね。だから三角形の内角の和は180度になると証明できました」
「思い出したよ。せんせ」
「ほな、問題に移りますよ。この変な形は、まずここの五角形に注目しましょう」

多角形の内角の和1a

赤く塗ってみました。
「なんで、五角形なん?三角形をみるんやないの?」と、さと子。
「うん、三角形もみるけど、この五角形の内角の和が実は答えになることをこれから示します」
「えーっ?」
「じゃあ、次に、お待ちかねのこの黄色の三角形に注目してください」
多角形の内角の和1b


「せんせ、すごぉい。テレビの授業みたい」
「こんなもん、お茶の子よ。角Cと角Eの和が五角形の左下の角度になるのがわかるかな?」
「さっきの話やんな」「そうそう」
「同じようにね」
多角形の内角の和1c
「うんうん、そうなる」
「そしたらね、赤い五角形の中に前部の角度が和の形で集まるでしょう?」
多角形の内角の和1d
「そんでもせんせ、これを全部足したって数字は出るの?」
「三角形の内角の和が180度やったら、五角形はその何倍やった?」
「ああ、そんなんあったなぁ」
「暗記してる子もいるみたいやけど、こうやってみ」
多角形の内角の和1e
「五角形はこうやって対角線を引くと三つの三角形に分けられるやろ?だから三角形の三倍、つまり180度×3=540度が五角形の内角の和になるんよ。そやからこの問題の答えは、
A+B+C+D+E+F+G=540度になるわけや」
「ああ、そっかぁ。四角やったら180×2=360度なんやね」
「そうそう。一個ずつの角度がわからんでも、多角形の内角の和を答えろっていうのやから、これでいいのよ。なぁんも難しないよ」
「ありがとう。せんせ」
「はい、またどうぞ」
多角形は、その角(かど)の数から2を引いた個数の三角形に必ず分割されるという規則性があるのだった。
この関係性を覚えておかないと「20角形の内角の和」を聞かれたときに、いちいち三角形に分割してられないからね。酷い出題者がいるんだよ。世の中にはね。
とはいえ、これも意地悪な問題やなぁ。
私は、正直、あまり良い問題とは思わなかった。