栗林郷(りつりんきょう)はなぜか、女ばかりの村だった。
その噂は名高く、洛陽にまで聞こえていた。

ただ、そこへ行って戻ってきた者は少ない。

戻ってきた者とて、栗林郷のことは固く口を閉ざして語らない。
ある者は、完全に惚(ほう)けて帰京した。
ある者は、唖(おし)になって帰京した。

などなど・・・

劉盟にそのことを尋ねても、笑ってかわすだけで、まったく謎めいていた。
同じことを妹の劉華に尋ねてみた。
「男の人はね、いつのまにか居なくなっちゃうのよ。ほんとに」
「どこかへ旅立つってわけかい?」
「忽然と、いなくなっちゃうの。それ以上はわからないわ」
こんな具合だった。

毎晩、姉妹の訪(おとな)いを受けて、私は夢のような毎日を送っていた。
姉が、私をくわえて、いきり立たせ、妹が競うように、私の顔面に騎乗する。
劉華の陰裂は、甘酸っぱ果汁でしっとりと濡れて、さらに奥から溢れさせ、私の鼻といい、口といい、しとどに濡らした。
「あふっ」
鳥のさえずりのような劉華の声。
私の長さを確かめるような、劉盟の口使い。
「じゅるっ」
多過ぎる姉の唾は、白く濁って口角から流れを作る。
泡立つ劉盟の口に、何度も我が身が飲まれる。
その熱い洞穴に住まう山椒魚のような舌は、男根を細部まで取り調べるように動き回った。
「じゅぽ、じゅぽ」
姉は激しく頭を動かし、妹も腰を打ちつけるように上下した。
「はあん。いい、いい。いく。いくぅ」
「私もだめだ、もう」
弓の弦が切れてはじけるように、劉華がのけぞった。
ほぼ時を同じくして、私は劉盟の喉奥に精汁を放った。
「ごくり」
私にもはっきり聞こえる音で、飲み下されたことを知る。

私は、女たちに鍛えられ、一回の放出では柔らかくならなくなった。
「まだ、硬い・・・」
劉盟がにっこりとして私に言った。
たぶん、淫羊霍(いんようかく)というイカリソウから作られた薬のせいだと思われた。
この秘薬は、その精力を無限に高めるものだった。

「硬いうちに、あたし、いただいちゃおうかな」
劉盟が跨る。
私の竿が女の手で支えられ、白い尻が落とされる。
ゆっくりと確実に陰門を割り、するりと鞘に収まった。
なんと、炉のように熱い秘肉。
「ああ、すばらしい」
感嘆の声が思わず出てしまう。
「先生、あたしのお豆も触って」劉華が私の右手を取って、茱萸(ぐみ)のような実(さね)に誘(いざな)う。
くちゅりとかわいらしい音を立てて、皮が剥かれ、張り切った実を掻くように弄(いじ)る。
「きゅわっ」
喉の奥から、妙な声がした。
「いいのかい。劉華」
「いや、いや。だめ」
谷筋をなぞり、深々と中指を侵入させた。
後ろ手をついて、劉華が腰を持ち上げる。
劉盟はというと、腰をピッタリ私につけ、円を描いている。
顔の表情はとろりとして、まるで阿片に酔っているようだ。
劉華のひざがぎゅっと閉じられ、私の腕を締め付ける。
指が秘肉に捕らわれ、歯のない魚に噛まれたようだ。
「あぎゃっ」
嬰児(みどりご)のような声を上げて、ぶるぶると震えて顔をしかめている劉華。
また逝ったのだろう。

いささか長持ちしている私に、姉の劉盟が気をよくして、私の上で挽き臼のように回り出した。
ねじ切られるような快感がたまらない。
女の汁で滑りが良くなっている。
「姉さん、すごい・・・」
妹は、姉の狂乱を見物している。
勝気で清楚な劉盟が、壊れたように私の上で悦楽に泥酔している。
「ああ、あはは、いい、こんなのはじめて」
などと言いながら、口角から涎(よだれ)をたらしつつ、劉盟が回る。
後ろ向きになった、劉盟は「突いて」と乞うた。
女の背と私の腹を合わせる形で腰を持ち上げる。
赤くただれたようになった、女陰は私の硬い柱で押し広げられ、痛ましくも見えた。
突き上げて硬く当たる子袋の入口を感じた。
「そこ、そこを突いて」
入口が巾着のように締まる劉盟の名器は、その奥にも珍味を用意していた。
木耳(きくらげ)でできたような絶妙な「しこり」が、何度も私を突かせた。
「おお、いいぞ。これはなんじゃ?」
「わからない。なんか、いいの」
寝台は古いのか、かなり揺れが激しく、きしみもうるさかった。
きい、きい、きい
「ああ、姉さんのあそこが、あんなに広がって」
覗きこむ劉華。
「先生のふぐりが、あがってきたよ」
射精が近いのだろう。
「劉盟、もう、出すぞ」
「やって、やってくださいっ」
角度を浅くしてひと突き加えると、ぱくっとさらに奥に入る感触があって、その凄まじい感覚が劉盟を悶絶させた。
「ぎゃっ」
劉盟は失神してしまった。
魂を抜き取られるように、私は長く放精した。
「姉さん!しっかり」
びっくりした劉華が姉の頬を叩く。

男根を抜き去るときに抵抗があって、おそらく子袋の中に放精したのだろうと思われた。

ずいぶんしてから、劉盟は眠りから目覚めたように伸びをして、起き上がった。
「あたし、どうなっちゃったのかしら」
「一度、死んだのさ」
と、私は言った。
「そんな感じ。どこか雲の上の世界をさまよっていたみたい」
「ずるーい。姉さんばかりいい気持ちになって」
と、劉華がぷっと膨れた。
「お前も、もっと大人になったらわかるかもしれないよ」
私は、幼さを残した劉華を抱き寄せて接吻した。
「先生、教えてね」
「ああ」

有明の月が軒先にかかっていた。