女であることが損であったかと尋ねられれば、今のあたしなら言下に否定できる。
得られる利益と逸失利益を比較衡量すれば、結論はおのずとそうなる。

しかしながら、来世は男に生まれたい。
その違いを体験してみたいとは思うのよ。

あたしが女で損したなと最初に思ったのは生理の訪れね。
毎月来る災難としか思えなかった。

パンツは汚すし、ナプキンはごろごろするし、痛いし、臭くなるし。
始まる前が読めないこともあって、「アチャー」と、出先で緊急事態になったり。

もっと損したと思うのは、心理的な不安定さでしょうね。
生理前の攻撃的な性格の変化で、友人を傷つけたこともあった。
いらいらするのよ、なんにせよ。
グズとか、アタマ悪そうな受け答えとか、そういうのが鼻につくのね。
かといって、テキパキ、利発に振る舞うヤツも気に入らない。
「かっこつけやがって。ボケが」
そう思ってる。

排卵期の後は、自分では気づかないんだけど、周りの者からしたら「そっけない」ように見えたらしい。
特に男の子には冷たかった。
むしろ「冷徹」だった。
「近寄るな、寄らば斬る」状態だった。

そんなあたしを救ったのは「知識」だったよ。
化学の世界に進み、ホルモンやら、薬学やらに触れ、そういった専門家とも交流するようになると、霧が晴れるようにすっきりした。
すべては、内分泌の問題であり、そこには巧妙な天然の仕掛けがあることに気付かされたのです。

性別を超えた、地球生物すべてが持つ財産であり、今のあたしがあるのも、生命の発生のからくりがあるからですね。
詳しくは、当ブログ「安全日」を参照してください。

セックスは手段に過ぎず、月経は結果に過ぎず、妊娠もまた同じ。
幸か不幸かあたしは出産を経験しなかったので、母性の本質を体験していませんけれども、まったく無いとはいえない。
「お腹を痛めた子」の存在は母を強靭な人格にするはずです。
どんな頼りない女性でも、強うなるんです。
信じましょう。

それができない母親が多くなっているのは悲劇です。
自分を振り返ることから始めてみてくださいな。

ほかに女だったから損したことね・・・
「女のくせに」と言われても「男のくせに」と返していたくらいなので、あまり言葉では惨めに思ったことはないな。
女だから「お茶くみ」も喜んでしましたよ。
男にお茶を出してもらっても客はいい気はせんでしょう?
そういう「文化」は大事にしましたね。
「女」ゆえにできることだと思ってましたしね。
役割分担は「文化」なんですよ。
否定しようと思えばできますけれども、文化を破壊するとその反動は大きいですよ。
一部の人間がそれを強行して、潰されるのがオチですわ。

女性の地位向上なんてものは、男性の地位が高いということの対比でしかなく、もし女性の地位が向上したら、男性の地位が下降するのは必定で、相対的なもんですから。

たぶん、こう言うでしょう「男性と同等の地位に」と。

男性だって、いろいろですよ。
みんながみんな高い位置にいるわけではないの。
そうね、その地位に昇るために、同じスタートラインに立つ権利というか「機会均等」を願う気持ちかな。
それは、あったほうがいい。
選別されるときに女のほうが多く振り落とされるのかもしれないけれど。
そこは「文化」だから。
あきらめるわけじゃないけれど、人の考え方の領域に「差別感情」というのは根強く残っていて、その人の育ちから来るものだから治らないの。

だから教育が大事という言い分もわかるけどね。
「表現の自由」に関わることだからね。
人種差別に匹敵するような女性蔑視があったら正さないといけませんが。

女の上司は男をうまく使えないとも聞きます。
男がうまく使われたくないらしい。
家で嫁に使われ、会社で女部長に使われ・・・立つ瀬がないと。
それは女でも同じなんだけど、顕在化してなかっただけ。
女は辛抱するのが当たり前だったから。

女が女を使うのもこれまた苦手だというから、問題は簡単ではない。
女は群れて、仲間意識で生き延びるから、リーダーシップが変な形になりやすい。
「ママ友」のリーダー的存在ってちょっと「困ったちゃん」でしょ?
スケバンかて、男の番長とはまったく違う生き物よ。

女のボスはね、水商売の「ママ」がいい例よ。
ああいうのでないと、女をまとめられない。

だから、女だから得だとか、損だとかは一概には言えない。
地位向上したとしても、それなりに難しい人生を送ることとなる。
愛されて一生を終わるには、女らしく、母らしく、かわいいお祖母ちゃんになってがイチバンなのよ。
きんさん、ぎんさんみたいにね。

女は「保守」、男は「革新」がいいのではないでしょうか。

その上で、平等に扱ってもらえたらいいわ。

「おしん」のようにこき使われたり、「慰安婦」みたいに無理やり股を開かされたり、お金のために他人の子を宿したりは、いや。
女だから安い賃金でいいという考えも許せんな。
そうじゃなくって、安い賃金に見合う労働内容で働かせるようにしなさいよ。
パートはパートなんやから、女やから安いのとは違うからね。
「こんな仕事やったら、これくらいしかもらえないな」と働く側がわかるようなね。
正社員ばりに残業もさせて、安時給では、そらあかんわ。
たぶん、夫の扶養に入っている奥さんの年間収入の非課税上限枠を見込んでのことやろうけど、労使間の暗黙の了解にせんといてほしいな。

女だから得するのは、セックスしてお金がもらえることかしら。
おばさんでも、くれるよ。
そういう女の武器を利用すれば小保方さんのように、男の上に短期間で立てることもある。
男が馬鹿なだけだけど。

おさんどん、お茶くみ、セクハラオヤジの話し相手ぐらいならよろこんでしてあげるよ。
男と女、うまいこと支えあっていきましょうな。