大阪綿棒がリニューアル
大阪綿棒1
綿棒がおみくじになってますっ!
大阪綿棒2
ほらね。
「大吉」
綿棒を返すと・・・
大阪綿棒3
大阪弁で一言、あります。
この綿棒のいいところは、綿球がでかいこと。
それに「メイドインオオサカ」であること。
「穴に入れる棒はアタマがでかいほうがキモチいい」
そういう大阪魂が生きてます。

トマ・ピケティとかの資本論がよく売れているそうで。
でもあたしはこの本のほうがタメになると思ってるわ。
プリゴジンの本
プリゴジンの「混沌からの秩序」よ。
化学平衡で「散逸構造理論」を実証、確立した業績でノーベル化学賞(1977年)を受賞した博士です。
経済学にも通じる(?)内容です。
あたしは熱力学が好きで(計算は苦手だけど)、大学時代から、この手の本をよく読んでました。
おなじ、みすず書房から出版されていたハイゼンベルクの「部分と全体」を読んだのも学生時代だった。
みすず書房の本は高いのよねぇ。

混沌としたものから、秩序が生まれるという、はなはだ混沌とした内容なんだけど、古事記にもあるように、世界は「鶏の子(鶏卵)」のごとくどろどろだったところから、島ができて、国ができるの。
そういった考え方自体はどの民族にもあって、そこへ科学的に切り込んで、今ある秩序だった世界の始まりと終焉を読み解くのが散逸構造理論なのよ。たぶん。
熱力学の世界はまさにそういったことを「全体」として捉えるアプローチ、たとえば、圧力や温度、体積変化の関係を詳しく調べていく方法と、「部分」をつきつめる、つまり分子や原子の振る舞いから推論(ボルツマンの統計力学)していくことなんです。
圧力や温度、体積変化を調べることは、ヨーロッパに興った産業革命に直接つながっていきました。
蒸気機関です。
それは戦争への道でもありました。
最初の市場経済はこのころに端緒を見いだせるかもしれません。
それは経済学や歴史学の本に譲るとして、混沌から宇宙は生まれたと、まことしやかに論じられるけれど、ホントのところはどうなのよ?
という疑問に、化学者の立場から答えてくれているのが本書だと思います。
「対称性の破れ」がなければ今の世界は構築されなかった・・・
それは化学平衡がゆらぐ原動力でもある。
平衡はみかけの化学反応が止まっている状態であるけれど、ミクロに見ていけば活発に分子は活動しているのよ。
生まれる反応と分解する反応が相等しい確率で生成、消滅しているから平衡なの。
ル・シャトリエーの業績が化学平衡の基礎を作りました。
化学者なら、よーく知っている原理です。

プリゴジンの文には「過程」という語がよく出てきます。
どんな反応でも最終目的にいきつくまでに、さまざまな「過程」を経ます。
カルノーサイクルをご存知でしょうか?
蒸気エンジンの基本理論です。
これも「過程」の説明には欠かせないモデルです。
ピーター・アトキンスという物理学者が、「エントロピーと秩序」という初心者向けの啓蒙書を著しています。
あたしも持ってますけど、ここに「過程」の重要性がよどみなく説明されています。
「初心者向け」と言いましたが、たいそう重厚な内容で、ついていけないと諦めてしまう人もいるかもしれません。
プリゴジンの本が「遠い」と感じる向きには、まずアトキンスの本をお薦めします。

熱力学第二法則はきれいな法則です。
エントロピーという概念が出てくる法則として有名で、嫌われ者でもあります。
人類はこの概念を手に入れるために、紆余曲折しました。
まさに混沌と秩序の戦いでした。
クラウジウスそしてケルビン卿(トムソン効果のトムソンでもあります)、オストワルドらが懸命に数式をあやつり、ひとつの法則に辿り着いたのです。
「エントロピー(乱雑さ)は拡大する」
それが宇宙の記述でした。

あたしは、その「感じ」に魅了されたんです。
まさにそうじゃないか・・・
あたしの部屋も、頭のなかも、どんどん乱雑になっていく。
元に戻す、片付けることは「秩序」だ。
エントロピーを減少させる行為が「片付け」だ・・・
でも時間は過ぎ「過程」は増えるのだ。

まあ、ピケティよりはいいと思いますよ。
プリゴジン