北朝鮮の科学者優遇が日本でも話題になっています。
このほどの弾道ミサイル開発に多大な貢献をした金正植(キム・ジョンシク)氏が北朝鮮国内でヒーローになっていることとか。
コールド・ランチャー(ローンチャ)という、圧搾空気などの非加熱のミサイル射出技術で、金氏は貢献したようです。
実際、移動ランチャーや潜水艦射出では、いきなりのロケットエンジン点火は危険すぎるので、ある程度の高さまで圧縮空気や水蒸気圧で浮かせます。
その後すかさず、空中でロケットエンジンに点火して飛ばす技術をコールド・ローンチ(ランチ)と言うのです。
これは言うにたやすく、行い難い技術でして、ミサイル発射の最初のつまづきはこの技術です。
ミサイルの姿勢を維持しつつ浮かせるなんて、難しいでしょう?
そのほかにも、扱いにくい液体燃料から扱いやすい固体燃料に切り替わったのも金氏の力なんでしょう。
おそらく部下の使い方も上手なんでしょうね。
プロジェクトチームを統率して、最短で結果を出すという素晴らしい技術者なんですよ。
そのような功を促す制度が金正恩にはあるらしい。

実際、科学者優遇制度は功を奏して、北朝鮮の弾道ミサイルの完成に長足の進歩を遂げさせました。
金正日将軍の時とは雲泥の差です。

科学者通りでは、高層マンションが林立し、そこには手柄を立てた科学者家族が無償で入居でき、すばらしい生活が約束される。
あたしが、中学生のころに北朝鮮はそういった理想郷を目指して子供から大人まで邁進していると、短波放送で声高に宣伝していました。
それがある意味、現実になった感があります。
もっとも、その恩恵にあずからない、最低の生活を余儀なくされている北朝鮮国民が大多数いて、よくぞ動乱が起こらないなと感心します。
洗脳と恐怖政治の成果なのですかね。

あたしは一方で、「行ってやってもよかったかな…」と、そう思わないでもない。
あの頃、北朝鮮は化学の分野でも、人を欲しがっていたんです。
あたしは大学を卒業して、企業の研究職に就きましたが、高校からの友人だった金明恵(キム・ミョンヘ)に誘われたことがありました。
彼女は、今は北に戻っています。
もう、日本には来ることができなくなりました。
事情はみなさんご存知ですね。

京大にも原子力関係の技術者が北と通じている科学者がいるし、北の人が留学もしていました。
化学の分野も留学生がけっこういます。
彼らは、表向きは中国籍なんですよ。
しかし、北のカムフラージュなんですね。
VXガスを作ることができたのは、こういった留学生の活躍なんでしょうかね。
もしかしたら、あたしが向こうでそういう研究をしていたかもしれない。
あちらに行けば、生きていくために、日本に刃(やいば)を向けざるを得なかっただろう。

学問に垣根はありませんから、いかなる国の人でも、動機はどうであれ、学問を志す権利はあります。
学問の自由です。
それがお国のためであり、官費留学の趣旨に副(そ)うなら留学生は勉学にいそしむでしょう。
大戦前の日本がそうだった。
英国やドイツへの留学で、軍事や科学技術を吸収し、一方で、外国人技師をたくさん招聘しました。
どれも軍事に関するイノベーションのためです。
日本の航空技術が、独特の進歩を遂げたのは、ある程度の年配の方ならご存知でしょう。

今の北朝鮮がまさに、あのころの日本のように思えます。
精一杯、列強諸国を相手に威嚇している。

核の保有が外交カードになるのは今も昔も変わらない。
アメリカの物理学者オッペンハイマーがその能力をいかんなく発揮し、日本への原爆投下につなげたのは紛れもない事実です(マンハッタン計画)。
しかし、彼の思想には日本人への憎悪があった。
これは内心の問題であって、他人が非難できるものではない。
科学者は、その開発衝動にあらがえないことがある。
そして、すばらしいが破滅的な技術革新を成し遂げるのです。

北の戦力が脅威になったとしても、彼らなりの生きざまなんですよ。
孤立してでも、矜持を保つ。
まさに過去の我が国の姿だ。

あたしは売国の奴(ど)ではない。
日本が彼らの脅威にさらされるのはしのびないし、やはり最後は差し違えるつもりで対峙せねばならない。
逃げは許されないのです。
もはや「共に歩む」ことはできない隣人です。

こんなことを書いて「共謀罪」や「テロを企図する輩」と官憲に囚われるかもしれませんね。
いいですよ。
どうぞ、ご勝手に。
金田法相は、「一般人は対象外だ」とぶっきらぼうに言いますが、テロリストが、一般人のふりをして、テロを企てるというシナリオは無視されているんでしょうか?
もっと言えば、一般人が内心でテロ行為を「やったろか」と思うかもしれない。
通り魔的な犯罪が多い中、否定できません。
日ごろおとなしい人が、豹変することは往々にしてあるわけです。
甘いナ…
日本は。
いや、それともちゃんと政府自民党は考えてのことかもしれない。
とぼけて、法案を強行採決させればよい。
あとの運用は、自分たちの好きにやると。
これで「赤狩り」や、政府に対する反対運動を封じ込めれば安いものだから。
愚民を味方につけた自民党は向かうところ敵なしの状況です。

やっぱり、あたしは北朝鮮に行けばよかったのかも。
さあ、どこからでもかかってきなさい!