この時期、旬な映画が『エンド・オブ・ホワイトハウス』です。
アメリカが、ホワイトハウスが、大統領がめちゃくちゃに蹂躙されるんですよ。
北朝鮮に!
そういう映画が2013年にすでに作られていたのですね。
金正恩委員長もお気に入りの映画だそうです。

これまでのパニックもの映画とは一線を画し、北朝鮮テロリストによるアメリカ市民の日常の破壊がこれでもかと描かれます。
「9.11」を経験し、イラク戦争を経験したアメリカ人のリアリティがうかがえます。
『スナイパー』や『シールズ』という凄惨な戦争映画が昨今、当たり前になっていて、常在戦場の気分を観る者に与えます。
この撮影はどうやって撮ったんだろう。
ホワイトハウスが真っ赤な血で染まるんです。
象徴的です。

どうどうたる北朝鮮テロリストのホワイトハウス占拠。
観光客にまぎれたテロリスト、国籍不明のAC-130からのバルカン砲による無差別掃射、阿鼻叫喚です。
米軍がホワイトハウスを包囲するよりも早く、テロリストは素晴らしい組織力で、たった13分で占拠し、大統領を人質にしてしまう。
そうして、有利に交渉を始めるのです。
この日は韓国の首相との会見がホワイトハウスで行われていて、韓国首相も虜にされてしまう。
ちょうど朝鮮半島は軍事的に緊張が高まっていて、同盟国の米太平洋艦隊が日本海に展開していた。
朝鮮の首魁はKUFという組織の男で、北朝鮮政府との関係は明らかにしないけれど、やつらの差し金に違いない。
ホワイトハウスでの銃撃戦は酸鼻を極め、韓国首相は見せしめに、大統領側近も順に殺される。
そんな中で、唯一、元シークレットサービスで大統領の知己であるマイク・バニングがホワイトハウスに潜入できた。
かれは大統領とボクシングで心を通わせていた。
このアッシャー大統領はマッチョ系で、タフなんです。
昨年のクリスマスに、パーティに家族で参加するため、キャンプ・デーヴィッドから雪の中を夫人と一人息子、シークレットサービスのバニングらとリムジンで出かけます。
大統領車が雪の激しくなってきた橋梁の上で走行中に何者かに襲われ、窓ガラスが割られます。
車はスピンし、後続車も次々に玉突きを起こし、大統領夫妻の乗った先頭車は橋梁から落ちかかります。
下は谷底です。
リムジンは半分以上欄干から出ており、後部座席の大統領と夫人が取り残される。
夫人は頭を負傷し気絶して、落ちかかる車から出せない。
バニングが大統領だけでも助けようとシートベルトを切断して、危機一髪で大統領を助けるけれど、夫人を乗せたリムジンはそのまま谷底に落ちてしまった。
一人息子のコナーは幸い、後続のバニングの車に乗っていたので助かったが、目の前で母親が谷底に落ちるのを見て泣き叫ぶ。
コナーはふだんからバニングになついており、バニングに促されて車に戻る…
この事件の七か月後に、米韓首脳会議がホワイトハウスで行われ、大惨事になるのです。
大統領の命を狙った伏線がここではっきりしてきます。
韓国首相の側近にも朝鮮人テロリストの一味が潜入していて、内からも外からもホワイトハウスが攻撃にさらされてしまいます。
アメリカ人には見分けがつかないのね。
テロリストは大統領と韓国首相、国務長官など数人を人質にとって地下シェルターを占拠します。
だから米政府(大統領代行に下院議長がなることになっている)は「要求は何だ?」と訊き、手も足も出ない。
どうやらテロリストの要求は第七艦隊の撤退と、各地の紛争地の米軍をも撤退させよということらしい。
そしてアメリカの保有する核兵器の作動キーワードを教えろと言う。
三人が分担して持っているキーワードを揃えることでシステムに入力すると米国中の核ミサイルが作動し、待機したままサイロ内で爆発することをテロリストは期待しているのでした。
また大統領の最愛の息子をも人質に取ろうと探していますが…
この広いホワイトハウスの中でコナー少年ははたしてどこに隠れているのだろう?
バニングの使命は、コナーを救出し、大統領ら人質も助け出すことでした。

まあ、とにかく観てください。
ああして北朝鮮が潜入して、日本を乗っ取ることも可能だろうし、実際にどうどうと拉致をやっていたわけですからね。
日本は、アメリカを乗っ取るよりも簡単だろうな。
人種の差がない、日本ではきつい冗談ですわ。この映画。
首魁カン・ユンサクは、ちょっと若い時の吉川晃司似の冷徹な男で、簡単に人質を撃ち殺す。
最新兵器も、彼らにとっては何の意味もない。
無力感にさいなまれます。
ショートレンジでの撃ち合いで生き残るのには、度胸と体力と運ですね。

なんか続編もあるらしく、観てみたいですね。