ある小学校でこんな問題が出されて、子供も親御さんも混乱しているらしい。
「各辺がそれぞれ6cm、2cm、2cmの二等辺三角形を作図しなさい」

少し考えると、こんな三角形は存在しないことに気づく。
底辺を6cmとして、その線分の両端に2cmに開いたコンパスの針を刺して円を描いても三角形の頂点となるべき円周の交点がない(交わらない)。
底辺の6cmの半分の3cmでも無理だろう(コンパスが交わる点は底辺の中点にほかならない)。

CADや描画ソフトを使われる人なら、三点を与えれば円が一つ描けるということを知っていると思う。
円に内接する三角形の問題であり、コンパスと定規で三角形が描けるのもこの定義があるからだ。

さて、このような問題が出されたら「匙を投げる」のか?
もしかしたら先生が間違って出題したのかもしれない。
いずれにせよ、答えなければならない。

こういう場合は、なおぼんが教えてあげる。

「この問いの答えは不能である」
こう書いて、なぜ不能なのかを「これこれしかじかであるから」と理由を述べればなおよい。

数学の問題には「不能」な回答もあるのだ。

※非ユークリッド空間なら「不能」じゃないかもね。球面幾何だと作図可能になるばあいがあるのよ。
まあ小学生にそんな問いかけをする人もいないでしょうけど。