今日の毎日新聞朝刊の「余録」に、過去のスペイン風邪が流行した際の著名人の落命について書かれていた。
1918年から約2年間、世界中に吹き荒れたインフルエンザの「パンデミック流行」である。
この年、日本ではいわゆる「米騒動」が富山県に端を発して日本各地に起こったことでも重要な年である。
この「米騒動」で、第四回全国中学校優勝野球大会(のちの全国高校野球選手権大会)が中止になったのだった。
米価の急騰で社会は混乱し、寺内正毅(まさたけ)内閣が’総辞職し、西園寺公望が指名した「平民宰相」の原敬内閣が成立したのである。
スペイン風邪はまず第一次世界大戦が終了したヨーロッパ大陸で発生した。
名前の由来になっているスペインが発生源と言うことではないらしい。
第一次世界大戦では中立の立場だったスペインで、報道の自由性から一番にその病魔の現状を知らされたから「スペイン風邪」という不名誉な名前で呼ばれるようになっただけだ。
フランスでは「アポリネール風邪」とも呼ばれた。
『若きドン・ジュアンの冒険』というポルノ小説を書き、シュールレアリスムやキュビズムなる芸術活動を讃えた評論家でもあった、ギョーム・アポリネールが38歳の若さで「スペイン風邪」で斃死したからそう呼ばれたようだ。
当時、パリではスペイン風邪で画家のエゴン・シーレ、そしてウィーンで脳梗塞で病床にあった同じく画家のグスタフ・クリムトの命も奪ったとされる。
『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた、エドモン・ロスタンもスペイン風邪で亡くなっていたのか…私はこの作品が好きで、吉田鋼太郎主演のお芝居も観たのだ。
日本でも、劇作家の島村抱月がスペイン風邪で急死している。
島村は女優松井須磨子と恋仲になって、一大スキャンダルとして世間を騒がせた。
その島村がスペイン風邪で死んだことを苦にして、須磨子は後追い自殺をしてしまったのである。
少女漫画『はいからさんが通る』でもこの事件は軽く触れられていた。
このように、各界の著名人の命を、たやすく奪ったインフルエンザウィルスは、1918年の1月からその翌年の12月まで猛威を振るったと伝えられる。
丸二年である。
今回の新型コロナウイルスも、同じような猛威を振るいかねない。
いくら医学が発達したからといって、こんにちの私たちが、彼らより優れているとは、とうてい思えないのである。
せめて、手洗いの効果、「3密を避ける」程度を知っているだけだ(それでも大事なことだが)。
1918年から約2年間、世界中に吹き荒れたインフルエンザの「パンデミック流行」である。
この年、日本ではいわゆる「米騒動」が富山県に端を発して日本各地に起こったことでも重要な年である。
この「米騒動」で、第四回全国中学校優勝野球大会(のちの全国高校野球選手権大会)が中止になったのだった。
米価の急騰で社会は混乱し、寺内正毅(まさたけ)内閣が’総辞職し、西園寺公望が指名した「平民宰相」の原敬内閣が成立したのである。
スペイン風邪はまず第一次世界大戦が終了したヨーロッパ大陸で発生した。
名前の由来になっているスペインが発生源と言うことではないらしい。
第一次世界大戦では中立の立場だったスペインで、報道の自由性から一番にその病魔の現状を知らされたから「スペイン風邪」という不名誉な名前で呼ばれるようになっただけだ。
フランスでは「アポリネール風邪」とも呼ばれた。
『若きドン・ジュアンの冒険』というポルノ小説を書き、シュールレアリスムやキュビズムなる芸術活動を讃えた評論家でもあった、ギョーム・アポリネールが38歳の若さで「スペイン風邪」で斃死したからそう呼ばれたようだ。
当時、パリではスペイン風邪で画家のエゴン・シーレ、そしてウィーンで脳梗塞で病床にあった同じく画家のグスタフ・クリムトの命も奪ったとされる。
『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた、エドモン・ロスタンもスペイン風邪で亡くなっていたのか…私はこの作品が好きで、吉田鋼太郎主演のお芝居も観たのだ。
日本でも、劇作家の島村抱月がスペイン風邪で急死している。
島村は女優松井須磨子と恋仲になって、一大スキャンダルとして世間を騒がせた。
その島村がスペイン風邪で死んだことを苦にして、須磨子は後追い自殺をしてしまったのである。
少女漫画『はいからさんが通る』でもこの事件は軽く触れられていた。
このように、各界の著名人の命を、たやすく奪ったインフルエンザウィルスは、1918年の1月からその翌年の12月まで猛威を振るったと伝えられる。
丸二年である。
今回の新型コロナウイルスも、同じような猛威を振るいかねない。
いくら医学が発達したからといって、こんにちの私たちが、彼らより優れているとは、とうてい思えないのである。
せめて、手洗いの効果、「3密を避ける」程度を知っているだけだ(それでも大事なことだが)。