阿騎子叔母が片足を上げて、寝返りをうつようにしてきたので、ぼくはその足をくぐって、彼女の両足を右にそろえる。
この状態で、叔母は横に「く」の字に倒れた形になる。
「どうすんねん?おばちゃん」「あきこやろ?このままバックになろ」
ということだった。
ぼくにはどうしようもないので、いったん叔母から離れて、尻を突き出させ後ろから改めて貫くことにした。
「あいぃ…すっごい来る」
「どうや?このほうがええの?あきこ」
「もう、たまらん。もっと突いてぇ」
あられもない声を上げて、背中には玉の汗を浮かべて、叔母がねだる。
叔母がこんなに変質してしまうとは…
思えば、この人はまじめな父の妹なのである。
それに、父と叔母の両親たる祖父母も厳格で、「くそ」がつくくらいまじめな人だった。
なのに、阿騎子叔母の乱れ様はどうだ?

下卑た言葉を吐き、血のつながった甥のぼくを誘惑し、夫のある身でありながら、自ら体を開いて快楽をむさぼっているのである。
赤く充血した陰裂を露(あらわ)にして、泡を噛んだ男根を出し入れしているその様は、昨日まで童貞だったぼくをドンファンに仕立て上げるのだった。
「もっと、もっとえ!」
「あきこ、ぼく、もう…」
「いくの?いくのっ?ほなら、いっぱい頂戴っ!」
ぼくは叔母の背中にかぶさって、重く垂れている乳房を鷲掴んで腰を打ち込んだ、
硬いおのれの男根が、狭い五十路の女の器を割り割いている感触を脳裏に描きながら、ぼくは絶頂にひたすら昇りつめようとしていた。
叔母の汗の香、髪の匂いに鼻をうずめて、「んはぁ、うんはぁ、はぁ」とふいごのような荒い息を鼻から吹きながら叔母にしがみついていた。
頭が真っ白になって、ぼくは果てた。
ぐっ…
喉が痙攣したように、鳴って、叔母の最も深いところにありったけの精液をぶち込んだのである。
長い射精だった。
「ああ、ふゆき…すごいわぁ」
叔母が言っている言葉も遠くに聞こえた。
ぼくは、しびれる股間を叔母から引き抜き、叔母がびくびくと打ち震えるのを見た。
堰を切ったように、叔母の膣から白濁液があふれ出たのである。
叔母の白い尻がまだ小さく震えている。
それはやがて、彼女の全身に広がって、肩が泣いているように震えていた。
その間もとめどなく、精液が叔母の胎内から漏れしたたり、ぼくの布団を汚していた。
ぼくは、よろよろと頭痛のする頭を抱えながらティッシュペーパーの箱を取り、自分の始末をし、うつぶせになっている叔母の陰部も拭いた。
拭いても、拭いても叔母の穴からは液体が漏れてきた。
これはぼくだけのものではなく、少なくとも叔母の分泌物も含まれているはずだった。
おもむろに、叔母が起き上がる。
「ふゆき、ありがと」
「こっちこそ」
「あんた、やっぱり、女泣かせやわ」
「何言うてんねん。阿騎子こそ、すごい人の変わりようやったで」
「いややわぁ。はずかし」
そう言うと、阿騎子叔母は赤くなって下を向いた。
両ほほに手を当てて。
乱れ髪が妖艶で、こんな女が身近にいたとはと、ぼくは妙にときめいていた。
その姿は、祖父のコレクションにあった鏑木清方(かぶらぎきよかた)の美人絵を彷彿とさせた。

そして、ぼくは泉さんに嫉妬していた。
というより、泉さんに勝ったという満足感が、ぼくに自信をつけていた。
叔母はあきらかに、ぼくによって絶頂を味わっていたからだ。
「あきこ、もう離さへん」そう言ってぼくは肩を抱いた。
「あかんよ。あたしは、あんたの叔母であり、泉さんの妻なんやから」
そういって、ぼくの手をほどいた。
「なんや、勝手やな」
ぼくは、不満げにつぶやいた。
「そうせんと、あたしらもこの家も無茶苦茶になるよ」
「ほなら、もうしてくれへんの?」
「したげる。したげるよってに、本気にならんといてって言うてんの」
「わかった」
「兄さんにも、泉さんにもばれたら終わりやからね」
「わかってるって」
「お腹すいたな、お昼も食べんとあたしら、何をしてんねんやろ、どっか食べに出よ」
「うん」
「ひさしぶりに、三輪神社のほうに行ってそうめんでも食べよか」
「ええね」
ぼくらは着替えて、梅雨空の下を、叔母の車で国道に出た。

(おしまい)