セックスに地方色があるのか?という問いはあまり聞かない。
あたしは、やはり、あるに違いないと思うのよ。

福井県の彼がいたことがあった。
彼とは結婚までの短いお付き合いだったが(現旦那と二股状態だったのよ)、京都の人とは違うなと思うことがあった。
福井と言っても、若狭湾の方、嶺南地区と言えばいいのかしら、敦賀の人だったのね。
けっこう、大きな旧家でね、そこのぼんぼんってわけ。
車もランクルなんかに乗ってたりして、あちこち連れてもらった。
スキーなんかも上手でね、北陸の人だから当たり前なのかもしれないけれど、誘うのも積極的なのよ。
「魚は食い飽きてるから、肉を食いに行こう」と、いつも焼き肉で食事だった。
で、最初はホテルなんかに行くのかなと思いきや、いきなりカーセックスですよ。

ひょこひょこついていくあたしもあたしだけれどね。
越前大野だったか、そこからスキージャム勝山っていうとこにスキー行った帰りです。
ラブホなんて努力して探しゃ、あるわけよ。
でも、山道にそれてね、「あ、迷っちゃたかな」なんてことをぬかすわけ。
あたしも、おぼこいから「あら、大変。もう日も暮れるわ」なんて言ってる。

迷っているのにまったく悲壮感がなく、彼はどこか車を停めるところを探してるっていう雰囲気。
あたしのほうが不安になっちゃった。
しばらく雪の残る山道をぐいぐい走って、ランクルだからぜんぜん大丈夫なんだけど、杉林の切れたところでおあつらえ向きの車二台ほどが止められる広場に出たの。

「あのさぁ。ちょっと一休みしよっか」
ときたもんだ。
あたしは、もう日が暮れそうだし、心細くなって、
「はやく帰ろうよ」と小さな声で言う。
「この道を戻れば国道さ。いいやろ」
前に彼の自宅で奪われているので、あたしには断る理由がなかった。
「あのさ、はじめっから、そのつもり?」
「ま、ね」
そういうが早いか、あたしの唇を奪ってきた。
あむ…
しばらく、こね回されているうちに、ここじゃ狭いということで、後ろの座席に移ることにした。
車から降りると、もうあたりは薄暮である。
彼は、もう下を脱いでしまっている。
「早っ!」
「なおぼんも、脱げよ」
「さぶい」
「暖房つけとくから」

「汚いよ。お風呂入ってないし」
「舐めへんから」
だろうね…
あたしも、窮屈なスキーウェアを脱いで、下半身をあらわにした。
ちょっと臭うわ…やっぱり。
彼は抱き着いてきてまた濃厚な接吻を交わして来た。
手は遊んでおらず、臭い陰部をねちねちこすっている。
あひ…
「濡れてるで」
「あたりまえでしょ。こんなことされて…」
「おれのも握ってよ」
あたしは手を伸ばして、硬いスティックを握ってやった。
あたしの手が冷たいのか、とても熱い棒だった。
ああ…
声を漏らす彼。
先走りの液だとか、彼が言っていたものが尿道から絶えず染み出して、ぬるぬるしてくる。
「あのさ、あれしてくんない?」
コンドームをしてほしかった。やばいのだ。今日は。
「ごめん、持ってないんや」
「じゃ、あたし持ってるから、して」
そういうところは抜かりがないのである。
こないだ、二股の相手と行ったラブホからせしめてきていた。

ポッケから出して、「如意袋」をかぶせてやった。
「はい。おっけー。じゃ、ごめんあそばせ」
そう言って、あたしは彼の上に乗っかって、あたしの中にそれを収めた。
「うはっ。あったけぇ」
「ちょっと、きっつい」
しばらく動かずに、互いに密着して感触を楽しんだ。
すると、下から突き上げてくる。
お腹が破けそうになる。
「痛いって。ちょっと」
「あかんか?」
「あんたのが、バカでかいからでしょ」
「そうかな」
「やさしくしてよ。壊れちゃうよ」
てなことを言いながら、あたしも腰を振っている。
ぬちぬちぬち…
旦那になる男性よりも、立派な持ち物は、あたしには合わないようだった。
だから、結局、別れたんだけどね。
ま、それだけが理由でもないけれども。

コンドームしているせいか、彼は長持ちしている。
早く逝って、早く帰りたいのに。
「ねぇ、ちょっと、まだ逝かない?」
「もうちょっと」
「腰が痛い」
スキーでしたたかお尻を打って、あちこち痛いのだ。

このように福井の人は強引で、したくなったら道端でもやりたがったのだ。

その点、京都の男は、必ずラブホだった。
カーセックスはやらない。
「口でやって」というのはあった。
量販店の立体駐車場で。
フィルム貼ってあるから外からは見えないというので、やってあげた。
後始末が大変だったけど。

大阪の男性はよくしゃべる。
行為中だってしゃべくっている。
時事問題から、食い物のこと、電車のアナウンスの物まね、上司がいけすかない奴だとか…
同じしゃべる人でも神戸の人は、おしゃれな感じだった。
「六甲山の夜景がね…」
「オルゴールの館があるんだよ。いちどつれていってあげよう」
「なおこは、スレてないように見えるね」
スレまくってんのに…「五劫の擦り切れ」よ。もう。

滋賀の人は農家だった。
終始無言だった。
逝くときに「あっ」とか「うっ」とか声を発したかもしれない。
会話なんて、挨拶だけで終わった人だった。
でもクンニが丁寧で、もう一度会ってくれたらしてもいいと思う。
内藤剛志のような人だった。

北国の人や、沖縄の人としたことがないので、どうなんだろ?
歌いだしたり、踊り出したりするのかしら?
地酒みたいなもので、その地、その地の男を味わってみたいものだわ。