四月三十日に先生が退院された。

しかし、めっきり老けこんで、別人のようだ。

おれが話しかけても、目が虚ろで、動作も緩慢に見える。

「先生、おかげんは?」

「ああ」

「痛みますか?」

「いや」

こんな具合だ。

世の中は連休だけれど、この家には関係のないことのようだった。

奥様は外出がちで、おれと悪戯することもなくなった。

よほど「彼氏」がいいのだろう。

だからというわけでもないが、お手伝いの恭子とおれはつながりあうことが多くなった。

どちらかと言えば、おれのほうから誘っている。

恭子はうるさそうに、

「また?サカリでもついてんの?」

と、取り付く島もない様子だけれど、しぶしぶ体を開いてくれる。

しかしそれもつかの間、すぐに自ら腰を振り、自分のお気に入りの体位で攻めろと攻守逆転となってしまうのだった。

「ああん、いいわ、あんたの」

後背位で突き上げ、恭子は頭を振ってよがる。

「恭子ちゃんのもよく締まるわ」

「締めてんの」

そういって、肩越しににんまりとする。

その妖艶さが、おれを狂わせる。

「今日はコンドームしてないけど」

「いいのよ、中にちょうだい」

「いいのかよ」

「あたし、もう妊娠しない気がする」

「あがっちまったってか?」

「ここんとこ、数ヶ月、ないの」

「へぇ、じゃ、えんりょなく」

ずぽずぽと激しく出し入れしてやると、また恭子のお尻がせりあがってくる。

貪欲に男根をのみくだす口のようだった。

怪物のような尻に挑んでいるうちに、しびれるような快感が腰に走り、

「きょうこぉ…」

奥深い、突き当りにぶち当てるように射精した。

長い射精感があり、おれは彼女にかぶさるように倒れた。

ひくひくと、恭子の肉筒がおれを絞る。

おれは、恭子をはらませてやりたかった。

この女に、おれの種を植え付ける快感。

どんな子が生まれるんだろう?

生まれたら、なんと名付けようか…

有りもしない妄想が、頭を占有した。

(とりあえずおしまい)