マカという南米はペルーなどで珍重されている植物がある。
アブラナ科の植物で、主に利用されるのはその根茎である。
もちろん全草を飼料として馬などに与えると、高地で弱っていた馬の繁殖にスペイン軍が成功したということが伝わっている。
これはラットを使った実験でも受胎頻度が高まり、流産も少なくなったとされている。
たとえば、受胎可能な卵子を形成させる卵胞刺激ホルモンがマカを与えた群で19倍に上昇した(内山文昭、中村学園大学大学院)。
マカは貧栄養の高山帯で育つので、そのために土壌の栄養分を吸い上げ、蓄える力に優れているとされ、その根茎に多くのビタミンやミネラル、グルコシノレートが含まれることがわかっている。
そのためマカが育った土壌には、次の作物が植えられないほど荒れてしまうそうだ。
これは高麗人参にも伝わる話である。

グルコシノレートには薬学的に興味深い知見がある。
糖鎖を持つイソチオシアネート化合物で、メチオニンなどのアミノ酸から合成される。
イソチオシアネート基は辛み成分として、カラシ油として知られるが、カラシ油はグルコシノレートの分解物だと考えられる。
アブラナ科の植物がこういったグルコシノレート類を産生するのは、防御のための防虫剤としてではないかと思われる。
「蓼(たで)食う虫も好き好き」ということわざがあるから、完ぺきではないにせよ、一定の効果があるのだろう。
ダイコンやカブ、ナタネ、ブロッコリーなどにグルコシノレートは含まれ、我々はその辛味を賞味することもある。
余談だが、ブロッコリーのグルコシノレートである「スルフォラファン」はそのスプラウト(幼苗)に多く含まれ、この成分が肝ガンへの抗がん作用がみられたという報告も注目されている。

以下に示すマカの薬効は、グルコシノレートに起因するのではないかと示唆されてもいる。

マカを女性に与えると、更年期障害が緩和されるという報告もある。
この報告では、女性ホルモンが増えたとかということは見られず、ただ更年期障害の不具合を訴えることが減少したと言い、その原因には不明な点も多々あるようである。

これは男性の場合だが、マカを与えると精子の数が増え、その運動性も向上したという報告もある。
男性不妊症に朗報ではなかろうか?
ただ精液の量が増えるとか、男性ホルモンが増加するという現象はみられなかったというので、その原因には不明なところがある。

もっと不可解なのが、成人男性にマカを与えると、男性更年期障害が緩和され、性欲が増したという報告がある。
ただ、これも男性ホルモンが増加したわけでは無いと言う断りがあるので、いったい、体内で何が起きているのかさっぱりわからない。

しかしながら、マカには信じられないような効果があるようなので、試してみる価値はあるだろう。
ペルー政府は故フジモリ大統領の時代に、マカの種子や苗を国外不出とし、その栽培を独占した経緯があり、今も、乾燥物や粉末になったものを日本やアメリカに大量に輸出して外貨を稼いでいるそうだ。

日本に、マカを含んだサプリが氾濫しているのも、そのせいであるし、マカにまつわる誇大広告(EDが治るとか、ペニスが増大するとか)が後を絶たない。

まぁ、試してみなはれ。