塾が朝日新聞を取っているので、昨日7日の朝刊一面に「問う2019参院選」というコラムがあったので興味深く読ませてもらった。
松田京平政治部次長の文章だ。
朝日新聞は、政権から遠い立場でものを言うジャーナリズムの鏡だとは昔から言われもしてきたが、従軍慰安婦の記事で「捏造」が明るみに出てしまい、政権与党や保守政党、保守系ジャーナリズムから強いバッシングを受けてしまい、森友学園問題でスクープを取るも、安倍政権からとことん嫌われてしまった。
朝日新聞、テレビ朝日はそれで矛先を収めることはしないと私などは陰ながら応援もしてきた。
橘玲の『朝日嫌い』が世論の変質を問い、朝日新聞自体が内向きになってしまったように思えてならない。
そんなイメージダウンの顕著な朝日新聞だが、このコラムは違った。
少し引こう。
「安倍晋三首相は2月の自民党大会以降、民主党政権を「悪夢」と言って会場の笑いを誘うあいさつを十八番(おはこ)にしてきた。5月には、自民党の二階、麻生、細田の主流各派のパーティーに顔を出し、「悪夢」発言を繰り返した。笑いや拍手は確かに起きた。それは、さげすみの笑いだった。「政権の混乱と停滞に終止符を打つ」。2012年末、民主党に代わって政権に復帰したころ繰り返した首相のことばだ。あれから6年半。(中略)「再びあの混迷の時代へ逆戻りするのか」を(首相は)参院選の「最大の争点」とした」

昔の民主党政権の失策と現政権を比べて野党をバカにする首相の手法はまったく変わらない。
身内で固まってガキの喧嘩のように嘲笑う、安倍晋三。
自身が優位にある事で、相手を見下し、排除する意識がにじむと、松田氏は自身の所属する朝日新聞の状態を重ねているかのように苦言を述べた。

そう、朝日新聞も下野しているのである。
サンケイ、読売、夕刊フジ、文藝春秋などの保守系ジャーナリズムが与党と重なり、朝日や毎日は野党と重なって見えるのは、私だけではないだろう。
NHKでさえも、朝日新聞を冷たくあしらっている。もちろん御用放送局のNHKであるから、その辺は仕方がないのだろう。
朝日などはかつて総務大臣から、政権批判が過ぎると放送局免許の取り上げの脅しさえ受けた。

「嘲笑する政治」が6年半、松田氏に言わせれば「まかり通ってきた」のである。
政権に官僚はおもねり、国会は数の論理で好き勝手に運営され、立憲主義はないがしろにされた。
その最たるものが安倍首相の念願の改憲だろう。
その理念は、必要に迫られたものではなく、彼のコンプレックス、つまり自主憲法でない日本国憲法というたったそれだけの理由で、自身が政権の座にあるときに彼の名でやり遂げたい、なかば駄々っ子のような動機で、その場しのぎの九条改悪をもくろんでいるのである、
「戦後レジームからの脱却」という安倍晋三にしかわからないコンプレックスで発動しているのが改憲論である。
本当に「戦後レジームからの脱却」を標榜するのなら、彼の対米追従は矛盾しているのではないだろうか?
トランプにしっぽを振る犬のような安倍首相の「お追従(ついしょう)」外交は目に余るどころか、恥ずかしい。
保守派もそんな安倍首相をどう思っているのだろうか?
心ある、本当の憂国の志士たる右翼活動家からは、安倍首相のそのような態度を良く思っていない。
言葉は悪いが「売国奴」にさえ思える。
アメリカに日本を売ってしまった安倍首相の体たらくである。
相手が中国でなくてなによりだと、能天気なことを言っている国民こそ「非国民」だと私は思う。
思想の左右ではない、日本の政治の舵取りを安倍晋三に任せると、世界の中で孤立するだけでなく、笑いものになるということが、今の国民には分からないらしい。
「新聞を読まない人は自民党」と、堂々と麻生副総理に言われて「もっともです」と頭を掻いている日本人が多数だとすると、もはや日本に未来はない。
「デモは恥ずかしい」だの、「政治のことはわからん」だの、「日本人はすごい」だの、何も考えようとしない日本人は、すでに日本人ではない。
今回参院選の前に韓国の徴用工問題で日本政府が輸出規制をやったことで、対米追従政策とバランスをとったとでも首相は思っているのだろうか?
嫌韓主義者からは「安倍さんよくやった」とお褒めの言葉をいただいて、選挙に有利になったとほくそ笑んでいることだろう。
嫌韓主義者などのネット民は選挙など行はしない。極めて自己中心的な、名を隠して何もしないで文句を言う連中だからだ。

松田氏はこうも書いている。
「笑われる野党にも責任がある。ただせさえ小口化したのに、いまだに主導権争いと離合集散を繰り返している。民主党政権の中枢にいた一部政治家に至っては、無節操に自民党の門をたたいている」と。
そしてさらに、
「本気で戦う気のない政党や政治家は、受け皿になりようがない。世論調査で内閣を支持する理由の最多が「他よりよさそう」で固定化する理由がここにある」と野党へも注文を付ける。

官邸が成立させたい法案を通す場として国会があるようだ。
国会は官邸の「下請け」になり下がった。
官僚が、首相の答弁に合わせて公文書を改ざんした疑いは晴れない。
「忖度(そんたく)」が悪い意味で使われたのはこの政権のおかげだろう。

世論の変質も松田氏は危惧している。
安倍首相に異議を唱える人々を攻撃する風潮のことだ。
「ネトウヨ」などと呼ばれ、たいして思想もない連中が、匿名をいいことにSNSで、反政府的な行動や言動を口汚く罵って拡散させる現象だ。
本来の右翼活動家や保守系論壇はネトウヨと一線を画しているようだが、安倍首相が主宰する「日本会議」が裏でネトウヨを扇動しているのではないか?
普天間基地の移設に反対する沖縄県民や、イージスアショアのずさんな調査に対して受け入れ拒否した秋田県知事を非国民と誹謗するネトウヨ達は、自分の生活苦からくる不満を反安倍論者にぶつけているようにしか私には見えない。

松田氏は「このまま嘲笑の政治が続くなら、民主主義は機能しない」と締めくくる。