漫画家「黒鉄ヒロシ」を知らない人はいまい。
テレビにもよく露出していたからだ。
故大橋巨泉氏がMCをやっていた某クイズ番組で、故はらたいらの前任者だった漫画家が黒鉄氏だったはずだ。
黒鉄氏も、はら氏も高知県のひとで、親しかったのかもしれない。
どういう経緯で黒鉄氏が降板したのか、私は知らないが。

私が好きな黒鉄ヒロシの漫画は「赤兵衛(あかべえ)」だ。
赤兵衛

この時代劇漫画は、妙に笑える。ギャグマンガなのだが、爆笑を誘うものではなく、クスリと笑わせるのだ。
黒鉄氏の日本史(特に幕末)への造詣の深さや、現代社会の問題に絡ませたり、風刺の利いた、絵面もインパクトのある佳作だと思う。

はらたいらの四コマ漫画もよく読んだ思い出がある。亡くなられたときは、残念でならなかった。
福地泡介(故人)もそうだが四コマ漫画家は頭がよくて、雀士やギャンブラーが多いような気がする。
そう言えば、蛭子能収もギャンブラーだ。
私は四コマ漫画こそが漫画の真髄だと言ってはばからないが、長編漫画やアニメが無くなっても困らないけれど、四コマ漫画には不滅であってほしい。
つまり四コマ漫画を描く人が無くならないでほしいし、それを読む人も無くならないでほしいのだ。
そこには俳味も感じられ、その短さの中に無限の広がりを感じるのだから。

東海林さだお、植田まさし、谷岡ヤスジ(故人)も忘れちゃいけない。
鈴木義司(故人)と富永一郎の「お笑い漫画道場」の掛け合いは、もう一度見てみたい。
おおば比呂司(故人)が描いた、ほていの「やきとり」の缶デザインは今も健在だ。

小島功(こじまこお:故人)の「かっぱ黄桜」シリーズは有名だが彼は二代目なのだそうだ。初代は清水崑(故人)という漫画家だった。
小島氏の「ヒゲとボイン」と「仙人部落」は、なまめかしい女性の曲線が水墨画風で印象深い。

劇場版「鬼滅の刃」が空前のヒットらしいが、観たいとは思わない。
あの絵が好きになれないのである。
長編の漫画やアニメは疲れる。もはや私の根気がついていけないでいる。