バーブ佐竹の『女心の唄』を、ハイボールを飲みながら聴いていた。

(前略)
うわべばかりと つい知らず
ほれてすがった 薄情け
酒が言わせた言葉だと
なんでいまさら 逃げるのよ


女ですもの 人並みに
夢を見たのが なぜ悪い
今夜しみじみ 知らされた
男心のうらおもて


(中略)
散って砕けた 夢の数
つなぎあわせて 生きてゆく
いつか来る春 しあわせを
のぞみ捨てずに ひとり待つ

(作詞 山北由希夫 作曲 吉田矢健治)

この女(ひと)、切ないね。
口先だけの男の軽口(かるくち)、それを真に受けて、将来の幸せを想う「女心」。
何度も騙され、それでも望みは捨てないという強さも持っている。
「水商売」の女なのだろうか?
聴く人もそう思って聴いている。
普通の女性は、こんな「うまい話」には「何度」も乗らない。
「酒の上の戯言(ざれごと)」に一喜一憂するほど「バカ」じゃない。
ただ「夢見る」ことはあるかもしれない。
「バカだな バカだな だまされちゃって」の『新宿の女』(藤圭子)じゃないけれど。

似たような雰囲気の歌で有名なのが、中条きよしの『うそ』だろう。
私は、藤圭子がカヴァーしたのが好き。「女歌」だから。

折れたたばこの吸い殻で あなたのうそがわかるのよ
誰かいい人できたのね できたのね
ああ 半年あまりの恋なのに
ああ エプロン姿がよく似合う
爪も染めずにいてくれと
女があとから 泣けるよな
哀しいうそのつけるひと

あなたが残した 悪いくせ
夜中に電話 かけるくせ
鍵をかけずに眠るくせ 眠るくせ
ああ 一緒になる気もないくせに
ああ 花嫁衣装はどうするの
ぼくは着物が好きだよと
あついくちづけくれながら
冷たいうそのつけるひと

ああ あんまり飲んではいけないよ
ああ 帰りの車も気を付けて
ひとりのからだじゃないなんて
女がほろりとくるような
優しいうその うまいひと

(作詞 山口洋子 作詞 平尾昌晃)

さすが山口さんの作詞、こちらのほうが、ずっと「悪い男」の「うそ」が表現されている。
悪いよねぇ。
中条さんが歌うと、彼、甘いマスクだから、ますます「悪い」感じが出てきてしまう。
悪いわぁ。あんまりやわぁ。

私は、ひとり「やけ酒」になってしまった。なんかあったのだろうか?

気分を変えて、私のカラオケ「十八番」、いろんなひとがカヴァーしてんだけど、『カスバの女』を藤圭子の歌で。

涙じゃないのよ 浮気な雨に
ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ

ここは地の果てアルジェリヤ
どうせカスバの夜に咲く
酒場の女の 薄情け

歌ってあげましょ わたしでよけりゃ
セェヌのたそがれ まぶたの都
花はマロニエ シャンゼリゼ
赤い風車の踊り子の
いまさら 帰らぬ 身の上を

あなたもわたしも 買われた命
恋してみたとて 一夜
(ひとよ)の火花(ひばな)
明日はチュニスかモロッコか
泣いて手を振る 後ろ影
外人部隊の 白い服
(作詞 大高ひさを 作曲 久我山明)
なんだろねぇ。
エキゾチックっていうのかな。
それも安っぽい。そこがいいんだよね。演歌だから。
「カスバ」ってたって、いったいどこなのよって、おおかたの人はそう思うだろう?
北アフリカのどっかだそうだけど、まあ場末だね。
そこで男女が、フランス人なんだろうか、望郷のパリの心境だね。
「赤い風車」は「ムーラン・ルージュ」だよ。ロートレックも入り浸っていた、パリのキャバレーさ。
そこにはステージがあって、踊り子が美を競っていたんだね。
もうそこへは帰れない「身の上」の男女だった。
男はフランス軍の傭兵らしい。つまり「外人部隊」に所属する兵隊のようだ。
「買われた命」とはそういうことで、水商売の女も同じ境遇だと、嘆きもせず、受け止めている。

大人の世界だね。まったく。

ああ、眠くなっちまった。
バランタイン「ファイネスト」のオンザロックで終わりにしよう。

そうそう、銅製のカップでロックを作ってるんだけど、早く温くなるね。
グラスで作る方が氷が長持ちするようだ。

これはね、銅が金属だから自由電子が活発に動いて、熱伝導性が優れているので、早く外気となじんでしまう。つまり放熱しやすいんだね。
熱は高いところから低いところに流れて、平均化する(熱平衡)から、その速さはカップの内系と外系を隔てている物質の熱伝導率に左右される。
それぞれの系の中は、気体と液体なので、対流によって熱が均一化されていく。
ガラスのような絶縁体の場合、自由電子がないから、熱伝導はゆるやかであるわけ。

今度こそ、おやすみなさい。