映画『スターウォーズ』で「forceの力」という意味不明の言葉があった。
だって「force」が「力」なのだから「力の力」になるだろう?
「何言ってんだ?」となるわけだ。
あれはやはり「特別な力」というニュアンスで「Force」と大文字で書き始めるべき語なのではあるまいか?

それはそれとして英語には「power」という「力」もある。
「force」と「power」には実は歴然と違いがあるのだった。
物理学に明るい理系の人ならもうおわかりだろう。
「force」は、やはり「力」であり、ニュートンの式でも
F=αm [Newton]
で表されただろう?
この「F」こそが「力」である。αは加速度、mは物体の質量だ。
Fとαはベクトルであることも高校生なら知っているだろう。


じゃあ「power」とは何だろう?
これも力学では、「単位時間当たりの仕事をする能力」と定義されている。
単位は「W(ワット)」だった。
オームの法則からは電流×電圧が電力(W)と導かれる。

ここでの「能力」は「力を発揮する潜在的な力」とでも言おうか。
単位から言えば「時間当たりの仕事」となる。
仕事(work)は、力学では「熱量」とか「エネルギー」と等価であることがわかっており、単位も「J(ジュール)」が使われる。
しかし「J」の内容は「力×距離」である。
つまり総合すると「power」は「力×距離÷時間」だ。

力学の答えは以上だが、実生活では別な「force」と「power」使われ方をしている。
軍事力には「force」が使われ、電池や馬力には「power」が使われる。
また「権力移譲」を「enpowerment」というらしいが、権力には「power」がふさわしいらしい。
電源のことを「power supply」というだろう?

東京2020オリンピックが始まった。
人間の有限の「Force(力)」と無限の「Power(可能性)」を見たいものだ。