新しい元号が発表されました。
意外な文字で驚かれた方も多かったでしょう。
菅官房長官や安倍首相の談話では「万葉集」から採られたと説明がありました。

令和万葉集巻五

岩波文庫の『万葉集(上)』217ページにあります。
これは「巻五」に当たります。
「初春の令(よ)き月、気淑(よ)く風和(なご)み…」とありますね。
春の寿(ことほ)ぎを詞書(ことばがき)にし、これから32首の「梅花」の歌が続きます。
※「令月」は陰暦二月の別名でもあり、物事を始めるのに縁起が良い月とされると言われています。

「令月(良き月)」の用例は『論語』にありますね。
有名な「巧言令色」ですよ。
「巧言令色鮮(すくな)し仁」が全文です。
言葉巧みで、表面を取り繕うのがうまい人は、信頼が薄い…
「令色」とは「よき色」という意味で、きれいに見せるというくらいの意味でしょうか。

「令」は「勅令」にも使われ、神のお告げ、天皇の下知(命令)にも使われ、ありがたく従うべき指図であります。
「指令」も「命令」も同じ意味です。
ゆえに「律令(りつりょう)」という中国にならった法律が日本の朝廷で制定されましたね。
「令」には「美しい」という意味があるらしいことは先述の通りですが、なぜなら、神のお告げは「美しい」ものでならなければならないのです。
だれもが、美しいと感じ、心から付き従う指図が「命令」であり「勅令」であるわけね。
いかにも、保守派安倍晋三が好みそうな字です。

「令息」や「令嬢」、「令室」などの敬称に使われるのも、美しいという意味で使われるのでしょう。
「令顔」とは美人のこと。
「県令」や「司令」は「指図する長」という意味で「令」の字を使います。

なかなかよく練られた元号だと思います。