スーパーの鮮魚売り場で「近大卒業真鯛」の切り身が売られていた。

とうとう、近畿大学の「養殖マダイ」がお茶の間に来たか…

すると今日のNHK総合「かんさい熱視線」でブリの養殖事業をやっていた。
「食縁」という近大の先生が興したベンチャー企業がやっている、世界へ養殖ブリで打って出る取り組みだ。

ブリという魚は日本でも高級魚であり、ほぼ養殖で供給されて久しい。
だから、価格も下がり調子で、かつ、日本人の魚離れで急速にブリの養殖業者が廃業していっているという状況だそうだ。
一方で、世界では健康志向も手伝って魚の消費は、魚だけに、うなぎ登りだそうだ。

ブリは日本近海でしか生息しておらず、日本の独壇場だそうだ。
養殖の技術もほぼ確立していて、頭打ちの状態である。

世界でブリを食べてもらうにはその魚臭さをなくさねばならないというテーマで「食縁」は追求したんだね。
そして、餌の改良、生育段階で細かく餌の配合を変える、水質の安定化などなど、ノウハウを蓄積し、まったく魚臭くないブリを作り上げたんだそうだ。
専用餌には鶏肉や緑茶ポリフェノールが含まれて、魚臭さを抑えているそうだ。
また冷凍中の酸化を防ぐために積水化学工業の新規酸化防止フィルムで包んで冷凍すると半年近くも新鮮さを保てるという驚くべき事実も隠されていた。
これなら輸出も平気だね。

この養殖ブリなら世界で勝負できる!
ただ、先進のノルウェーのサーモンの養殖には勝てていない。
それは品質だけではなく、供給量で勝負にならない。
ノルウェーでは早くから巨大企業による集約養殖が成功していて、もはやサーモンの工場生産であり、その豊富で安定な供給体制で世界制覇を完成させている。

日本のブリはサーモンに勝てる逸材だけれど、今のやりかたでは量的に無理。

そこで、「食縁」は主に西日本のブリ養殖業者と連携して、同じ品質のブリを生産しようとIT技術で結んで水質やその地方に合わせた餌を徹底的に管理することでノルウェーに対抗しようとしている。

日経産業新聞などでは、このIT管理は富士通が協力してやっていると書いていた。

近大は、最近でも「うなぎ味」のナマズの養殖で日本人の耳目を集めていたね。

あした、「近大卒」の真鯛を買ってこようか?

(文責 内外小鉄)