日本大学のアメフト部の反則事件は各方面へ様々な波紋を広げた。
こういったことはあってはならない事だが、あまりものを考えない人々には良い薬になる事件だったと思う。

私はこの選手と監督の関係をながめてみて「あ、これは特攻隊だな」と感じた。
あの忌まわしい太平洋戦争で、若者を人間爆弾に仕立て上げて、敵艦に突っ込ませるという「国際ルール違反」を堂々と正当化してやってのけたあれだ。
あの当時は「天皇陛下バンザイ」が至上目標であり、日大アメフトは「関学に勝つこと。日本一になること」が至上目標であり、そのためには手段を選んでいてはいけないという監督のミスリードだった。

スポーツは戦争ではない。
戦うと言っても、ルールを遵守して平等の下で戦うのだ。
相手にけがを負わせて、自軍に有利にするなんてことはあってはならない。

もし戦闘なら、相手の兵を戦場から取り除くことが一つの選択肢であるから、陽動作戦でつり出して殺していくということも隊長は指示せねばならないし、兵も従わねばならない。

アメフトは文字通りアメリカ発のスポーツであり、その過激さから人気が高い。
ルールもどんどん過激なプレー(ひざ下のタックル)を許可する方向になってくる。
セオドア・ルーズベルト大統領の時代に、過激すぎて死者も出ているこのスポーツの健全化を大統領自身が呼びかけたくらいだ。
もともと、暴力的な要素を多分に含んでいるから、防具も他のフットボール競技より異常に重厚だ。
指示系統、統率など軍隊から移入された構造も多く、そういうシステマティックでインテリジェンスなスポーツでもあり、大学スポーツとしても人気が高い所以である。
私は知らないが、各選手のヘルメットにトランシーバーとインカムを装置して監督・コーチから直接無線で指示が飛ぶようになってきているとか。
まったく戦闘の疑似体験ではないか…

いずれにせよ「特攻隊」の再来のようなスポーツはごめんだ。
そんなもの見ていて楽しいはずがないし、やっている選手も楽しくないだろう。
「嫌だ」とは言えない空気は、パワハラである。
まだ若い青年は、影響されやすいし、マインドコントロールされやすい。
だから「特攻隊」が生まれたのだという歴史をもう一度考え直してほしい。

柔道や相撲も野球も、サッカーも探せばあるだろう。
スポーツは「好き」でやるもんだ。
選手に「嫌いになった」なんて言わせないでくれ。