卓球のプロリーグ「Tリーグ」が開幕した。
卓球が、相撲に次ぐ国技としての思い入れからか、両国国技館で初戦の火ぶたが切られたのだった。

卓球の競技がプロリーグに馴染まないと思われていたのは、学生・実業団出身の選手権が中心であり、アマチュアスポーツの一種だと広く認識されていたからではなかろうか?
しかし近年の日本の卓球界の活躍はめざましく、中国、ドイツに並ぶ強豪国になったと言っていい。
※これまでの福原愛の貢献を見ればうなずけよう。彼女が現在活躍中の後進の目標になったことは間違いない。

しかし、実際に卓球がお金のとれるプロスポーツたりうるかという問題は残る。
なぜなら、言うまでもなく、小さな卓球台に選手が向かい合って、これまた小さな玉を打ち合う競技が卓球である。
これを大人数で観戦するというシチュエーションがはたして興行的に成立するのかどうかだ。
アマチュアスポーツであるがゆえに、これまでそういう観戦形態も許されたが、プロリーグとなると、大いに課題が残る。
ところが、今回の両国国技館でのT-リーグ開幕である。
その熱気は、これまでの心配が杞憂に感じられるほどの盛り上がりだった。

たしかに私には、テレビ観戦でないと試合内容がよくわからないというのが正直なところだった。
おそらく、チケットを買ってまでは観に行かないかもしれない。
それでもテレビ放映が盛んにされるのであればぜひ観たいと思う。
強烈なスマッシュを決める瞬間や、続くラリーの行方など、見所はいっぱいある。
テニスぐらい熱い観戦ができるだろうことは請け合ってもいい。

こうなってくると、今後のスポーツも「見せること」にこだわった仕掛けが必要になってくるだろう。
体を激しく動かすことだけがスポーツではない。
人間が全身全霊でおこなう戦いもスポーツだとするならば将棋や碁、チェスもそうではなかろうか?
最近e-スポーツなるものも盛んになりつつある。
e-スポーツのほうが先にプロ化するかもしれないし、第一、オリンピック競技に参入される可能性が高くなっているようだ。
だったら、なおさらボードゲームの囲碁・将棋が、B(ブレイン)‐スポーツとしてふさわしいと思う。
囲碁は言うまでもなく世界的なボードゲームである。
将棋は、チェスに比べて千日手以外の引き分けがなく、先手後手の優劣もない完全なゲームである。
※日本将棋独特の「成り」や「取った駒を使える」というルールが引き分けを作らない仕掛けになっている。

駒の区別が漢字であるために漢字を使わない人々には不利かとも思えるが、実際は彼らにとって「記号」であるから、慣れれば、その点の障害はないらしい。
現に、アメリカやヨーロッパで日本将棋が見直され、インターネット将棋の発達で競技人口も増えている。
今年は、ポーランドの女流棋士カロリーナ・ステチェンスカさんも活躍中だ。

B-スポーツは静かな環境で行われなければならず、応援というものはそぐわないかもしれない。
パブリックビューイングとか、大盤解説を別室で行うような観戦方法がとられるだろう。
公開試合というものもあるけれど、五輪競技となるとどうだろうか?
もちろん正座ではなく、椅子に掛けて競技をおこなえるようにしてほしい。

人間の能力をあますところなく出し切って記録に挑んだり、ルールの下で戦うものがスポーツだとしたら、こういった挑戦も見る者を熱くするに違いない。