男性ホルモンが低下すると「やる気」や「根気」がなくなるらしい。
そういう諸症状を「男性の更年期」などと称するが、医学的に認められているものではないようだ。

女性の更年期には「閉経」という明らかな変化を伴うし、やはり病的にしんどくなる人が多い。
したがって「更年期外来」もあるし、積極的なホルモン治療も施される。

男性ホルモン(アンドロゲン)はなにも男性だけのものではない、女性もこのホルモンを分泌している。
ただ精巣がないので、女性では副腎からアンドロゲンが分泌される(男性も副腎から男性ホルモンは分泌される)。
アンドロゲンは女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンの原料である。
アンドロゲンからエストロゲンは作られる。
ここにも男と女の違いが微妙である原因が存在する。
どうやら、性ホルモンでは男女の区別はあいまいな部分を残すようだ。
分泌のバランス、量のバランス、それを浴びる時期の遅早…
年老いるとそのバランスは崩れ、男も女もその異変に苦しめられる。
「いままでと違う…どうしちまったんだ?おれ(あたし)」

ジェンダーの問題もどうやらこのようなバランスによって大脳が「ちょちょまう」ので、「らしさ」が負担になったり、自分の性の不一致にこだわるようになるのだろう。
下等な動物なら環境ストレスによって雌雄が入れ替わったり、必要な時のみオスを作り出すなどの仕組みが備わっている。
それは生殖が目的だからだ。

ヒトはそればかりではないところが問題なのだ。

さて、男性ホルモンは成長にはかかせないものだ。
アスリートが筋肉を備えるのは男性ホルモンの司令がなくてはならない。
つまりタンパク質合成に男性ホルモンはおおいに関わっている。
ただし、フルマラソンなどの激しいスポーツでは、筋肉の損傷も並大抵ではなく、足ふみで赤血球までも壊されている。
※激しい運動のあとにおしっこの色が濃くなるのは傷んだ赤血球が脾臓で代謝され、ヘモグロビン(血色素)の残渣であるクレアチニンが排出されるからだ。

それほどフルマラソンは過酷なスポーツなのである。
すると、マラソン後、男性ホルモンは消費されつくし、なかなか元の量にもどらないから、約三か月ぐらい、マラソンランナーは更年期のような症状に悩まされるという。
運動のやりすぎは男性ホルモンの低下をまねくと言われている。

男性ホルモンは性ホルモンとして、精子を精巣で作らせる司令も出す。
精子は精巣でタンパク質合成とともに形成される。
その際、亜鉛含有酵素が働くので「精液ドバドバには亜鉛」とよく言われるわけだ。
牡蠣(カキ)やアーモンド、カシューナッツなんかを食えば、敢えてサプリで摂取しなくてもよい量なのだが、ジャンクフードばかり食っていると亜鉛欠乏になるのは必定だから注意しなさいね。

だから亜鉛は細胞分裂が盛んな、精巣や舌の味蕾に分布しているはずだ。
亜鉛欠乏で味覚音痴になるのはそういうことだ。

そして男性諸君がもっとも興味を抱いている「性徴」に男性ホルモンが関わっている。
生れた時に、おちんちんとたまたまがぶら下がっているのも、それらの成長の程度も男性ホルモンがすべて司(つかさど)っているのだった。
さらには男の子っぽい攻撃的な遊びを好むのもどうやら男性ホルモンのしわざらしい。
女性が排卵期ののち、ツンデレになるのも体内で相対的に女性ホルモンより男性ホルモンが勝るために起こるようで、攻撃的になったり、まれに万引きをしたりすることもあるらしい。
女性ホルモンが「やさしさ」「母性」のホルモンであり、男性ホルモンが「勝ちにこだわる」「攻撃性」のホルモンであるといえようか。

そうすると、成長期に男性ホルモンに多くさらされた男性は、筋骨たくましく、性器も大きいということになるのかもしれない。
反対に、女性ホルモンに多くさらされると女は、バストの発達した、お尻の大きい、ふくよかで優しい女になるのだろう。

そしてその中間的な部分にも多数の男女がひしめいている。
男なのに男らしくない、女なのに胸がぺったんこだ、男だけど女に興味はない、女なのに女の子が好き…

ちゃんと理由があるのだよ。
そこはサイエンスなんだけど、サイエンスはデータを提供するだけで答えてはくれない。
答えは人が出すんだ。
そういうことだ。