「女は穢れているのか?」
これをブレーンストーミングの題にするのも良いかもしれない。
古代の日本では天照大御神や卑弥呼の例からも、特に女が「劣っている」とか「穢れている」とかいう思想はなかったようである。
どうやら仏教伝来とともに言われ始めた「女性の穢れ」らしい。
仏教の修行は厳しい。
男の僧侶は、男であるがゆえに、女性に弱い。
修行がおろそかになる。
女から隔離された深山幽谷で修行するのが良いとされたのは、男が女に弱いからにほかならない。
もっと言えば色欲(性欲)という、断ちがたい欲望を断ってこそ、厳しい修行を成し終えることができる。
だから「女人禁制」の場所が修行の場に設けられるのである。
そしてその理由が、もっともらしく「女は血にまみれるから穢れている」のだと言い張った。
なるほど、月経で血を股から垂れ流し、出産と言えば、血まみれになって、苦しみ倒して子を産む。
男はこういう場面に、もともと嫌悪しており、怖がっていたのだ。
今でも「血を見るのが怖い」という男性は多い。
採血の時に針先を見ない男性って多いでしょう?
女はけっこう、じっと見ている。

仏教徒は女を「穢れた存在」として男から遠ざける理由にしたのである。
それもどうやら浄土宗や浄土真宗の信徒らによって広められた節がある。
親鸞の「悪人こそ救われる」という浄土真宗の考えの延長に「だから、もっとも穢れている女こそ救われる」という考えもあって、女の信者が増えた。
蔑まれていた女たちは、われもわれもと浄土真宗に群がったのである。
ちょうど鎌倉時代のころである。
「御成敗式目」という鎌倉幕府の制定した成文法には、女性の権利も相当認められていたようで、信仰の世界のように「女性の穢れ」はさほど問題視されていなかった。
このころには女性の地頭もいたようで、女性の地位はまだまだ地に落ちてはいなかったようだ。

ただ血の穢れとして出産や月経を例に挙げているのは927年制定の「延喜式」だそうだ。
平安時代にはそういう考えが発生していたとみることができる。
これを深読みすれば、平安時代には「血の穢れ」はまだ「穢れたモノ」であって、「女が穢れて」いるという思想には発展していなかった。

やはり鎌倉仏教あたりが「血を垂れ流す女は穢れている」として、その女が修行中の僧侶を惑わすのだとこじつけたのだろう。
女が僧侶を惑わしたのは本当だろうけれど…
この世には男と女しかいないのだから、二つの性が引き合うのは当然だし、動物はみなそうだ。
その結果、子供が生まれ、繁栄するのだから、めでたい話なはず。
でも仏教徒はそういう煩悩から切り離されて修行に勤しまないと成就しないのだ。
護摩を焚いて、お経を読んで、ちんぽを立たせてたんじゃだめなのだ。(それでもいいと私なんかは思うのだけれど)
仏様の前で射精するって「罰当たり?」「無上の喜び?」どっちだ?

仏教の邪教的な面は「女は成仏できない」なんていう思想があるからだ。
唯識論者は「女は地獄の使い」だとまで言う。
血の海からの使者とでも言うのだろうか?
地獄の概念などは、原始仏教にはなかったと浅学な私は記憶している。
道教などの思想が混じって、閻魔様だの、血の池地獄だのを後付けしていったのだと。

男女は陰陽、ヒンドゥー教では「リンガ・ヨニ」と言われる。
違いがはっきりしているが対等の両性。
原始宗教では少なくともそういう考え方で崇拝していた。
日本でもそうだったろう。
やや女の方が地位が上だったかもしれない。
それは女が子を産み育てるからであり、男はそのことに畏敬の念をもっていたはずだ。
母に頭が上がらない男はたくさんいるだろう?
それが自然の教えなんだからしかたがない。

江戸時代になって、男性社会が固定化し、また士農工商などという身分制度まで作られ、人民は幕府に支配された。
こうなっては、社会秩序を守るために、女性蔑視が格好の秩序材料とされた。
そうすれば、弱い男の立場を優位にできる。
あさはかな考えだが、今の今までこの女性差別は連綿と続いた。
「女はダメ」「女は男の所有物」こうしておけば、つまらぬ争いは抑えられ、家庭円満、お家安泰、世継ぎは側室や妾に産ませればいいなどと、男に都合のいい社会が一丁上がりである。

相撲の土俵の上が女人禁制である事実は、こうして作られたのであろう。
相撲も厳しい世界である。
女にかまけていては勝てない。
女を遠ざけるためには「女は穢れている」としておけば、男社会はうまくいくのだった。

どうだろう。
女はそんな「弱い男の言い分」を「かわいいわね」と言ってあしらってやれば。
別に土俵の上に上がらなくても、女は困りはしない。
彼らの、ともすればガラスのような精神を壊してやらないように、離れて見ていましょうよ。
どうやらあたしたちがそばにいると、おちんこが立っちゃってしょうがないらしいから。
坊さんにも、私たちが近寄っちゃいけない。
「坊さん、かんざし買うを見た。よさこい、よさこい」
「祇園の御大人(ごたいじん)に、浄土真宗の住職がたくさんいらっしゃるし、外車を乗り回してるって」と、舞妓はんの言。

やっと守った「男の園」「女人禁制の園」を壊しちゃかわいそうだよ。
好きにやらせてやんなよ。