スマホやゲーム機に入っているCPUは「ARM(アーム)アーキテクチャ」と呼ばれるものである。
ファクトリーオートメーション(FA)分野でもARMの32ビットや64ビット級のアーキテクチャはおなじみだ。
「組込みソフト」というプログラマの仕事がある。
電子炊飯器やエアコンのリモコン、液晶テレビ、洗濯機に入っているお仕着せのプログラムである。
これ専門のプログラマがいるのだ。
それも在野に。
あたしは、こういった組込みソフトは大手メーカーの一部門がやっているものだと思っていた。
確かにそういう部門はあるけれど、もっと普遍的に世の中に散らばっているプログラマが、それで飯を食っているらしい。
うちによく来る配線屋の若い衆が「S社」から抜け落ちた組込みソフトのプログラマで、副業として「一人親方」で頑張って、立派に二人の子供を育てている。

パチンコ業界とか、中小企業の「丸投げ事案」など、拾えばいくらでも仕事があるんだそうだ。
ただ完成度がなかなか顧客要求に答えられておらず、デバッグや改良に追われて「手離れ」が悪い仕事が多いというのが悩みだそうだ。
つまり、結局のところ、たいして儲かっていない。
時間の持ち出し、自分の時間なんてない、家に帰っても仕事に追われる…
それが彼の口癖だった。

ゲーム業界のようなところではグラフィック系の華やかなプログラマがもてはやされているけれど、組込みソフト屋は地味だ。
一般の人にも認知されていない。
訊かれれば「ああ、あんな仕事か」と軽くみられる。

「ARMアーキテクチャはな、ラズパイには欠かせないんや」
「ラ、ラズパイ?」
「ラズベリーパイや」
「ケーキ?」
「ちゃう。ワンボードマイコンやな。昔の。でも中身は違うで」
どうやら、コンピュータの愛称らしい。
彼の話によれば、ラズパイはいろんなことができるマイコンなのだそうだ。
「もともと、学習用のコンピュータなんや。だから、拡張性がある。言語の習得にもなる、うちの上の子にもやらせてるねん」
「これからは、コンピュータプログラミングも義務教育に入ってくんねんてね」
「そうやで」

「ラズパイ」を知るにはさっきの「ARM」を知らねばならないそうだ。
ARMというCPUは、実はかなり身近であり、スマホ・ケータイはもとより、ゲームボーイなどの携帯ゲーム機などに普通に入って活躍している。
ARMの特徴は少ない消費電力であるそうな。
だから携帯機器にもってこいなのね。
ケータイの発達の陰にARMがあったというのも言い過ぎではないらしい。
このような小型機器は充電池で起動し、消費電力の大きいディスクドライブのような駆動系を用いずMOS型の半導体に記録するフラッシュメモリを記憶媒体とする。
スマホが「スマート」なのはARMアーキテクチャのおかげなのね。

ラズベリーパイの可能性を見てください。
あたしは、驚いて、こりゃ、かなわん世界だと思いました。
こんなことを軽々するお子様がいっぱいいるんだろね。
「日本の行く末は、君たちの双肩にかかっている。期待しているぞ」(なおぼん)