二人してベッドに入った。
おれの隣には、裸の純子がいる。
ついこの間まで、今日のデートまで、こんな状況を予想しなかった。
いや、少しは期待していたかもしれない…コンドームをカバンに潜ませているのだから。

いよいよ、おれはセックスをするんや…
「ほな、ええか?」
純子はうなずいただけだった。
最初にどうしたらええんやろ?
おれは純子にかぶさり、キスを交わし、右手をあの部分にぎこちなく這わせた。
「ひゃっ」
純子が身をよじったが、すぐに弛緩する。
指先はサクサクした陰毛をかきわけ、温かな湿り気を帯びた場所を探り当てる。
温かなぬめりが感じられ、その奥に指は滑っていく。
「あん…」
かわいらしい声をあげて、純子のあごが上がるのを見た。
純子は目をつむっていた。

ぬるぬるした粘液は、ある場所からしみだしているようで、その部分はすぐにわかった。
指先は内視鏡のように洞窟に忍び込む…
「いっ」
「痛い?」
「少し」
おれは指を抜いたが、再び、慎重に送り込んだ。
もう人差し指の第一関節まで入っている。
その状態で、おれは目の前の尖った乳首に唇を寄せ、その果実を含んだ。
「やん」
干しブドウのようなそれは、コリコリとしこっている。
女の乳首が男のペニスのように立つんだと何かで読んだか、聞いたことがある。
百円玉くらいの乳輪が、すこし盛り上がっているようだった。

左右均等に、おれは乳首を舐めまわし、手指はさらに純子の奥を目指していた。
ざらつくその襞の感触は、言葉では表現しにくい複雑な様子だった。

目的の場所は、指一本がやっと入る程度の狭さであることはわかった。
窮屈で、抜き差しできないくらいだった。
「そうや、コンドーム」
「持ってきてるのん?」
「こういうことになったらと思って」
「ベッドのとこにも用意してあるけど」
「そんなん、もし穴あけられてたらどすんねん」
「ええっ、そんなことあるの?」
「ラジオで言うてた」
おれは適当に答えて、自分のリュックから宮本さんが用意してくれたコンドームの箱を取り出した。
「そんなん買うの、恥ずかしない?」
純子が、枕に頭をのせてこっちを見ながら笑って言う。
「さっと、レジに持って行って…な」
またまた適当なことを言う。

外装のフィルムを剥(む)いて、箱を開け、コンドームのつづりを引き出す。
おれも初めて見るのだった。
「つけ方、わかってんの?」
「わかってるよ」
「ふうん」
とはいえ初めてなのだ。やったことがないのだ。
しかし、箱の内側になにやら書いてある。
「正しいつけ方」だそうだ。助かる。

「これでよし…と」
「いよいよね。ドキドキするなぁ」
純子が目を潤ませて言うのだった。
「おれに任せろ。ゆっくりやるからな。痛いときは言えよ」
「うん。でも指よりぜったい太いよね、それ」
「そらそうやろ」
純子は自らM字に開脚してくれた。
おれがその間に入り、狙いを定める。
下萌えに飾られ、ぱっくりと開いた谷間は、男を誘ってなまめかしく光っていた。
ゴムをかぶった亀頭をまず擦り付けて、少し膣口に差し込む。
純子は大きな目を開けてその部分を見ている。
「もう少し、入れるで」
「うん」
純子の両肩付近に手をついて腰を進める。
純子の眉間にしわが刻まれる。痛いのだろうか?
下唇を噛みながら、純子は何かに耐えているようだった。
目には恐怖感が現われていた。
おれのペニスは中ほどを過ぎたところだ。まだ奥がありそうだ。
「い、痛いって」
「あかんか?」
おれは仕方なく抜いた。
切れて血がにじんでいる。
「あの…コンドーム取ってくれへん?」
「え?ナマでやるんか?」
「ゴムがこすれて痛いんやと思うの…小縣くんが、ちゃんと外にしてくれたらいいから」
「そうやな…そうしよか」
二人は危険な遊びに手を染めようとしていた。
「ねえ小縣くん」
「うん?」
「精液って、出そうになったらわかるもんなん?」
「ああ、わかるで。そやけどタイミングがむつかしねん」
「そうなんや」
「来ると思ったら、さっと腰を引いて抜かんと、漏れてることがあるかもしれん」
「ふ~ん。もし、もしよ、赤ちゃんができたら、小縣くんは責任取ってくれる?」
おれは一瞬、とまどったが、
「当たり前やんけ。じゅんちゃんが好きやから、嫁にする」
てなことを口走った。
「わかった。そやったらええよ。しよ」
おれはコンドームを外したテラテラと光るペニスを揺らして純子の股の間に進んだ。
「いくで」
「うん」
難なくすべって、ペニスは根元まで純子の中に納まった。
「ほら。痛くない」
「そうか?」
「キスして」
「おっしゃ」
二人はつながって、初めてねっとりと唾液を交換した。
「じゅんこ」
「たっちゃん」
下の名で呼んでくれた純子。
もうだめだった。
興奮が、脊髄を走って純子の胎内で弾けた。
「あ、抜かな」
「抜かんといてっ!」
純子の両足がおれの腰を万力のように締め付けた。
「あかん、あかんて…」
「たっちゃんの、欲しいっ」
「あ、あ~あ…」
どきゅん、どきゅんと精液がとめどなく、純子の中に吸い込まれていった。
おれは汗だくで、純子の上に倒れこんだ。
入れて、一分も経ってないのに…あえなく撃沈してしまった。
純子の膣がひくひくと生き物のようにおれを絞っている。
こうやって女は男の精を吸い取るのだな…と朦朧とした頭で考えていた。
幼く見えた純子が、今は娼婦のようなスレた顔に見えた。
やつれたといっていいのかもしれない。
男を知った少女が女になった瞬間だった。
おれはゆっくりと起き上がり、しぼんだペニスを抜き去った。
ごぼり…白濁液が処女の谷間から噴き出した。
「拭かないと…」
純子も起き上がって枕元のティッシュの箱に手を伸ばす。
「こんなにたくさん…妊娠するかもね」
独り言を言いながら、純子がティッシュで始末している。
おれも拭いた。
「落ち着いてんやな」
「だって、仕方ないやん」
「赤ん坊ができるかもしれへんねんで」
「お姉ちゃんもそうやった」
「もしかして、お前ら、はり合ってんの?」
「昔からあたしら、そうやねん。姉ちゃんがしたら、あたしもしたくなるの」
純子の執念を垣間見た気がした。
「なあ、出来たら、結婚してな。小縣くん」
「たっちゃんでええよ。もう。出来んでも、結婚したる」
「うれしっ」
そういうと純子は抱きついてきた。
「じゅんちゃん」
またひとしきり熱いキスを交わした。
ひとりでに、ふたたびペニスが立ち上がってきた。
「うわ、元気ぃ」
「またやってもいいか?」
「もう、一回も二回もおんなじよ」
「あのさ、ホテル代、おれちょっと足りひんかも」
「心配せんでも、あたしが払ったげるから」
「もう、夫婦やな」
「ほんまに」
そうして、二人はまた睦みあったのだった。