もう9年が経った。
時間は滓のように積み重なって、記憶の底に沈んでいく。

私は、地球の表面に立って、時間を感じている。
「時計」ではわからない「巡る」という感覚。

陽が東から昇り、正面を過ぎて、やがて西のかなたに沈んでいく。
まるで「天動説」のような言い方。
が、しかし、もっと遠い場所から私を見れば、それは回転する球体の上に間違いなく立っていて、太陽の光を浴びているのだ。

時間の経つのが早く感じられて仕方がない。
夜という感覚ではなく、地球の陰の部分と言う感じ…
もうすぐ、陰から日向に向かう。
「夜明け」なんていうロマンチックな気持ちにはなれない。
私は単に、地球という乗り物に乗って、ひたすら回されているにすぎない。

何度、朝を迎えようと、夜を迎えようと、回転しているだけなのだ。
だから、時間の経過が早く感じられて仕方がないのだ。

ああ、また陰に入る。